今この時代に、最も読んでほしい傑作群。《日本SFの臨界点》新シリーズ開始!
●6月16日、新企画開始!
《日本SFの臨界点》の新シリーズとして、作家別の個人傑作選を3ヶ月連続発売する企画をスタートします。第1弾は奇想文学の名手、中井紀夫。単著刊行は実に20年ぶり、伝説の作家がハヤカワ文庫JAに帰ってきます。
『日本SFの臨界点 中井紀夫 山の上の交響楽』
中井紀夫/伴名練=編
装画:10⁵⁶/装幀:BALCOLONY.
★6月16日、電子書籍版同時発売★
○中井紀夫 Norio Nakai
1952年生まれ。武蔵大学人文学部卒業。ハヤカワ・SFコンテストを経てデビューし、短篇「山の上の交響楽」で星雲賞を受賞。主な著書に、《能なしワニ》シリーズ、《タルカス伝》シリーズ(ともに早川書房)、『漂着神都市』、『海霊伝』(ともに徳間書店)など著書多数。
●《日本SFの臨界点》とは?
『なめらかな世界と、その敵』で2019年のベストSF国内篇第1位に輝いたSF作家・伴名練が自ら編者となり、今この時代、最も読んでほしい短篇小説の傑作群を全力で編纂するシリーズ。2020年にはテーマアンソロジーとして[恋愛篇][怪奇篇]が同時刊行されて日本SF大賞の最終候補となり、重版も続いて人気を博しています。
・傑作選『山の上の交響楽』目次
山頂の楽堂でたったひとつの交響楽を数百年にわたって演奏し続ける楽団を描いて星雲賞を受賞した表題作のほか、不思議な少女とのささやかな出逢い「山手線のあやとり娘」、書籍初収録となる「花のなかであたしを殺して」など、選りすぐりの11篇。さらに中井氏による心に沁みる著者あとがきと、本気の伴名氏による超常的な3万字の巻末解説を併録しています。
[収録作]
山の上の交響楽
山手線のあやとり娘
暴走バス
殴り合い
神々の将棋盤──いまだ書かれざる「タルカス伝・第二部」より
絶壁
満員電車
見果てぬ風
例の席
花のなかであたしを殺して
死んだ恋人からの手紙
著者あとがき
解説 奇想と抒情の奏者──中井紀夫の軌跡/伴名練
・続巻について
3ヶ月連続の個人傑作選。このあと7月には青春SFの名作『サマー/タイム/トラベラー』などで知られる『新城カズマ 月を買った御婦人』、8月には昨今ブームの“異常論文”の究極系ともいえる『石黒達昌 冬至草/雪女』を刊行予定です。この3冊が売れればさらなる展開も……?
日々膨大な新刊が生まれていく出版界において、現在手に入りにくくなってしまったり、書籍にまとまらず埋もれてしまった短篇を掬い上げ、この国にどれだけ数多くの素晴らしい作品や作家が存在するかを力強く紹介していくシリーズ《日本SFの臨界点》。1つ1つの作品が繋がって文学史が築かれていく解説文の面白さとともに、2021年の今だからこそ味わえる、SFの魅力を実感いただけること間違いなしです。
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