エレベーター

ジェイソンという同い年で同じHIPHOP好きなRESPECTできる作家に出会えて本当に良かった──ジェイソン・レナルズ『エレベーター』レビュー〔晋平太(ラッパー)〕

斬新な文体で少年の復讐を描き、全米で10の文学賞を受賞した、ジェイソン・レナルズ『エレベーター』。
ラッパーの晋平太さんよりコメントをいただきました!

エレベーター

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スパイクリーの映画クロッカーズを初めて見た時と同じ感触でした。

ストリートライフってこんななんだ、、、ネイバーフッドってこう言う事なのかな、、、HIPHOPってこれを助長する為にあるの?変える為にあるの?2パックとビギーが生きてたら今何て言うの?

人間は環境の影響をモロに受ける生き物で、その環境の影響をモロに自分が受けている事に気付くには、その環境から離れないと難しいけどその環境から離れるのが何よりも難しい。難しいからずっとその環境にいてその影響を受けて、、、って言うループがアメリカでは、いや日本でも、多分世界中で繰り返されている。

ジェイソンはきっとそのスパイラルから文才を武器にして抜け出せたんだと思う。だからこそ自分の才能で世の中に考えるキッカケを与えようとしているんだろう。最高にCOOLなLOCOだ。それがHIPHOPだと思うしZULUだ。

ジェイソンという同い年で同じHIPHOP好きなRESPECTできる作家に出会えて本当に良かった。

一口目はクロッカーズ風味だけど後味はエレベーターの方が全然好きです。

晋平太(ラッパー)
Twitter:@shinpeita

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エレベーター

ジェイソン・レナルズ/青木千鶴訳『エレベーター
装画:サイトウユウスケ
四六判並製 本体価格1800円+税
早川書房より大好評発売中

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