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10周年記念〈機龍警察〉オフィシャル・ガイド

2010年にスタートした大河警察小説シリーズ〈機龍警察〉。今年は、シリーズ開始&月村了衛氏の小説家デビュー10周年にあたります。10周年を記念して、ミステリマガジン(奇数月25日発売)では、最新長篇『機龍警察 白骨街道』を連載。そして12月3日には、吉川英治文学新人賞受賞のシリーズ第3作『機龍警察 暗黒市場』(上・下)をハヤカワ文庫から刊行しました。初めての方にもぜひ手に取って、この今世紀最大の警察サーガの更新に立ち会う興奮を体験していただきたい気持ちをこめて、現時点までのシリーズの軌跡をガイドしていきます。

機龍シリーズガイドヘッダー

〈機龍警察〉STORY GUIDE

・テロや民族紛争の激化に伴い、機甲兵装と呼ばれる軍用有人兵器が普及し、組織犯罪が凶悪化、大規模化するなか、元外務官僚の沖津旬一郎をトップとする警視庁特捜部が新設された――。
・特捜部は、最新鋭の機甲兵装である〈龍機兵〉(ドラグーン)を導入し、搭乗員として3人の傭兵――姿俊之(民間警備要員)、ユーリ・オズノフ(元ロシア警官)、ライザ・ラードナー(元北アイルランドテロリスト)――を警部待遇で雇った。
・警察組織内から「裏切り者」と疎んじられる特捜部の刑事たちの警官魂と、3人の「余所者」が搭乗する〈龍機兵〉の戦闘力が連携して、国内外を揺るがす凶悪な犯罪に立ち向かう。
・やがて浮かび上がる、警察上層部をも取り込んだ真の〈敵〉とは?

〈機龍警察〉シリーズ、読む順番はコチラ

現在、最新長篇第6作『機龍警察 白骨街道』を連載中ですが、どの順番で読めばいいのか、ここで改めてご紹介していきましょう。

第1弾 機龍警察〔完全版〕
ハヤカワ文庫JA/ハヤカワ・ミステリワールド(四六判上製)

第2弾 機龍警察 自爆条項〔完全版〕
)ハヤカワ文庫JA/ハヤカワ・ミステリワールド(四六判上製)

第3弾 機龍警察 暗黒市場
)ハヤカワ文庫JA(本書)/ハヤカワ・ミステリワールド(四六判上製)

第4弾 機龍警察 未亡旅団
ハヤカワ・ミステリワールド(四六判上製)

短篇集 機龍警察 火宅
ハヤカワ文庫JA/ハヤカワ・ミステリワールド(四六判上製)

第5弾 機龍警察 狼眼殺手
ハヤカワ・ミステリワールド(四六判上製)

第6弾 機龍警察 白骨街道
ハヤカワ・ミステリマガジン(奇数月25日発売)にて連載中

ちなみに〔完全版〕とついているものとついていないものの差は、先に出たものと、のちに加筆修正したものの差で、加筆修正したものが〔完全版〕です。マニアの向きにはすべてお読みいただくというのもありですが、まずは〔完全版〕文庫が最新なので手に取っていただくにはよいかと思います。〔完全版〕は第2弾の『自爆条項』までで、今後『暗黒市場〔完全版〕』などは出ません。

月村さん吉川英治文学新人賞祝賀会

著者略歴

ここで、小説家デビュー10周年を迎えた著者の月村了衛氏の華麗なる経歴をご紹介していきましょう。

月村了衛(つきむら・りょうえ)
1963年生まれ。早稲田大学第一文学部文芸学科卒。2010年に『機龍警察』で小説家デビュー。2012年に本作『機龍警察 自爆条項』で第33回日本SF大賞、2013年に『機龍警察 暗黒市場』(以上ハヤカワ文庫JA)で第34回吉川英治文学新人賞、2015年に『コルトM1851残月』(文春文庫)で第17回大藪春彦賞、『土漠の花』(幻冬舎文庫)で第68回日本推理作家協会賞、2019年に『欺す衆生』(新潮社)で第10回山田風太郎賞を受賞。2017年に上梓したシリーズ長篇第5作『機龍警察 狼眼殺手』(ハヤカワ・ミステリワールド)は、「ミステリが読みたい! 2018年版』国内篇の1位を獲得。

