
「人が人を助けることの尊さと希望を伝えてくれる」「希望と連帯の女性賛歌」「読むべき1冊、きっと力になる」「怖がらないで行動して、と胸を熱くさせてくれた」「何度絶望しても自分のやるべきことをやる勇気」『彼女たちの部屋』レビューと感想
40歳の弁護士はある日、人生の危機にぶち当たる。たどり着いたのは、貧困や暴力に苦しむ女性たちを支援・保護する施設。弁護士は、そこではじめて自分の居場所を知った――。勇気とやさしさに満ちた感動作。
『彼女たちの部屋』(レティシア・コロンバニ、齋藤可津子訳)が発売されてからひと月。新聞、雑誌、SNSでたくさんのレビューと感想をいただいています。
まずは、7月25日の朝日新聞では、大矢博子さんによる書評。「『助けたい』と願う人は必ずいる」という題で、本書のメッセージを示していただきました。つぎの引用をふくむ最後の2段落は、ぐっとくるのでぜひ全文をご覧いただけると嬉しいです。
ここにあるのは、本人のせいではない貧困や差別と戦う女性たちを、決してひとりにはしない、決して放ってはおかないという強い連帯だ。百年前の戦いが今につながり、きっと未来へも受け継がれていくのだという力強いメッセージだ。
そして、7月18日の東京新聞掲載の師岡カリーマさんによる書評では、原題Les victorieuses(勝利する女性たち)の力強さ、邦題のねらいも書いていただきました。
人生を取り戻した施設の女たちもまた「勝者」なのだと、原題LES VICTORIEUSESは称(たた)えているようである。
希望と連帯の女性賛歌。本書に元気をもらったなら、さりげなくモチーフになっているV・ウルフの『自分ひとりの部屋』もお薦めしたい。
SNSでは、小説家の吉川トリコさん、寺地はるなさんのツイートも。
レティシア・コロンバニ「彼女たちの部屋」。社会から排除された女性を保護するための“宮殿“(パリに実在する女性会館)を舞台に繰り広げられる女の人生千本ノックのような小説。貧困に苦しめられ、売春という選択を取るしかない女が世界中にいまも多く存在する。岡村隆史さんにぜひ読んでもらいたい。
— 吉川トリコ (@bonbontrico) June 30, 2020
『#彼女たちの部屋 』#レティシアコロンバニ さん
— 寺地はるな『やわらかい砂のうえ』 (@tomotera0109) June 19, 2020
ボランティアで女性会館という保護施設に出入りすることになった弁護士のソレーヌさんという人の話なんだけど、ただ一方的に弱い人を助ける話ではなくてそこがとてもよい、よいので、みんなにも読んでほしい。
『#三つ編み 』の著者の人です。 pic.twitter.com/o9E0vNB8aO
わたしは「共感」という感覚は、自分に似た境遇や性質の人の良き振る舞いにたいしてではなく、自分から遠い、あるいは好ましくない相手を理解しようとする時に使われた時に力を発揮すると思っているんだけども、まさにそういうことが書かれてた。#網中いづる さんのカバー絵もすきです。
— 寺地はるな『やわらかい砂のうえ』 (@tomotera0109) June 19, 2020
自分が見たくないものや、いままで幸運にも見ずにすんできたものは、目をそらしてもそこにあるので、だからわたしはそれらを見たいし書きたいとあらためて思うなどしました。
— 寺地はるな『やわらかい砂のうえ』 (@tomotera0109) June 19, 2020
たくさんの読後の言葉をいただいています!
早川書房「彼女たちの部屋」前作「三つ編み」さらに傑作では…?貧困、暴力…絶望のなかに閉ざされた女性たちを、これまた行き詰まった女性弁護士が力になろうと奮闘する。時空を越えた情熱と救済は、読む者の心を震わせる。読むべき1冊、きっと自分の力になる。社会がより良き道を歩みますように。 pic.twitter.com/Htlskfe21M
— asaumi (@asaumi_t) June 23, 2020
彼女たちの部屋/レティシア・コロンバニ/齋藤可津子訳/早川書房 読了。
— くらはし👨🏼🌾🐕@フローヌン (@takaonikan) June 21, 2020
現代のパリと約100年前のパリ。弁護士のソレーヌと救世軍のブランシュ。2人の闘いを読んで勇気をもらった。世の中に溢れている悲しみに向き合う勇気、一歩踏み出す勇気。何度絶望しても自分のやるべきことをやる勇気。 pic.twitter.com/iLxs2wvvze
『彼女たちの部屋』レティシア・コロンバニ
— ぷくまる (@pukumaru_55) July 24, 2020
自分に何ができるのか。怖がらないで行動して、と胸を熱くさせてくれた一冊。
「人が人を助けることの尊さと希望を伝えてくれる物語でした。前作「三つ編み」同様に、私にできることは何だろう、と物語から問いかけられている気がしました。」(くぼたか さんの 読書メーター)
このほかにも、書店員さんや学校司書さんからもたくさんの感想をいただいています。
『三つ編み』もそうですが、自分の道に迷ったときや、自分になにができるだろうと悩んでいるときに読むと、背中を押してくれる作品です。
レティシア・コロンバニ『彼女たちの部屋』(齋藤可津子訳)は早川書房より好評発売中です。