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小川一水氏の天冥の標シリーズと冲方丁氏のマルドゥック・シリーズが同時に読める2019年について

担当編集者のつぶやきをまとめました。

『天冥の標』最終巻の刊行からそろそろ1カ月、いまだにあらゆる巻の感想が続々とツイートされており、ありがたいかぎりですが、天冥ロスのあなたにうってつけのシリーズがあります。冲方丁『マルドゥック・アノニマス』というのですが、最新4巻がいよいよ3月20日に刊行となります。


『マルドゥック・アノニマス』は、『~スクランブル(全3巻)』『~ヴェロシティ(全3巻)』に続くシリーズ第3弾ですが、たしかにこれまでの3冊はウフコックの孤独な潜入捜査が続き、なかなか辛い読み心地でした(『天冥』でいえば「Ⅵ宿怨」的な意味で)。そして3巻ラストはあのガス室。
 ついに『~スクランブル』以来の、ウフコックとバロットのバディが完全復活します。いや、何と言いますか、バロットという良心が前面に出るだけで、ここまで読み心地が変わるものかと。特に前半のバロットと○○○○が対峙するシーンは、これまでのシリーズ全体を通しても最高の興奮(私見)。
 そして、4巻の最後(実はSFマガジン連載版にはない加筆された部分です)で、『~アノニマス』を通して描かれていくであろう、あるテーマが顕在化してきます。ここまでお読みになられている方ならお気づきでしょうが、冲方氏は『~アノニマス』でマルドゥック市のすべてを描こうとしています。
 政治、経済、法律から風俗まで、それは私たちが生きている現代社会とほとんど同義です。そのなかで、バロットという一人の女性の自己実現、ウフコックという男性の一生が描かれていきます。その豊かさは、『天冥の標』で描かれた宇宙と人類に、決して引けを取るものではないと確信しています。
 いや、何が言いたいかというと、『~アノニマス』は今回の4巻で、おそらくまだ折り返し点。『天冥の標』と同様のリアルタイム感を味わうには、今がチャンスということです。ぜひ1~4巻の一気読みを。完結の暁には、『マルドゥック・スクランブル』を超える感動をお約束します。

『天冥の標X 青葉よ、豊かなれ PART1』

 無責任かもしれませんが、4巻ラストで「もうだいじょうぶ」だと思えました。『~アノニマス』は凄いことになると。個人的には、2003年に文庫JAにデビューしていただいた冲方丁氏、小川一水氏が、2019年に『マルドゥック・アノニマス』と『天冥の標』を書いてくださっていることに、ただただ感謝です。


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