
早川書房が贈る1,000点超えの大規模セール「春のハヤカワ電子書籍祭」開催中!~担当者のオススメ偏愛作品【第1回:日本人作家篇】
4月13日までKindle限定で開催中のセール「春のハヤカワ電子書籍祭」。1,000点を超える作品の中から少しでも選書の助けにと、担当者がオススメしたい作品を勝手にお届けします! まずは日本人作家篇。こんな時期だからこそ、ご自宅で小説の世界にどっぷりと浸かってしまってください。
「春のハヤカワ電子書籍祭」ラインナップ一覧はこちら。
まずは円城塔『Boy's Surface』です。何をおいてもこの作品集です。本書をオススメしたくて無理筋なこの記事を書いている、と言っても過言ではありません。収録されている4篇はすべて「恋愛小説」。円城さんの描く「恋愛」とはいかなるものか? その答えを紐解くにはやはり本書を読んでいただくのがいちばんでしょう。担当者は書籍化された円城作品はあらかた読んでいますが、いつまでたってもこの作品集がベストです。あくまで個人の意見なので石など投げないでほしいです。
続いては小川哲さんの『嘘と正典』。第162回直木賞の候補作で、第7回高校生直木賞の候補作にも選ばれた作品です。特に選ぶならば……やっぱり音楽が通貨となる島を舞台に描かれる「ムジカ・ムンダーナ」でしょうか。
また、収録作「魔術師」は全篇が読める無料版を配信中なので、そちらから試してもらうのもありかも?
藤田祥平『手を伸ばせ、そしてコマンドを入力しろ』。伝説的なゲーマーでもある著者の文章にはじめて触れたのは「IGN JAPAN」で連載されていた「電遊奇譚」でした。自分もその一端に触れたことがある数々のゲームを下敷きに見たこともないような世界が描かれていて、これはすごいと一瞬にしてファンになったことを思い出します。本書は著者の自伝的要素もある青春小説で、むしろふだんゲームに触れないかたに手にとってもらいたい1冊。
続いて法条遥『リライト』。『リビジョン』『リアクト』『リライブ』と続く、いわゆるタイムリープものの連作の第一作です。読み始めるとそこには『時をかける少女』をはじめとした先行作品を思わせるような世界が広がっています。そしていつしか描かれる「SF史上最悪のパラドックス」――四部作の開幕篇である『リライト』を、まずは手にとってみてください。
冲方丁『マルドゥック・スクランブル』からはじまるシリーズを。現在も『アノニマス』が書き続けられていますが、この物語はもっとたくさんの人に読まれてほしいと勝手に思っているのです。『マルドゥック・スクランブル』全3巻、虚無と両親の決別の物語『マルドゥック・ヴェロシティ』全3巻、そしてシリーズにまつわる短篇をまとめた作品集『マルドゥック・フラグメンツ』の7冊をひとつにまとめた合本版が刊行されていますので、ぜひそちらを。合本版も半額です。そしてぜひ『アノニマス』へ――!
さて、担当者のお気に入りはここまでにします。続いて、早川書房の書籍編集者によるツイートをどうぞ!
ハヤカワ電子書籍祭、第6回アガサ・クリスティー賞優秀賞受賞作に輝いた春坂咲月さんの『花を追え』に始まる〈仕立屋・琥珀と着物の迷宮〉シリーズ3作も入ってます。着物が苦手な女子高生・八重と仕立屋のあやしい美青年・琥珀が和と着物の謎を解き明かす青春ラブ和ミステリ!https://t.co/WFHMiQBqCV
— Maiko Kozuka (@kozukata) March 17, 2020
森晶麿さんの黒猫以外の作品もハヤカワ電子書籍祭に参加しています。『四季彩のサロメまたは背徳の省察』は、歩く女百科全書こと高校生の華影忍の複雑怪奇な女性関係がアオハルとエロスと事件とともに解き明かされていきます。黒猫ファン必見。https://t.co/x7XM6XRmLR
— Maiko Kozuka (@kozukata) March 17, 2020
『黄泉がえり』『エマノン』の梶尾真治による、SF大河ロマン『怨讐星域』(全3巻)Kindle版特別セール中。『OKAGE』『未踏惑星キー・ラーゴ』もセール中です!https://t.co/IbcFASi490
— 奥村勝也 (@kokumurak) March 13, 2020
夏祭りの夜、浜から来た少女と恋に落ちたわたしは、1年後の再会という儚い約束を交わす。なぜなら浜の1年は、こちらの100年にあたるのだから……。
— 奥村勝也 (@kokumurak) March 13, 2020
〈◯◯殺し〉シリーズが大ヒット中の小林泰三、傑作SF短篇の表題作を含む短篇集『海を見る人』Kindle版セール中です。https://t.co/oXeeaV814u
こちらもセールで半額になってます。稀代の博物学者・南方熊楠が、粘菌コンピュータ搭載の自動人形「天皇機関」を発明する顛末を描いた一大昭和伝奇ロマン。
— 溝ロカ丸 (@marumizog) March 15, 2020
粘菌コンピュータによる「天皇機関」発明の幕開け。『ヒト夜の永い夢』お試し版|Hayakawa Books & Magazines(β)https://t.co/MgIBvjOelq
というわけで、日本人作家のオススメ作品紹介でした。よかったらぜひチェックしてみてください!