小学生・中学生向けのクリスティー傑作10作品刊行! その特色は? ハヤカワ・ジュニア・ミステリ
世界中の名探偵が集まるレーベル〈ハヤカワ・ジュニア・ミステリ〉。その第1弾は、アガサ・クリスティーの長篇10作品です。そのラインナップとおすすめポイントを、ちびキャラのポアロこと、「ポアロくん」に聞いてみましょう。
ポアロくん
アガサ・クリスティー傑作長篇10作品、刊行
第1回配本(2冊) 3月18日発売
『名探偵ポアロ オリエント急行の殺人』
山本やよい 訳 二階堂彩 絵
大雪で止まって密室になった列車で殺人事件がおきた。名探偵ポアロが捜査するが、すべての乗客には完璧なアリバイがあった……。
『そして誰もいなくなった』
青木久惠 訳 くろでこ 絵
孤島に招かれた10人の男女。夕食の席、突如はじまるデスゲーム。
誰も逃げられないなか、不気味な歌詞どおりに1人ずつ殺されゆく……。
世界1億部突破の危険すぎる小説。
対象:小学校高学年・中学生~
四六判並製 小学4年生以上で習う漢字にルビ
教えてポアロくん!
Q「このシリーズの特色は?」
A「読書の楽しみ・ミステリの面白さを知ってもらうのにぴったりだよ。ポイントは4つ。」
①キャラが立った名探偵が勢揃い!
名探偵ポアロ、ミス・マープルなど、世界中で人気のキャラクターたち。2020年代の日本の子どもたちに親しんでもらうために、新しいコンセプトでビジュアル化しました。
灰色の脳細胞がどんな事件も解決!
エルキュール・ポアロは、シャーロック・ホームズと肩を並べる世界的な探偵。
きちんと整えられた口ヒゲ、推理中に興奮すると緑色に輝く目、威厳に満ちた物腰が特徴。おしゃれで、身だしなみにはいつも気をつかっている。
ポアロが推理で重んじるのは、秩序だてと体系づけ。ひとたび証拠と証言を集めたら、灰色の脳細胞を働かせ、情報を徹底的に整理していく。
②ここでしか読めない!
クリスティー作品のなかでも最も有名な『そして誰もいなくなった』、今年ハリウッド映画が公開される『名探偵ポアロ ナイルに死す』、ミス・マープルの代表作『パディントン発4時50分』『予告殺人』は、日本ではこの児童書版と、一般向けのクリスティー文庫(ともに早川書房)だけで読むことができます。
③「本物」を味わえる完訳、ルビ、登場人物が覚えやすい挿絵
・完訳:省略せずに、作品本来の魅力をつたえる完訳
・ルビ:小学4年生以降に習う漢字にルビ付き
・挿絵:事件の謎、スリルを盛り上げる挿絵(アガサ・クリスティー社公認)
「殺人犯はわれわれのそばにいる──いまも、この列車のなかに……」(『名推理ポアロ オリエント急行の殺人』より)
挿絵があるから、登場人物の名前が覚えやすい。
登場人物紹介ページ
あらすじ
④論理的思考力、世界史の知識が身につく
名探偵ポアロはいくつも仮説を立てて、矛盾する推論をつぶしていき、犯人を導き出します。その鋭い推理を読むうちに、論理的思考力の重要性を知ることになります。
クリスティーの作品は二度の世界大戦のあいだ、そして戦後に書かれました。ミステリの本筋の背景には、当時の出来事や文化が描きこまれています。物語を楽しんでいると自然に世界史の勉強になります。
(『名推理ポアロ オリエント急行の殺人』より)
アガサ・クリスティーとは?
(C)Angus McBean
1890~1976年。「ミステリの女王」とも呼ばれる、世界で最も有名なミステリ作家。
イギリス、デヴォン州生まれ。少女のころから読書に熱中し、やがて自ら執筆するようになり、1920年に長篇『スタイルズ荘の怪事件』で作家デビュー。本書でエルキュール・ポアロも誕生しました。
彼女の作品はいまも読みつがれており、発行部数は全世界で20億冊と言われています。その魅力はとにかく〝小説を書くのがうまい〟こと。平易で読みやすく、それでいて奥深い文章表現。人物造形とその関係性の妙。劇的な演出。そして抜群のエンターテインメント性から、あらゆる時代、あらゆる国の子どもと大人を楽しませてきました。
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アガサ・クリスティー傑作長篇10作品
2020年3月
①『名探偵ポアロ オリエント急行の殺人』(山本やよい 訳)
密室となった列車内の大胆なトリックにポアロがいどむ。
②『そして誰もいなくなった』(青木久惠 訳)
脱出不可能な孤島で、何者かに男女がつぎつぎ殺されてゆく......。
2020年4月発売
③『名探偵ポアロ メソポタミヤの殺人』(田村義進 訳)
古代文明の眠る地で起きた異変にポアロの推理は?
④『ミス・マープルの名推理 パディントン発4時50分』(小尾芙佐 訳)
死体が消えた? ミス・マープルが秘策で真相を暴く。
2020年5月発売
⑤『名推理ポアロ 雲をつかむ死』(田中一江 訳)
航空機内でおこった奇妙な殺人に、ポアロの推理がさえる。
⑥『トミーとタペンスの大冒険 秘密機関』(嵯峨静江 訳)
若いカップル、トミーとタペンスが国際陰謀事件に挑戦。
2020年6月発売
⑦『名推理ポアロ ABC殺人事件』(田口俊樹 訳)
姿なき連続殺人犯と、名探偵ポアロの死闘。
⑧『ミス・マープルの名推理 予告殺人』(羽田詩津子 訳)
新聞で予告された殺人に、ミス・マープルが挑む。
2020年7月発売
⑨『名推理ポアロ ナイルに死す』(佐藤耕士 訳)
悠久のナイル、ポアロがいどむロマン満点の事件。
⑩『茶色の服の男』(深町眞理子 訳)
サスペンス満点に展開するスパイものの傑作。
世界中の名探偵が集まる!!
ハヤカワ・ジュニア・ミステリ
予告
クリスティーの10作品からはじまる児童書レーベル、ハヤカワ・ジュニア・ミステリ。子ども探偵から、どんな事件も解決するレジェンドまで、世界中の名探偵が集まります。70年にわたって翻訳ミステリを刊行してきた早川書房が、ナゾとき×キャラクター×物語、どの点をとってもすぐれた作品をとどけます。
クリスティーにつづく第2弾は、少年探偵が活躍する『列車探偵ハル(仮)』シリーズ。世界中の有名な列車で起きるさまざまな事件に11歳のハル少年が挑みます。
【予告 8月刊行予定】
『列車探偵ハル 王室列車の宝石どろぼうを追え!(仮)』
M・G・レオナルド&サム・セッジマン/武富博子訳
対象:小学校中学年~
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