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【2/16発売】『アディ・ラルーの誰も知らない人生』書店員さんのご感想紹介!

2月16日に発売となったV・E・シュワブ『アディ・ラルーの誰も知らない人生』(高里ひろ訳)は31ヵ国で翻訳、アメリカでは100万部を突破した、今期注目作品となります!本記事ではゲラをお読みいただいた書店員さんのご感想を紹介させていただきます!
※若干のネタバレを含みますのでご注意ください。

誰もが一度は夢に見る永遠の若さ。でも1人ぼっちはあまりにも悲しすぎる。どんなに若くて魅力的でもそれを誰も覚えていないなら意味があるのか。ということはやっぱり人間は1人では生きられなくて、他社の目に映る自分がいて初めて自己が確立されるってことなのかなぁ。。
そうだとしたらアディの何百年ってとってもつらい年月だったんだろうな。
ミューズとなり記憶の隅に残るという挑戦がとってもおしゃれですてきです。法のぬけ道のような。読書中はニューヨークの街並が目に浮かぶようでした。行ったことはありませんが。
(ジュンク堂書店 秋田店 進藤菜美子さん)

圧倒的な傑作!
なんという壮大な愛の物語だろう。いや、ただの愛の物語ではないのかもしれない。女性が1人で生きることの困難、生きた証を残したいと願う希望、たった1人愛する人のために捧げる人生。永遠の様に長く、一瞬のように切ない。とても美し物語。間違いなく2022年最高の小説といえる。
物語の構成も素晴らしく、一体何が起きているんだろう?というところから始まり徐々にこの物語世界を理解し、それと同時に物語世界に引き込まれていく。各部ごとにある芸術作品の謎が物語の中で解明していく快感。
こんな小説が読みたかった!と心から思える作品でした。
(ブックスタジオ大阪 渋谷宙希さん)

「誰と知り合っても誰の記憶にも残らない」人が主人公ってだけでもめちゃくちゃ面白いのに、そこに盛りつけられたものもより面白くとても良い化学反応が引き起こされていて、とても楽しかったです。
時の流れが早い分だからこそこの本の主人公が過ごす時の流れによりそってこの本を読み進めてくれれば良いなあと思いましたし、読んでもらえればきっとこの本はかけがえのない一冊になると思います。
(栗林書房 村尾康希さん)

アディの選んだ人生とは?
300年という時間が短い章で何度も何度もフラッシュバックされる展開はリュックとの心理戦と一人の男性との出会いで初めて心揺れるロマンスがあり想像を遥かに超えてしまう物語でした。ファンタジーの面白さと共にアディと共に味わう人生の苦味そして喜び。過去の芸術品の微かに残る彼女の残像は私だけが知ったアディの秘密のようにも感じる。
もしかしたら、あの物語もあれもこれももう一人にアディの生きた人生なのかもしれないと…本を見ると想像してしまうかもしれない。
(未来屋書店大日 石坂華月さん)

途方もない愛の物語だった。
何度も忘れられ虐げられ、絶望しても決して生きることを、
自由になることを諦めない。
なんて強い女性なのだろう。
彼女の三百年の物語を前に、私はもう身を委ねることしかできない。
(旭屋書店新越谷店 猪股宏美さん)


〈あらすじ〉
誰の記憶にも残らない人生の、誰にも忘れられない物語――

1714年、フランスの小さな村。アディ・ラルーは、広い世界に憧れ、運命の恋人との出会いを夢見ていたが、望まぬ結婚を強いられてしまう。追いつめられたアディは、古い神々のひとりと取引し、望みどおり自由に生きる時間を手に入れる。しかし、その取引には落とし穴があった。アディは誰の記憶にも残らなくなってしまったのだ。家族からも忘れられ、世界中の誰からも消えた存在になった……。

自由に生きられる無限の時間を得た代償に、誰の記憶にも残らなくなったアディ。“自分のもの”を持つこともできず、他人の住まい、他人のものを拝借して暮らす生活を強いられる。彼女の孤独な人生の支えとなったのは、美しいものや驚きを見つけていくことだった。パリで、ヴェネツィアで、ロンドンで、ミュンヘンで。そして300年の時がたった……。

2014年、ニューヨーク。アディが古書店で出会ったヘンリーは、ただひとり、彼女のことを憶えていられたが……。

彼を愛したアディの、誰も知らない、誰にも忘れられない物語。

〈書誌情報〉
Ⅴ・E・シュワブ『アディ・ラルーの誰も知らない人生』(上下)
高里ひろ 訳
装画:ゲレンデ  装幀:早川書房デザイン室
単行本 四六判並製 各1870円(税込)
2022年2月16日発売