〈機龍警察〉に登場する人物たち

特捜部が契約した3人の元傭兵
姿俊之(すがた・としゆき)
特捜部付警部。突入班龍機兵搭乗要員。元民間警備要員(フリーランスの傭兵)。伝説的傭兵部隊の生き残り。人を喰ったような態度の饒舌家だが仕事に対しては完壁なプロフェッショナル。精悍な顔立ちに無精ひげ。外見年齢は30代前半だが、ほぼ白髪。使用機体は突撃と近接戦闘に秀でた『フィアボルグ』。
ライザ・ラードナー
特捜部付警部。突入班龍機兵搭乗要員。元IRF(アイリッシユ・リパブリカン・フォース)のテロリスト〈死神〉。髪は砂色に近いブロンド。瞳はグリーン。外見年齢は20代後半。人の目を惹きつける美貌を打ち消すかのような翳りが全身を覆っている。使用機体はウェポン・ラックを背負い最大の火力と大量殺傷能力を持つ『バンシー』。
ユーリ・オズノフ
特捜部付警部。突入班龍機兵搭乗要員。元モスクワ民警の刑事だが在職中に指名手配され、裏社会を転々としていた。常に氷のように冷ややかな無表情。金髪で、瞳はアイスブルー。外見年齢は30代前半。常に黒い革手袋を嵌めている。使用機体は俊足『バーゲスト』。

特捜部主要部員
沖津旬一郎(おきつ・じゅんいちろう)
特捜部部長。警視長。外務省出身でありながら異例にも警察庁に移動。特捜部設立の中心となった。優秀な刑事を全国から引き扱くなど強引な手腕には批判も多いが、鋭い切れ味の頭脳と得体の知れぬ強い意志を内に秘めた姿勢は一目置かれている。外務省時代の経歴には不明な点が多い。
城木貴彦(しろき・たかひこ)
特捜部理事官。警視。貴公子然とした外見の内に理想主義と心配症を隠す。30歳。代々政治家や高級官僚を輩出してきた名家の出身で、父は財務省外郭団体理事長、兄は政治家。
宮近浩二(みやちか・こうじ)
特捜部理事官。警視。見るからに官僚じみた七三分けの髪型。城木と同期。妻は警察高官の姪で、特捜部にきて出世の道を違えたと思っているが諦めてはいない。妻と娘に頭が上がらない。
鈴石緑(すずいし・みどり)
特捜部技術班主任。警部補。特捜部庁舎地下の工場兼ラボにて龍機兵の整備・修理を行う技術班を統括する。家族をIRFによるテロで失った過去を持ち、ライザに対して複雑な感情を抱く。
由起谷志郎(ゆきたに・しろう)
特捜部捜査班主任。警部補。細身で色白で優男めいた容貌。部下からの信望も厚いが、内に秘めた衝動を抑えるために人知れず苦悩する。
夏川大悟(なつかわ・だいご)
特捜部捜査班主任。警部補。柔道で鍛えた筋肉質の体に角刈リという出で立ち。豪放磊落でストレートな性格だが、正反対の性格の由起谷と仲が良い。

〈機龍警察〉各作巻あらすじ

第1弾 機龍警察〔完全版〕

テロや民族紛争の激化に伴い発達した近接戦闘兵器・機甲兵装。新型機“龍機兵"を導入した警視庁特捜部は、その搭乗員として三人の傭兵と契約した。警察組織内で孤立しつつも、彼らは機甲兵装による立て篭もり現場へ出動する。だが事件の背後には想像を絶する巨大な闇が広がっていた…日本SF大賞&吉川英治文学新人賞受賞の大河警察小説シリーズがここに壮麗な幕を開ける! 第1作の徹底加筆完全版。文庫版の解説は千街晶之氏。単行本版にはインタヴュー・エッセイの再録、シリーズ長篇自作解題(『未亡旅団』まで)、香山二三郎氏、霜月蒼氏、堺三保氏の〈機龍警察〉論考を収録。

