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2024年の早川書房の翻訳ミステリ&NVラインナップから大注目作をご紹介!

あけましておめでとうございます。
旧年中は読者の皆さまには大変お世話になりました。
年賀状の代わりとして、2024年に刊行予定の翻訳ミステリ&NV作品ラインナップのなかから、一部を皆さまにご紹介いたします。今年の早川書房も大作・話題作がドシドシ登場!

※タイトルは一部を除き原題および仮題です。


〇今年も絶対に見逃せない作品が勢ぞろい!

今年の早川書房のミステリも、絶対に見逃せない作品が勢ぞろい! まずは、今年の早川書房イチ押しミステリからご紹介!

『All The Wicked Girls』 クリス・ウィタカー/鈴木恵訳

『All The Wicked Girls』原書書影

年末ミステリランキング三冠、本屋大賞翻訳小説部門第1位! 『われら闇より天を見る』のクリス・ウィタカーによる大注目の新刊。
 アラバマ州の小さな町グレイスに住む双子の姉妹のサマー・ライアンとレイン・ライアン。品行方正で音楽の才能がある姉のサマーに対して、妹のレインは素行が悪いことで有名だった。ある日、サマーが突然行方不明になってしまう。レインは警察に駆け込むも、家出少女にかまっている暇はないと一蹴され、彼女は友人のノアとパ―ヴとともにサマーの捜索を行うことになる。姉の行方を追ううちに、レインはグレイスに隠された秘密を知ることに――

『The Turnglass』 ガレス・ルビン/越前敏弥訳

『The Turnglass』原書書影

刊行後すぐイギリスの読書界に衝撃を与えたミステリ、登場!
 一八八〇年代のイギリス。従兄弟のオリバーに招かれ、砂時計館を訪れた医師シメオンは、館で奇妙な女性と出会う。彼女の秘密はオリバーの手記に隠されているというが……。
 一方、一九三〇年代のカリフォルニア。作家オリバーが砂時計邸で殺された。親友のケンは、事件の捜査のため、彼が書いていた医師シメオンが主人公の物語を読み始めるが……。
 過去と現在の物語が交差する本書は、一冊の本にふたつの小説が造本されていて、表と裏のどちらからも読むことができます。それぞれが互いの伏線となり、解決篇となる、至高のミステリ体験をぜひ!

『Mortmain Hall』 マーティン・エドワーズ/加賀山卓朗訳

『Mortmain Hall』原書書影

年末ミステリランキングで話題の〈レイチェル・サヴァナク〉シリーズ、第二作が登場! 線路上での不審な轢死、海辺のバンガローで起きた殺人事件、凍った湖での悲劇的な溺死……。続発する不審死に、レイチェルは関連性があると信じて捜査を開始する。解決の糸口を探るため、彼女はノースヨークシャーの人里離れた不気味な海岸にある邸宅、モートメインホールでのホームパーティーに参加するが……。ジェイコブ・フリントも引き続き登場! 今作もレイチェルの活躍から目が離せません。

〇あの人気シリーズの最新作が!

2024年はあの人気シリーズの新作を刊行します! 他にも最新作が次々と……!?

『ミレニアム 7』 カリン・スミノフ/山田文・久山葉子訳

『ミレニアム 7』原書書影

〈ミレニアム〉シリーズ最新作にして、新三部作の幕開け! ミカエル・ブルムクヴィストはガスカスに向かっていた。娘ペニラがガスカス市長ヘンリィ・サロと再婚することになったからだ。そのころ、セキュリティ会社社長マルキュス・ブランコは北部の自然発電事業の莫大な利権を我が物にしようと、配下たちと密談をしていた。市長サロの家族を誘拐し、便宜を図らせようという話になる。リスベットは姪スヴァラ(異母兄ニーダーマンの娘)の身元引受人になってほしいと連絡を受け、ガスカスに赴く。スヴァラと会ったリスベットは、〈スヴァーヴェルシェー〉の影を感じ危機感を抱く……。

『The Botanist』 M・W・クレイヴン/東野さやか訳

『The Botanist』原書書影

〈刑事ワシントン・ポー〉シリーズ第五弾! ワシントン・ポーの数少ない友人のひとりであるエステル・ドイルの父親が殺された。現場は雪に閉ざされた密室で、そこにはエステルの足跡しか残されていなかった。逮捕された彼女は「ワシントン・ポーに伝えて」と話すのみ。一方、マスコミが「植物学者」と名付けた毒殺魔は、壁をすり抜けることができるようで、警察が講じた安全対策をものともせず犯行を重ねる。果たしてポーは、「植物学者」を追い詰めることができるのか、そして、エステルの運命は。

『コールド・リバー』 サラ・パレツキ―/山本やよい訳

『コールド・リバー』原書書影

〈私立探偵V・I・ウォーショースキー〉シリーズ最新作! V・I・ウォーショースキーは徹夜で監視する仕事から帰宅する途中、飼い犬に先導され、ミシガン湖沿いの岩場で重傷を負ったティーンエイジャーを発見する。少女は一瞬、意識を取り戻したが、「Nagyi」という謎めいた言葉を発して、また意識を失ってしまった。ヴィクは彼女を病院に連れて行くのを手伝ったが、彼女は身元が判明する前に姿を消してしまう。ヴィクが彼女を探そうとするうちに、探偵はシカゴの権力者とマフィアの醜い連合体が少女を殺そうと準備していることを突き止める。そして今、ヴィク自身の命も危険にさらされている。

