秘密基地の建造、大型恐竜の復活、不老不死の肉体、世界征服の完遂——そのすべて、かなえてみせます!『科学でかなえる世界征服』試し読み
秘密基地の建造、大型恐竜の復活、不老不死の達成……などなど、映画や漫画に登場する悪役が掲げる野望を科学的に検証し、さらに予算や納期の面からもその実現可能性を大真面目に探っていくサイエンス・ノンフィクション、『科学でかなえる世界征服』(ライアン・ノース[著]、吉田三知世[訳]、早川書房)が本日発売しました。
ライアン・ノースといえば、『ゼロからつくる科学文明——タイムトラベラーのためのサバイバルガイド』。安全な食料の確保から蒸気機関の発明まで、万が一タイムトラベルの最中に遭難してしまっても、この本さえあれば一安心。たとえ遭難先が旧石器時代でも現代と同様の生活ができちゃうんです!
そしてその次に必要なものといえば……そう、世界征服のマニュアルですね。先の見えないこの時代、もしもの時に備えてどちらも一家に一冊は置いておきたい本となっております。
そして今回の記事では、本書「はじめに」を特別公開し、読者のみなさまにも悪の野望を叶えるためのコツを学んでいただきます。これであなたも世界征服ができる!
はじめに
こんにちは。そして、世界征服について私が書いた本をお読みくださり、ありがとうございます。
スーパーヴィランは普通悪人だと思われている。私にはよくわかる。何しろ、私自身いろいろなスーパーヴィランの物語を書いてきたのだから。
マーベル・コミックやDCコミックスなどでの私の仕事で最も重要なことの1つが、ヴィランのために新しい陰謀をひねり出すことだ。私が書いているのがワイルドで気まぐれな古代の神であれ、アンデッドの魔法使いであれ、邪悪な異星人、はたまた、腹黒い武将、天才的頭脳を持った億万長者、人間狩りをする者、あるいは、最高のスーパーヴィラン(すなわち、ドクター・ドゥーム[*1])であれ、彼らはみんな、毎月毎月一層大胆不敵な新たな非道の高みに達しなければならないのだ。そして、読者に彼らの話に共感してもらうためには、彼らが企む陰謀に真実味がなければならない。実際、真実味以上のものが必要だ。彼らが実施する強引な策略は本当にうまくいかなければならないのだ……ある瞬間に、突然うまくいかなくなるまで。
じつのところスーパーヒーロー・コミックスでは──誰もが知っていることだが──ヴィランがどんなにがんばろうが、いかに成功寸前──ヒーロー危うし──まで行こうが、土壇場になると彼らは必ず失敗するのである。ヒーローが懸命にがんばって、それまで知られていなかった力や知恵や思いやりやロボットスーツを見出す、その最後の瞬間に。あらゆる物語を支配する唯一の普遍的な法則にしたがってこうなるのである。ヒーローが敗北に近づけば近づくほど──今度こそヴィランが本当に勝ちそうに思えれば思えるほど──ヒーローの勝利は一層痛快なものになるというのがその法則だ。この法則の威力は相当なもので、フィクションのみならず、現実にも当てはまる。アイスホッケーでも、一方的な試合は退屈だが、決勝戦の最後のピリオドで、自分が応援するチームが形勢を逆転、2回の延長戦の末にドラマチックなシュートを1本決めて勝利するのは何ものにも代えがたい喜びだ。
さっきも言ったように、誰でも知っていることだ。
だが、あまり知られていないこともある。それはこの「物語の普遍法則」を、ある事実と結び付けたときに浮かび上がってくる恐ろしい真実である。その事実というのはほかでもない、マーベルとDCがそれぞれ、ウォルト・ディズニー・カンパニーとAT&T傘下のワーナーメディア社によって所有されていることだ。つまり、地球最強の多国籍企業2社が数十年にわたって堂々と、現在生きている最も独創的な人々に金を払って、ますます効果的な世界征服の陰謀を立案させている──しかも、これらの陰謀は、偶然によって、周囲の状況によって、つまり、我々ライターが我々の手榴弾に周到に挿入したピンによって阻止されているだけなのだ。それを知ったなら、こんな疑問が心に浮かぶまで大して時間はかからない。「スーパーヴィランが負けなくてもいいならどうなるだろう? あまりに巧妙で、大胆不敵で、前例がないため、予測できず、ましてやくじくことなど不可能な陰謀にヒーローが直面したらどうなるだろう? そしてこれが、フィクションのなかでスーパーヴィランに可能なら、現実の世界で誰かほかの人がそうすることを、何が阻止できるだろう?」本書はそもそも、こんな疑問から生まれたのだ。この疑問が思い浮かんだとき、私は、世界征服の方法をいくつも考案してこれまでの歳月を過ごしたのみならず、科学の知識と経験があったおかげで[*2]……実際に、その方法を実施する具体的な詳細まで把握できたのだ。