第2弾 機龍警察 自爆条項〔完全版〕

軍用有人兵器・機甲兵装の密輸事案を捜査する警視庁特捜部は、北アイルランドのテロ組織IRFによるイギリス高官暗殺計画を掴んだ。だが、不可解な捜査中止命令がくだる。首相官邸、警察庁、外務省、そして中国黒社会の暗闘の果てに、特捜部の契約する〈傭兵〉ライザ・ラードナー警部の凄絶な過去が浮かび上がる! 極限までに進化した、今世紀最高峰の警察小説シリーズ第2作が、大幅加筆を加えた完全版として登場。文庫版の解説は霜月蒼氏。単行本版にはシリーズ短篇自作解題を収録。第33回日本SF大賞受賞作。

第3弾 機龍警察 暗黒市場

警視庁との契約を解除されたユーリ・オズノフ元警部は、旧知のロシアン・マフィアと組んで武器密売に手を染める。一方、市場に流出した新型機甲兵装が〈龍機兵〉の同型機ではとの疑念を抱く沖津特捜部長は、ブラックマーケット壊滅作戦に着手した。ロシアの歴史と腐敗が生んだ最悪の犯罪社会に特捜部はどう立ち向かうのか。吉川英治文学新人賞に輝く世界標準の大河警察小説。警察官の魂の遍歴を描く、白熱と興奮の第3弾。文庫版の解説は宇田川拓也氏。第34回吉川英治文学新人賞受賞作。

第4弾 機龍警察 未亡旅団

チェチェン紛争で家族を失った女だけのテロ組織『黒い未亡人』が日本に潜入した。公安部と合同で捜査に当たる特捜部は、未成年による自爆テロをも辞さぬ彼女達の戦法に翻弄される。一方、特捜部の城木理事官は実の兄・宗方亮太郎議員にある疑念を抱くが、それは政界と警察全体を揺るがす悪夢につながっていた――世界のエンタテインメントに新たな地平を拓く至高の警察小説、衝撃と愛憎の第4弾。

短篇集 機龍警察 火宅

最新型特殊装備"龍機兵"を擁する警視庁特捜部は、警察内部の偏見に抗いつつ、国際情勢のボーダーレス化と共に変容する犯罪に立ち向かう――由起谷主任が死の床にある元上司の秘密に迫る表題作、特捜部入り前のライザの彷徨を描く「済度」、疑獄事件捜査の末に鈴石主任が悪夢の未来を幻視する「化生」など全8篇を収録。着想の妙と研ぎ澄まされた世界が広がる、2010年代最高のミステリ・シリーズ初の短篇集。文庫版の解説は円城塔氏。

第5弾 機龍警察 狼眼殺手

経産省とフォン・コーポレーションが進める日中合同プロジェクト『クイアコン』に絡む一大疑獄。特捜部は捜査一課、二課と合同で捜査に着手するが何者かによって関係者が次々と殺害されていく。謎の暗殺者に翻弄される警視庁。だが事態はさらに別の様相を呈し始める。追いつめられた沖津特捜部長の下した決断とは――生々しいまでに今という時代を反映する究極の警察小説シリーズ、激闘と悲哀の第5弾。「ミステリが読みたい! 2018年版』国内篇第1位。

第6弾 機龍警察 白骨街道

警視庁特捜部に新たな指令がくだった。君島という男が初の国産機甲兵装のサンプルを抱えて国外に逃亡し、ミャンマーで確保されたという。君島の日本への引き渡しを特捜部の傭兵たちにやらせろというのだ。引き渡し場所はミャンマー国境近くの危険きわまりない紛争地域だった。彼らに得のない命がけの任務だが断るすべはなく、姿、ユーリ、ライザの3人は武器も携帯できぬまま現地に飛ぶ――。ハヤカワ・ミステリマガジン(奇数月25日発売)にて連載中。


もちろんそれぞれ単独でも楽しめる作りですが、続けて読むとより大きな喜びがございます。とくに本シリーズは、巻を重ねるごとに最高傑作を更新しているので、これを読まない手はありません! 何度読んでも発見があり、1巻の伏線がここで!? ということもざらにあるので、目が離せないのです。この機会にシリーズを追ってみませんか?

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