『Bobby March Will Live Forever』 アラン・パークス/吉野弘人訳

『Bobby March Will Live Forever』原書書影

〈ハリー・マッコイ刑事〉シリーズ第三弾! シリーズ最高傑作と名高い本作の舞台も、前二作に引き続きグラスゴー。世界的に有名なロックスター、ボビー・マーチが薬物の過剰摂取の末に死亡しているのが発見された。自殺か、事故か、もしくは誰かに殺されたのか、捜査は慎重に行われたが、決定的なことはわからなかった。一方、別の地域では、13歳の少女アリス・ケリーが自宅から数メートル離れた地元の店に出かけたまま行方不明になる事件が起こっていた。
 さらに、ハリー・マッコイは上司のマレーから、出かけると言ったきり消息を絶ってしまった15歳の姪ローラを探してほしいと依頼を受ける。ローラの父親で地方政治家のジョンは、選挙への影響を考えて事件を公にしないことを望んでおり、マッコイは秘密裏の捜査を求められる。やがて捜査のなかで、三つの事件がそれぞれ関連しているのではないかと疑われるが……。

〇ハヤカワ・ミステリ(ポケミス)70周年&2000番にも注目!


1953年9月に『大いなる殺人』が刊行され、スタートした叢書ハヤカワ・ミステリ、通称ポケミス。2023年のポケミス70周年に続き、2024年には2000番目の作品が刊行されます。そんなポケミスの、2024年ラインナップの一部をご紹介!

『两京十五日 Ⅰ 凶兆』、『両京十五日 Ⅱ 天命』 馬伯庸/齊藤正高,泊功訳

『两京十五日』原書書影

記念すべきポケミス2000番(&2001番)作品。2カ月連続でお届けします。
 十五世紀の中国、明の時代。首都の北京から副都の南京に遣わされた皇太子は何者かによる襲撃に遭い、身をひそめるが、宮廷内にも敵の内通者が潜んで自分の命を狙っていることが判明する。さらに北京にいる父の皇帝が急病との知らせが届く。皇太子はかろうじて信頼できるたった三名の部下とともに、密かに大運河を北上して北京へ向かうことを決意する。敵が事を決すると思われるタイムリミットまでわずか十五日。迫りくる刺客と陰謀をかいくぐりながら、南京から北京へ、幾千里にもわたる決死行。

『喪服の似合う少女』 陸秋槎/大久保洋子訳

『喪服の似合う少女』原書書影

陸秋槎がロス・マクドナルドにオマージュをささげた注目の新刊が邦訳刊行! 私立探偵をしている劉雅弦のもとに、葛令儀という少女が訪ねてくる。彼女は地元の有力者である葛天錫の姪で、生まれながらのお嬢様だった。そんな令儀の依頼は、行方不明になったクラスメイトを探すことだった。何者かの妨害を受けながらも捜査をすすめる劉であったが、葛天錫の部下の射殺体が発見したことで状況が一変する。一体、令儀とクラスメイトに何があったのか……。

『West Heart Kill』 ダン・マクドーマン/田村義進訳

『West Heart Kill』原書書影

謎を解くカギは……読者!? 私立探偵マカニスは、ニューヨーク州北部の高級クラブ、ウェストハート・カントリークラブの創立200周年記念パーティに呼ばれた。大学時代の級友と旧交を温めていたアダムだったが、その数時間後にパーティの会場を大嵐が襲う。停電となり、予備電源も使えず、完全な復旧にはあと4日かかるという。まるでミステリの舞台のようだと冗談めかして言っていた矢先、本当に殺人事件が起こる。凶行はさらにつづいていき……。

〇他にも注目の作品が目白押し

2024年の注目作は他にもたくさん! あの作家の新作も……


『Fearless』M・W・クレイヴン/山中朝晶訳

『Fearless』原書書影

〈刑事ワシントン・ポー〉シリーズのM・W・クレイブンによるアクションスリラー長篇! 連邦保安官のエリート特殊部隊グループを率いていたケーニッヒが突然姿を消した。彼は誰にも理由を明かさないまま失踪し、町から町、州から州へと漂流している。そして彼は、ガントレットと呼ばれる砂漠の町へやってきた。そこには、凶悪な殺人犯たちがひそんでいたのだ。犯罪者たちははケーニッヒをただの漂流者としか考えていなかったが、それが彼らの地獄の始まりだった……。ケーニッヒが悪をただす、アドレナリン全開のアクション小説。

『長夜難明』紫金陳/大久保洋子訳

『長夜難明』原書書影

中国でドラマ化され大ヒット。注目の原作小説を邦訳刊行! 2013年、地下鉄で酩酊した男の持っていたスーツケースから死体が発見される。スーツケースの持ち主は敏腕弁護士の張超で、死体は彼の元教え子で、賄賂や賭博などで資格を剥奪された元検察官の江陽だった。取り調べに協力的な張超の自白によって事件はスピード解決を見せたが、法廷で張超は供述を翻すとともに鉄壁のアリバイを提示し、自分がやった犯罪は死体遺棄だけで江陽の殺害には関与していないと主張する。思わぬ難関にぶち当たった公安の趙鉄民は元公安のエリート刑事で現在は数学教授の厳良(イエン・リアン)の助けを借りて事件を捜査する。そこで彼らは10年前にある田舎で起きた冤罪事件解決に向けて江陽が並々ならぬ努力をしていたことに気付き、その事件の再調査を開始すが……。

ラストですべての巨悪が暴かれ、読み終えたときに湧き上がる思いに圧倒されます。半沢直樹と『容疑者Xの献身』のエッセンスを一気に味わったような胸がふるえる一冊です。

担当編集Eのコメント

そして、超大型新訳企画も進行中……!

続報を楽しみにお待ちください!

今回の記事でご紹介しきれなかった傑作・名作もたくさん控えております。情報は随時小社note公式X(旧twitter)にアップしていきますので、是非フォローしてチェックを! 本年もご愛読よろしくお願いいたします。

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