そして、大半のスーパーヴィランとは逆に、私はそれを喜んでみなさんと共有したい。
待って、世界征服の方法を人に教えるなんて、倫理的に問題はないのかな? だって、これって、倫理にうるさい人が「本当に、絶対に間違ってます」って言いそうなことなんだもの。
これは筋の通った質問なので、今のうちに片付けてしまおう。地域や国家の法律や、さらに国際法の、条文と精神を破るための詳細な手順を教え、読者が地球とその上に住むみんなの運命を己の手中にできるようにすることは、本当に「非倫理的」(かつ「潜在的に危険」)なのだろうか?
ええっとですね……ひょっとしたらそうかも? 高額の弁護料を取る、一流の弁護士や倫理学の先生たちは、この種の問いに「イエス」と答えてきたけれど、私はもうこの本を書き上げてしまったし、この問いには「そんなあほな」と応じたい。というわけで、残念ながら、どこに真実があるかはまったくわからないのである。
ありがたいことに、「正しいこと」と「間違ったこと」について、そして「著者の重大な法的責任」についての言い古されたこれらの議論をすべてまとめてかわすことができる。「これは架空の話ですよ」と取り繕えばいいのだ! つまり、こう言えばいいのである。「これらはすべて、人類のテクノロジー、歴史、発明の限界を探るための単なる知的訓練として説明しているだけです! このなかに示されているすべての陰謀は、完全に架空のもので、私はただ、あなたの心のなかで世界を征服するにはどうすればいいかを教えているだけです(ただし、恐竜のクローン作成方法を除いて。率直に言って心配症でしかない、『ジュラシック・パーク』にかぶれた人たちがあなたに信じ込ませたかもしれないこととは裏腹に、この陰謀は客観的に見ても素晴らしい。そして、あなたはこれを、できるだけ早く実施すべきである)」
というわけで、ご安心を! 本書をお楽しみください! 私たちはみんな、楽しく過ごすためにここにいるのだし、もしも私たちのうち何人かが、本書を読み進めるうちに、いくつかの(架空の)国の運命を(頭のなかで)その手に握ることになったとしても、それは単に、そういうこともときどき起こるというだけのことだ。
では、今すぐ世界を征服しよう。
ねえ、キミ、世界征服しようよ。
私たちには、まずもって1つ強みがある。コミックブックのスーパーヴィランの陰謀が、現実の世界で実際に起こるなんて誰も思っていない、というのがそれ。おかげで、いわゆる「ヒーロー」が、こういう陰謀を土壇場で台無しにしようと準備したり、意気込んだり、最後の瞬間に飛び出してきたりする可能性は非常に低い。そして、現実の世界では、洗脳ヘッドギアやシュリンク・レイなどの途方もない空想科学を利用することはできないが、それはじつのところ、私たちの2つめの強みになる。
つまり、ほかのみんなだって、この種のものは使えないのである。スーパーヒーローのいない世界は、スーパーヒーローのおかげで物事を手際よく進められない世界よりも、スーパーヴィランにとって扱いやすい。映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』では、サノスが最終的な勝利を収めるまでに、彼の前に立ちはだかるスーパーパワーを手に入れた愚か者数名──スーパーソルジャー1名、怒りでモンスターに変身する天才科学者、億万長者のプレイボーイで慈善家だが飛行能力のある鋼鉄製のアーマーに身を包むと生きたハイテク・ウェポンとなるアイアンマンことトニー・スターク、そしてクモが人間のサイズになったのに匹敵する身体能力を獲得し、手首から強力なクモの糸を発射する高校生など──と対決しなければならなかった。
そんなナンセンスにかかずらう必要は、私たちにはない。
だが、こういう「愚か者」とか「最終的な勝利」の話はちょっと先走り過ぎだったようだ。まずはスーパーヴィランとは実際に何なのかを詳しく見て、みんなが同じ認識に立てるようにしよう。スーパーヴィランという言葉は、一見単純明快だ。「スーパー」は、「より優れた」という意味だし、「ヴィラン」は「悪人」のことだ。したがって「スーパーヴィラン」は「より優れた悪人」という意味だ。説明終わり、でしょ?
