ジャングルの犬が道案内!? 野良犬がジャングルのレースで飼い主に出会った感動の実話。『ジャングルの極限レースを走った犬 アーサー』(4/20発売)特集3
ジャングルに暮らす野良犬が、アドベンチャーレーサーのミカエル・リンドノードさんに出会いました。ミカエルさんからミートボールをもらった犬は、彼に懐き、どこまでもついていきます。やがてアーサーという名前をつけてもらい、ミカエルさんたちのチームに仲間入りすることになりました。
アーサーとミカエルさんたちが出会ったレースを改めて紹介します。
アドベンチャーレース世界選手権2014年エクアドル大会は、標高4000メートル、約700キロもの道を8日間で踏破するというもの。スタート地点からさっそく山を登り…
マウンテンバイクで駆け…
ふたたび山の登り降り。
集落を抜けて進んだ先に、ジャングルが待っています。
ここが、アーサーとミカエルさんは運命の出会いの場所です。
ミカエルさんたちはジャングルの手間で立ち止まり、正しい道順で入るために地図をよく調べます。ここから先は地図にも載っていないため、GPSナビゲーションを使って進んでいくのです。
苦労して進みながら、ミカエルさんは後をついてくるアーサーを見て、呼びかけます。「ここは君の国だろう。道を教えてくれないかな?」
ためしにアーサーを先頭に立たせると、自分の任務を理解しているように見えます。通り抜け不能で、道もまったくないようなジャングルのなかを、てくてく歩いて進んでいくのです!
アーサー一行はジャングルのもっとも密度の濃い地帯に向かっていきます。その足取りは自信たっぷり。どこを進んでいるかわかっているようです。ミカエルさんはGPSのルートとも合致していることを確認します。
「僕らがどこを進んでいるかわかってるんだ!」と、ミカエルはチームメイトに叫びます。他のどのチームにも真似できないアイデアに満足の様子。
ところが、1時間ほど進むと、見覚えのある空き地に出てしまいます。
どうやらぐるっと回ってきてしまったようなのです。
ミカエルさんも「我らがジャングルの友は、自分がどこを進んでいるか、僕たち以上にわかっていなかったと認めざるをえない」と言います。
結局、ミカエルさんたちはGPSでルートを確かめることにしました。それでもアーサーは懲りずに、別の道では、自分がチームのキャプテンであるかのように皆の前をてくてく歩くのでした。
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今回はちょっとおバカなエピソードをお送りしました。次回は来週の更新予定です!
※この文章は、『ジャングルの極限レースを走った犬 アーサー』(ミカエル・リンドノード/坪野圭介訳)の紹介記事です。本書は早川書房より4月20日に発売予定です。