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【4月11日発売】アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞ノミネート作『円周率の日に先生は死んだ』(ハヤカワ・ミステリ文庫)

早川書房はハヤカワ・ミステリ文庫より、2023年4月11日にヘザー・ヤング『円周率の日に先生は死んだ』を刊行いたします。

ヘザー・ヤング『円周率の日に先生は死んだ
翻訳:不二淑子
定価:1,870円(税込) ハヤカワ・ミステリ文庫
刊行日:2023年4月11日(電子版同時発売)
カバーイラスト:いとうあつき
カバーデザイン:坂川朱音
ISBN:978-4-15185401-9

◆あらすじ

 3月14日——円周率の日に、数学教師アダム・マークルの焼死体が発見された。
 第一発見者はアダムの教え子サル・プレンティス。
 死体は偶然見つけたと言ったきり口を閉ざすサルに、社会科教師ノラ・ウィートンは疑念を抱く。
 11歳の孤独な少年サルとアダムの出会いから焼死事件までの数ヵ月間と、平凡な教師ノラが真相解明のために奔走した焼死事件後の数週間。
 それぞれの視点が重なるとき、すべての謎が明らかになる。

◆みどころ

 本書は『ブートバザールの少年探偵』、『木曜殺人クラブ』、『かくて彼女はヘレンとなった』などの作品とともに2021年度アメリカ探偵作家クラブ賞(MWA賞)最優秀長篇賞にノミネートされた作品です。

 物語は数学教師焼死事件前と事件後のふたつの時間軸で進みます。
 事件前のできごとは、焼死した数学教師アダムの教え子サル・プレンティスの視点で語られます。
 物語がはじまるのは、事件が起こる半年前の9月。
 サルは数ヵ月前に母親を亡くしたばかり。一方のアダムは大学の教授を辞め田舎町にやってきた“よそ者”。孤独なふたりは数学をとおして絆を深めていきます。
 そんななか、どうして焼死事件は起きてしまったのか? だんだんと不穏さを増す様子に目が離せません。

 事件後の視点人物は、アダムの同僚の社会科教師ノラ・ウィートンと、サルの母親の幼馴染である救急救命士のジェイク・サンチェス。
 サルの様子に違和感を覚えたノラとジェイクは独自に事件を追います。
 地元で生まれ育ったふたりの視点は、閉鎖的で人間関係の濃い田舎町の息苦しさとある種の安心感を映し出します。小さなコミュニティで起きた事件の真相が徐々に明かされるパートです。

 MWA賞ノミネートの本格的なミステリでありながら、文学的な味わいも深い本書をどうぞお楽しみください。

◆著訳者情報

ヘザー・ヤング 著
カリフォルニア州ミルヴァレー在住。2016年に『エヴァンズ家の娘』(早川書房刊)でデビュー。同作はアメリカ探偵作家クラブ賞最優秀新人賞候補となり、ストランド・マガジン批評家賞最優秀新人賞を受賞した。

不二淑子 訳
英米文学翻訳家 訳書『名探偵の密室』マクジョージ,『毒花を抱く女』イェンナス,『災厄の馬』ブキャナン,『かくて彼女はヘレンとなった』クーニー(以上早川書房刊)他多数


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