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映画『Arc アーク』本日公開! 主演・芳根京子さんメッセージ

いよいよ映画『Arc アーク』が本日公開となります。ケン・リュウの傑作短篇「円弧(アーク)」を原作とし、人類初、永遠の命を得た女性の人生を描いたこの物語。映画にあわせて刊行した『Arc アーク ベスト・オブ・ケン・リュウ』に収録した、主演・芳根京子さんのメッセージを一部再録します。リナという不老不死を手に入れた女性を、芳根さんはどのように感じ、演じられたのでしょうか?

映画『Arc アーク』公開記念
主演・芳根京子さんメッセージ

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 これまでにも原作のあるドラマや映画でいろいろな役柄を演じてきましたが、ケン・リュウさんの原作は視点が違うなと思いました。石川監督もおっしゃっていましたが、日本のものとは全く質感が違うのに違和感がない、という印象がありました。その難しい繊細な物語をこのクオリティで映画にできるのは石川監督だけだろうな、と思っていて、つくづく贅沢な環境に居させてもらえたな、と感じています。奇跡の現場でした。

 原作を読んでどうやって映像化するんだろう、ということはよくあるんですが、台本を読んでどうやって映像化するんだろう、と思ったことははじめてかもしれません。どうなっていくんだろう? と思っていたものが、現場に来たり衣裳を見たりしたことによってひとつひとつパーツがパチンとはまっていく感じがあって、それに毎回驚かされていました。とても想像力が喚起されて、石川監督はふつうの人じゃないな、と(笑)。いろいろなタイミングでそう思わされました。

 すごく好きなシーンをひとつ挙げるなら、小林薫さん演じる利仁と風吹ジュンさん演じる芙美の、外で雪が降っている中で車椅子を走らせるシーンです。「生まれ変わってもまた私を見つけてね」っていうあの台詞が、もう台本を読むだけで涙腺崩壊、涙が出てしまいました。

 ストリングスを使用したプラスティネーションのシーンをはじめ、全体的に大変なシーンが多かったなかで、岡田将生さん演じる天音との新婚旅行のシーンは心の支えになりました。とても救われましたね。主人公と夫との幸せな時間は原作でも一瞬しか描かれていなかったと思いますが、ふたりでいる貴重な幸せの時間がとても美しいなと思いました。あのシーンは主人公のリナにとっても宝物のようなものでした。

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芳根京子さんメッセージのつづきはこちら▼でお楽しみください!

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『Arc アーク ベスト・オブ・ケン・リュウ』
ケン・リュウ=著
古沢嘉通=編訳
装幀:早川書房デザイン室

つらい別れを経て心身ともに疲弊したわたしは、職員募集中だったボディ=ワークス社の門を叩く。防腐処理を施した死体にポーズを取らせ、肉体に永続性を与えるその仕事で才能を見いだされたわたしは創業者の息子ジョンと恋に落ちる。ジョンは老齢と死を克服したいと考えており……。――石川慶監督、芳根京子主演で映画化された表題作ほか、母と息子の絆を描く感動作「紙の動物園」、地球を脱出した世代宇宙船の日本人乗組員の選択を描く「もののあはれ」など、知性と叙情の作家ケン・リュウによる傑作を選びぬいたベスト・オブ・ベスト。
〈収録作品〉
Arc アーク
紙の動物園
母の記憶に
もののあはれ
存在(プレゼンス)
結縄
ランニング・シューズ
草を結びて環を銜えん
良い狩りを

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『Arc アーク』
2021年6月25日(金)全国ロードショー

■CAST
芳根京子
寺島しのぶ 岡田将生
清水くるみ 井之脇海 中川翼 中村ゆり/倍賞千恵子
風吹ジュン 小林薫

■STAFF
脚本:石川慶、澤井香織/音楽:世武裕子/監督・編集:石川慶
原作:「円弧(アーク)」ケン・リュウ/古沢嘉通訳
配給:ワーナー・ブラザース映画

(c) 2021 映画『Arc』製作委員会