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「ケラリーノ・サンドロヴィッチ自選戯曲集」発売記念!(No.008) 「睾丸」作品紹介

不条理劇からウェルメイド劇まで、振り幅の大きい作品群を精力的に発表し続ける現代劇の鬼才、ケラリーノ・サンドロヴィッチ。
著者初となる自選戯曲集(全2巻)では、広がりのある作品世界を一望する8作品を一挙収録します。

収録作品:
「シャープさんフラットさん 」
「2番目、或いは3番目 」
「社長吸血記」
「ちょっと、まってください」
「睾丸」
(以上[ナイロン100℃篇])

「東京月光魔曲」
「黴菌」
「陥没」
(以上[昭和三部作篇])

解説:徳永京子[ナイロン100℃篇]
   嶋田直哉[昭和三部作篇]
装幀:はらだなおこ
写真:平塚篤史

発売:6月18日
定価:4,600円+税[ナイロン100℃篇] 
   3,800円+税[昭和三部作篇]

*著者直筆サイン入りをお求めの方はこちら!
http://www.e-fanclub.com/cube/webshop/search.asp?search_kwd=%83P%83%89%83%8A%81[%83m


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発売に向けた特別企画として、早川書房のnoteでは、
自選戯曲集に収録する全8作品を、ケラリーノ・サンドロヴィッチ(以下KERA)のコメントとともに紹介。
今日は発売日&ラストの紹介となる、「ナイロン100℃篇」収録の「睾丸」です。

◎「睾丸」作品紹介

甘ったれんな……! キンタマぶら下げてんなら甘ったれんな......。誰にだって事情はあるのよ(…)ウダウダ言ってる気力があるなら世間に出て働いたらいいじゃない。そしたら友達ぐらいすぐできるわよ。それでもダメならまたここに来ればいいわ、私はいないけど。(「睾丸」)

1993年、バブル景気が終息した日本。
東京郊外の一軒家に夫婦とその娘が住んでいる。 家には妻の弟が居候し、その元妻が夜な夜な訪れている。
ある深夜のこと。夫婦がかつて身を投じていた学生運動のセクトのリーダーが死んだという電報が届く。
そこへ突然、かつての同志で演劇仲間だった男が来訪し――。
リーダーが遺したノートから、明らかになっていく25年前の「真実」。
革命を夢見た人々と、その子供たちがたどり着く「然るべき場所」とは?
時代の狭間に生きる男女の哀歓を描いた、KERAの新境地!

◎ケラリーノ・サンドロヴィッチ コメント
(本書収録「あとがき」より)

ナイロン100℃二五周年記念公演に書いたホンである。登場人物たちは劇団創立の年である一九九三年に生き、さらにその二五年前、一九六八年を回想する。さしたる目新しさはなく、とくに野心的な戯曲でもないが、書きたかったことは遺漏なく書き尽くせたのではないか。
『百年の秘密』(一二年初演、やはり二五周年公演として一八年再演)を、犬山イヌコと峯村リエの為の芝居にすることを念頭に執筆したのと同様に、『睾丸』は、みのすけと三宅弘城が主役を演じることを前提に書き進めた。実際の上演では客演陣の力にも大きく助けられたが、書いている時は、常に、劇団創成期からの同志であるふたりのことを考えていた。まさに、自分も、彼らと共に成長してきたのだ。まるで劇中の学生運動の仲間のようでもあるが、彼らは挫折したのに対し、劇団の方はなんとか持ちこたえている。この戯曲集は劇団の活動記録でもあり、最後にまとめる訳ではないけれど、自分にとってそうした意味でも大切な一冊なのです。


◎バックナンバー


◎著者略歴
ケラリーノ・サンドロヴィッチ
劇作家、 演出家、 映画監督、 音楽家。1963年1月3日生まれ。82年、 ニューウェイヴバンド「有頂天」を結成。またインディーズ・レー ベル「ナゴムレコード」を立ち上げ、70を超えるレコード・CDを プロデュースする。85年、「劇団健康」 を旗揚げ、 演劇活動を開 始。92年解散、93年に「ナイロン100°C」を始動。99年、『フロー ズン・ ビーチ』 で第43回岸田國士戯曲賞を受賞し、 現在同賞の選 考委員を務める。2018年秋の紫綬褒章を始め、 第66回芸術選奨文 部科学大臣賞、 第24回読売演劇大賞最優秀演出家賞、 第26回読売 演劇大賞最優秀作品賞(ナイロン100°C『百年の秘密』)、 第4回ハ ヤカワ「悲劇喜劇」 賞(世田谷パブリックシアター+KERA・ M A P # 0 0 7 『 キ ネ マ と 恋 人 』) な ど 受 賞 多 数 。 音 楽 家 と し て は 、 ソ ロ活動の他、「有頂天」(2014年再結成)、鈴木慶一とのユニット 「No Lie-Sense」、ケラ&ザ・シンセサイザーズなどで、ライブや 新譜リリースを活発に展開中。

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