
日経新聞書評「的確な描写と緊張感が小説の力を伝える」(蜂飼耳さん)、『消失の惑星』書評・感想まとめ
ロシア極東の街で起きた、幼い姉妹の失踪事件。その事件を中心に、13人の女性たちの12か月を描く小説『消失の惑星』(ジュリア・フィリップス、井上里訳)。
発売からひと月が経ち、熱い書評・感想が書かれていますので紹介します。
『消失の惑星【ほし】』
ジュリア・フィリップス、井上里 訳
早川書房
日本経済新聞(3月20日)で、詩人の蜂飼耳さんによる書評が掲載。「13章の物語は、独立したものとして読めるといってよいほど、各章ごとに凝縮されている。起伏のある的確な描写と緊張感が小説の力を伝える」とし、それらの物語が束ねられていく構成・内容にも「読み応えのある作品」と書いていただいています。
書評家の豊崎由美さんは、章ごとにまとめながら紹介いただきました。「この小説は、登場人物が多くて大変」と感じるかたには、助けとなる書評です。
ツイッターでも、たくさんのご感想をいただいています。
#消失の惑星 #読書
— 松田奈緒子 🌾重版出来!16集 3/12発売! (@mazdanaoko) March 15, 2021
ジャケ買いだったのだけど、ぐいぐい読んでラスト爆発するように泣いた。現在のカムチャッカ半島が舞台。しかし登場人物と土地の名前を日本のどこかにしても違和感ないと思う。 pic.twitter.com/SlUjZvBPuK
SNSで紹介されてて気になった『消失の惑星』、終始切なく苦しいのに、ぐいっと一歩、更に一歩と引き込まれながら夢中で読んだ。読み終わってもなかなかカムチャッツカから抜け出せない。ニンジンをかじる音の愛しさよ… pic.twitter.com/ZDzru5sWxV
— おくやまゆか (@atariokuyama) March 14, 2021
『消失の惑星(ほし)』(ジュリア・フィリップス)、まだ途中なんだけど、「十二月」が凄い! これだけで大長編を読了したような充実感。また彼女たちに会えるのだろうか。
— 丸山正樹 (@mamaruyama) March 14, 2021
ジュリア・フィリップス作、井上里訳『消失の惑星』(早川書房)
— Maho K (@KnstMaho) March 13, 2021
日本から近いが(心理的には)遠いカムチャッカ半島が舞台。幼い姉妹の失踪で幕を開けるものの、ついで綴られるのはそこに暮らす女たちの出口のない「人生」というよりも「生活」。章ごとに主人公が変わるが、次第に繋がって→
その地域と人間関係が立体的になる。同じ人でも、あちらから見るのとこちらから見るのとでは違う人物像に、というのもリアル。
— Maho K (@KnstMaho) March 13, 2021
二度と取り戻せないものへの追憶と諦念に胸を痛めていると絶妙なタイミングでミステリ小説のスイッチが入る。
嵐の午後に一気読みするのにぴったりだった。ああ面白かった。
ジュリア・フィリップス『消失の惑星』(井上里訳、早川書房)読了。凍えて、ヒリヒリと灼けつくよう。すばらしかった。
— 千織 (@hioric_bits) March 17, 2021
女たち。彼女らと関係のある男たち。子。先住民、移民。田舎と都会。家族、伝統、歴史。共産主義と資本主義。自然。切り口がたくさんある。そして、予想外の結末へ….