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「週末は働かない」――大好評『NO HARD WORK !』の著者たちは、なぜ金曜日に新製品のリリースをやめたのか?

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『NO HARD WORK!──無駄ゼロで結果を出すぼくらの働き方』(ジェイソン・フリード&デイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン/久保美代子訳/好評発売中)

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(『NO HARD WORK!』より)

週一二日労働にご用心

 ずいぶんまえになるが、僕らはいつも、新しいソフトウェアを金曜日にリリースしていた。そうすると、リリースに伴う緊急の問題を片づけるために、リリースに関わった人は土曜日と日曜日に働かねばならず、週末の休日が潰れてしまうことが多かった。僕らは浅はかだった。締め切りを週末に設定していたのだから、当然といえば当然の結果だ。何かをリリースするとき、金曜日は最低の日だ。

 まず、おそらくあなたは完成を急いでいる。だから金曜までに終わらせるために、仕事が少し粗くなる。

 それに、金曜の翌日は月曜ではない。金曜のあとにやってくるのは土曜と日曜だ。だから、何か問題があれば、週末に働くことになる。

 そうやって週末に働いたら充電する機会がなくなる。基本的に、一週間ぶっとおしで働き、週末も働くと、翌週の月曜は、翌週の一日目ではなく先週の八日目になる。そのまま翌週もずっと働きつづけたら、あなたは週一二日働くことになる。これはマズい。

 こんなふうにして、いらぬストレスをため込んでしまうのだ。ストレスはその瞬間に生まれるだけでなく、翌週までずっと残る。そこまでする必要があるのだろうか?

 それを正当化する理由は見つからない。だから僕らの会社では、大規模なソフトウェアの更新を発表する日を、金曜日ではなく翌週の月曜日に変えた。とはいえ、これは別のリスクを招く。何か大きなまちがいがあれば、一週間でいちばん忙しい日に、問題に対応しなければならない。けれども、そのリスクがわかっていれば、発売の準備を充分に整えようと考えるものだ。危うい部分があるなら、念には念を入れればいい。

 このおかげで、僕らは品質保証に本腰を入れるようになり、多くの問題を事前に見つけられるようになった。発売日のストレスを減らすために、多角的なアプローチを行なうようにもなった。まずは問題を認識し、それから改善へと進むのだ。

 現在、ベースキャンプで新しいソフトウェアを発売するとき、ストレスはほぼまったく感じない。たしかに、胃がひっくり返りそうな緊張感は毎回味わっているが、プロのミュージシャンや講演者でも、大勢の聴衆が待っているステージに立つときは緊張するものだ。この緊張感は、ストレスで押しつぶされそうな感覚とはちがう。それに、なんらかの理由で慌ただしいと感じたら、問題が落ち着くまで僕らはリリースを延期する。

詩人で市民権運動家のマヤ・アンジェロウは、簡素なホテルの部屋にこもってものを書き、午後2時に切りあげ、充分な時間を取って張りつめた神経をゆるめてから、夫と夕食をともにすることを好んだ。

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■著者紹介■ 
ジェイソン・フリード Jason Fried

©Justin Stephens

世界的に著名なソフトウェア開発会社「ベースキャンプ」の共同創設者兼CEO(2014年に「37シグナルズ」から社名変更)。1999年に会社を立ちあげて以来、毎年利益を出し続けている。デイヴィッドとの共著に『小さなチーム、大きな仕事』、『強いチームはオフィスを捨てる』(ともに早川書房刊)、Getting Realがある。フリードいわく、ビジネスは、あなたがややこしくしないかぎりシンプルなもの。人生は、生きているうちにだんだんわかってくるもの。

デイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン David Heinemeier Hansson

©Peter Adams

「ベースキャンプ」の共同創設者で《ニューヨーク・タイムズ》のベストセラー『小さなチーム、大きな仕事』、『強いチームはオフィスを捨てる』の共著者。ソフトウェアのツールキットRuby on Railsの作成者。Ruby on Railsはツイッター、Shopify、GitHub、Airbnb、Squareなど100万を超えるウェブ・アプリケーションに使用されている。デンマーク出身で、2005年にシカゴに移住。現在は妻とふたりの息子とともに米国とスペインを行ったり来たりして暮らしている。

『NO HARD WORK!──無駄ゼロで結果を出すぼくらの働き方』(ジェイソン・フリード&デイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン/久保美代子訳/好評発売中)

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