しかし、次に「スーパーマン」を見てみると、どうか。
スーパーマンは飛べるし、高層ビルをひとっ跳びで越えることができる(飛ぶのに比べれば大したことないが、そのことは当人もしょっちゅう言っている)。スーパーマンは機関車よりも強く(世界最大最強の機関車たちと比べると、彼は約1万2000馬力のパワーを使うことができるということ)、高速で飛ぶ弾丸よりも速く(つまり彼は少なくとも秒速120メートルで移動可能。高速カートリッジ使用時には、彼の速度は秒速1700メートルにはねあがる)、さらに両目からレーザービームを出すことができ、息を吹きかければ何でも凍ったように静止させられる。パワーと能力に関して、スーパーマンは私たちのような普通の人間のはるか上をいく。私たちが1匹のアリの上をいっているのと同じぐらい。ここで「スーパー」は、ただの「より良い」という意味ではないことは明らかだ。「超える」という意味である。スーパーマンは単に「力が強くなった私たち」ではない。普通の人間にはできないことができるのだ。したがって、スーパーヴィランも、私たちが邪悪なアリ[*3]を超えた悪人であるのと同じぐらい、並みのヴィランの邪悪さをはるかに超えた存在でなければならない。つまりスーパーヴィランは普通の悪人にはできないことができなければならないのである。
たとえば、世界をより良い場所にするとか。
そうなのだ。「そんなばかな」と思われるかもしれないが、最も偉大なヴィランたちは、罪もない人を線路に縛り付けて、自分のあくどさ加減にカラカラと高笑いするなどの、悪のために悪であることはとっくの昔にやめたのだ。がらりと変わって、最近のヴィランは共感できるやつらになった。彼らがやっていることは、誰もが理解できる動機に基づいている。彼らが懸命に努力して世界征服を成し遂げようとしているのは、きっとあなたも美味しい紅茶を飲みながら新聞でニュースを読んでいたときにじっくり考えたことがあるようなあれこれの理由──つまるところ「自分だったら、もっとうまくやれたのに」という単純な事実に帰着するさまざまな理由──による。この愚か者たちが耳を傾けさえすれば、世界は本当に今よりいい場所になるのになあ。これこそ私が「見識のあるスーパーヴィラン」の精神と呼ぶものであり、これが生まれるのは、野心に燃え、能力を持った賢明な人物が、既存の権力構造の外側で、放っておいては片付かないことを解決するために画策するときだ。「危ないなあ」とか、「そりゃ邪悪だね」と思われるだろうか? だが、この説明は多くのヒーローにも当てはまる。スーパーマン、バットマン、ワンダーウーマン、スパイダーマン、キャプテン・マーベル、スクレイルガール、そして他の大勢の、史上最高のヒーローたちも、みなそうだ。
こういう人たちは、誰もが大好きだよね!
