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冲方丁『マルドゥック・アノニマス7』3/16(水)発売! シリーズ一挙紹介

SFマガジンにて連載中の、冲方丁氏による人気シリーズ『マルドゥック・アノニマス』。最新7巻発売を機に、『マルドゥック・スクランブル』『マルドゥック・ヴェロシティ』とあわせて、これまでの物語を一挙紹介します。

■『マルドゥック・スクランブル』

『マルドゥック・スクランブル 1~3〔完全版〕』

なぜ私なの? 賭博師シェルの奸計により少女娼婦バロットは爆炎にのまれた。瀕死の彼女を救ったのは、委任事件担当官にして万能兵器のネズミ、ウフコックだった。法的に禁止された科学技術の使用が許可されるスクランブル-09。この緊急法令により蘇ったバロットはシェルの犯罪を追うが、そこに敵の担当官ボイルドが立ち塞がる。それはかつてウフコックを濫用し、殺戮の限りを尽くした男だった。代表作の完全改稿版。

■『マルドゥック・ヴェロシティ』

『マルドゥック・ヴェロシティ 1~3〔新装版〕』

戦地において友軍への誤爆という罪を犯した男――ディムズデイル=ボイルド。肉体改造のため軍研究所に収容された彼は、約束の地への墜落のビジョンに苛まれていた。そんなボイルドを救済したのは、知能を持つ万能兵器にして、無垢の良心たるネズミ・ウフコックだった。だが、やがて戦争は終結、彼らを“廃棄"するための部隊が研究所に迫っていた……。『マルドゥック・スクランブル』以前を描く、虚無と良心の訣別の物語。

■『マルドゥック・アノニマス1』

『マルドゥック・スクランブル』から2年――自らの人生を取り戻したバロットは勉学の道に進み、ウフコックは新たなパートナーのロックらと事件解決の日々を送っていた。そんなイースターズ・オフィスに、馴染みの弁護士サムから企業の内部告発者ケネス・C・Oの保護依頼が持ち込まれた。調査に向かったウフコックとロックは都市の新勢力〈クインテット〉と遭遇する。
それは悪徳と死者をめぐる最後の遍歴の始まりだった。

■『マルドゥック・アノニマス2』

企業の内部告発者ケネス・C・Oの行方を追うなかで、ウフコックはパートナーのロックと弁護士サムを〈クインテット〉により惨殺された。保護証人を失ったイースターズ・オフィスは事件不成立により調査を中断するが、ウフコックはサムの遺志を継いで〈クインテット〉への潜入調査を始める。ハンターの緻密な戦略のもと、アンダーグラウンドを制圧する〈クインテット〉の悪徳を、ウフコックはただ傍観するほかなかった。

■『マルドゥック・アノニマス3』

マルドゥック市の中枢部に食い込んだハンターは、共感(シンパシー)をもって新興勢力を〈クインテット〉に引き入れ、戦力を拡大していく。その様を見せつけられたウフコックは、対抗できる「善の勢力」を結集するため孤独に奔走する。自らにとって唯一の善なる存在、バロットには何も知らせず、ただ新たな道を歩む姿を見守ると決めて。ウフコックとハンター、それぞれの計画の機が熟したとき、両者の全面衝突が始まろうとしていた。

■『マルドゥック・アノニマス4』

オフィスとクインテットの死闘の末、両陣営は多数負傷者を出し、ウフコックはハンターに拉致されてしまう。何も知らずに友人たちとの卒業旅行から帰ったバロットは、イースターからこれまでの経緯を聞き、ウフコックの奪還を決意する。善なる協力者たち、大学での新たな学び、そして楽園――考えうるすべての方法を使って。あの日、ネズミの良心に救われた少女はいつしか二十歳に近づいていた。二人の物語が再び動き出す。

■『マルドゥック・アノニマス5』

ウフコックを探すには、まずはハンターを知る必要がある――そう考えて〈楽園〉を再訪したバロットは、ハンターとオクトーバー一族の意外な過去に辿り着く。〈クインテット〉の結成以前に、彼に何があったのか? 引き続き捜索と調査を行う一方でバロットは、ストリートでの過酷な経験を経て、エンハンサーとなった少女アビーを家族に迎える準備を進めていた。かつての自分のように、信頼できる相手を求める少女を救うために。

■『マルドゥック・アノニマス6』

二十歳の誕生日を控え、声帯再生手術を受けたバロットは六年ぶりに声を取り戻す。人生の新しい始まり──その記念すべき日に祝福と面会の要求を告げたのは、ウフコックを拘禁し続けるハンターだった。ハンター=シザースと考えた根拠を知りたがっている。そう考察したバロットは、交渉でウフコックの居場所をわずかでも掴むべく、フラワー法律事務所を訪ねる。互いの目的を隠したまま、二度目の対話が始まろうとしていた。

そして最新巻では……!

■『マルドゥック・アノニマス7』

〈クインテット〉との死闘の末、ついにガス室からウフコックを救出したバロット。だが息つく間もなく、ウフコックは〈オフィス〉の仲間ブルーを奪還するため、再度の潜入捜査に向かう。一方、ナタリアの精神世界でシザースにもノーマにも利用されない道を探るハンターは、ディムズデイル・ボイルドと邂逅する。幾度もの武力衝突と、悪徳による正義の侵略を経て、都市中を巻き込んだ闘争は新たな段階、薬害集団訴訟に入った。