私たちはこれにどう取り組むか
いろいろな悪巧みの話を書く際に、そういう悪事が成功すると私自身が確信していることをみなさんに納得してもらうのは容易い──容易すぎる──ことだろう。その結果あなたは、私のことを哀れなエゴイスト、自分の想像力の毒気に酔った、地獄に行くに違いない魂の持ち主だと思うに違いない。それは当然だ。だからそれはやめて、私はもっと困難だがやりがいのある方法を選んだ。私にはこれらの悪事を計画通り成功させられるとみなさんを説得したりはしない。
みなさんにそれが可能なのだと納得してもらおう。
本書はみなさんにスーパーヴィラン教育を受けてもらうためのテキストだ。それは今まさに始まる。あなたは今日、ポピュラーサイエンス本の読者としてスタートするが、すぐに物理学、生物学、歴史、テクノロジー、コンピュータ、宇宙──宇宙における人間の状況、宇宙のなかの森羅万象、そして私たちが宇宙で占めている地位──について、これまでよりもさらに多くのことを学ぶ。あなたがいつもなりたいと思っていた自分になれるよう、私は全力を尽くそう。大胆な者、いまだかつてなかったような者に、あなたがなれるように。
スーパーヴィランと呼ぶにふさわしい者に。
たいていの犯罪はちっぽけでくだらない軽犯罪だ──独創性がなく、自分本位で、面白みがない。そこで私は、その種のつまらない陳腐なものはここでは論じないことにする。本書では、最も大規模で、最も大胆で、最も大きく世界を変えるようなスーパーヴィランの計略を9例挙げて、みなさんに注目していただこうと思う。それらはすべて、コミックや大衆紙の連載小説にヒントを得たものだが、どれも実際の科学とテクノロジーだけに基づいており、反重力装置や不安定なプロト分子などのコミックブックの定番は一切不要である。いずれも、発案、調査、戦略設計すべてを私──科学の専門教育を受けたプロのヴィラン向け陰謀作成者──が、科学的正確さと達成可能性を期して行なった。そして、そのような大胆な野望にふさわしく、どれも困難なものばかりだ。どの1つを取っても、強靭な精神、世界をありのままに見るのみならず、そのあり得る姿でも捉えられる能力、そして、その新しい世界を、蹴りを入れ、どやしつけても実現させるという決意と覚悟が必要だ。言い換えれば、それらの計略には、スーパーヴィランの意志、駆動力──そして、もちろん財源──が必要なのである。
この最後のやつがネックだ。つまり、ここでご紹介するどの陰謀も、実現するにはある程度の資金が必要となる。だが、恐れるなかれ! たとえあなたが本書に載っているすべての計略を行なうのに必要な資金(たったの554億8555万1900ドルというお買い得だが)を確保できなかったとしても、9例のうちの多くは、単独でならずっとお手頃な値段である。1000年先の未来にメッセージを送るという慎ましい計略は、1万9000ドル以下で実施可能だ[*4]!
だが、万一のために、9つの計略の目論見書である本書には、1度の投資をほぼ永遠に続く流動資本の供給源に変える方法も記されている。これに続くページで、悪事や計略をじっくり読んでいただくわけだが、どの計略でも、モチベーションを上げるのにふさわしいヴィランの言葉が最初に掲げられ、続いて計略に必要な背景の説明へと進む。この部分は、「必読箇所」というよりむしろ「下見」と考えてほしい。それに続いて、私たちが今目指している成功を成し遂げようとした過去の劣った試み──あなたのようなスーパーヴィランにはほど遠い他の者たちが挑戦したもの──が挙げられている。その後に、私が提案する策略を詳細に伝授する。そして結びとして、策略の実施中に注意しておくべきマイナス面をすべてチェックする──必要な精査を私がきちんと行なったとお示しするためだ。
それと同時に、あなたが万一当局に逮捕された場合に直面し得る良くない事態についてもすべてお知らせしておこう。こうして、ご提案するすべての陰謀について、事業計画概要を最後に提示し、必要な投資、予想利益、そして陰謀が完了するまでの予測期間を詳細に述べる。私の同僚のカーリー・モナルドによるイラストが本書の全体にちりばめられている。それは、本を支配するのはイラストだからだ。自分の著作にイラストを一切入れない著者は、直感的で刺激的で、ズバリはるかに魅力的なイラストという視覚的媒体を少しでも近づけると、自分が書いた中身の薄い言葉が、霞んでしまうのが怖い臆病者でしかない。
本書に載っている順に陰謀を読んでいただいてもいい──その場合には、秘密基地とあなた独自の国家を立ち上げ、それに続いて恐竜のクローンを作り、天気をコントロールし、そして最後の、決して死なないという、もっと大胆な計略に進むことになる。だが、詳しく知りたい特定の陰謀があって、待てないなら、お引き止めはしない。参照すべき他の章が文中に明示されているので、必要な関連情報はすぐに見つかるだろう。
では、先へ進みましょうか? この世界が自らを征服しようとすることはないのだから。
[*1] タイムトラベラーであり、科学者であると同時に魔術を使う。ドクター・ドゥームに並ぶ偉大なレックス・ルーサーでさえ、魔法の呪文は使えない。
[*2] スーパーヒーロー・コミックスの分野で仕事を始める前、私はトロント大学で理学修士号を取得した。正真正銘の理学修士号で、私の科学の知識と経験はお墨付きなわけだ(確かに、取得したのは計算言語学の学位だが、修士課程では研究論文を読みこなす訓練もみっちり受けた)。
[*3] アリが集団主義社会──「超個体」と呼ばれることもある。ここにも「超(スーパー)」が頭についている──をなしていることはよく知られている。アリ社会では、労働を役割分担することでメンバーが互いに協力し合っているので、個々のアリは集団なしには長くは生き残れない。そのため、スーパーヴィランのアリはおそらく猛烈に個人主義で、女王アリを殺し、巣を乗っ取ろうとするだろう。女王が2匹以上いる巣では、実際に、一方の女王が支配権を確立するためにこれを企てることがある。しかし、ただの働きアリ(すべて雌だが、不妊である)が自ら巣を征服しようとしたという記録はない。ちなみに、ときどき、近隣の複数のアリのコロニーが、戦うのではなく協力して、数百万匹のメンバーからなる「超コロニー」を作ることがある。2009年、人間によって日本、アメリカ、ヨーロッパに持ち込まれたアルゼンチンアリの超コロニーの数個が、じつは1つの地球規模のメガコロニーであることが発見された。再び1カ所に集められたとき、違う国から運ばれたアリどうしが互いに戦うことを拒否したのだ。このことから、アリは、人間を除いて、地球で最も個体数の多い社会をなしていると言える。アリについてのじつに興味深いこの脚注は、これで終わりである。
[*4] 気になる方のために。2021年時点で、本書の陰謀すべてを実施するのに必要な560億ドルを全額支払える人間は地球にちょうど20名しかいないが、1万9000ドルなら、10億人以上の人々がそれを賄うに十分な資産を所有している。
◆書籍概要
『科学でかなえる世界征服』
著者:ライアン・ノース
訳者:吉田三知世
出版社:早川書房
本体価格:2,200円
発売日:2023年7月19日
◆著者紹介
ライアン・ノース (Ryan North)
トロント在住の作家。著書に『ゼロからつくる科学文明』やカート・ヴォネガット『スローターハウス5』のグラフィックノベル(未邦訳)がある。コミック作家としての顔ももち「ADVENTURE TIME」シリーズは漫画のアカデミー賞と呼ばれるアイズナー賞とハーヴェイ賞を受賞、マーベルの「絶対無敵スクイレルガール」シリーズの原作も担当している。愛犬の名はノーム・チョムスキー。
◆訳者紹介
吉田三知世(よしだ・みちよ)
京都大学理学部物理系卒業。英日・日英の翻訳業。訳書にノース『ゼロからつくる科学文明』、マンロー『ホワット・イフ?』『ハウ・トゥー』『ホワット・イズ・ディス?』『もっとホワット・イフ?』、リドレー『進化は万能である』(共訳)(以上早川書房刊)ほか多数。