見出し画像

木下古栗『ポジティヴシンキングの末裔』青山ブックセンター本店様で限定復刊・好評発売中!

 このたび、木下古栗さんのデビュー作『ポジティヴシンキングの末裔』を青山ブックセンター本店様にて限定復刊することが決定いたしました!本書は2009年11月に早川書房より出版され、その後長らく手に入りにくい状態が続いていましたが、青山ブックセンター本店・店長の山下優さんより復刊のご希望をいただき、今回皆さまにお届けできることとなりました。この機会にぜひ、青山ブックセンター本店様にてお買い求めください!


■復刊に向けて

●青山ブックセンター本店 店長 山下優さん

本は昔でも最近でもいつ刊行されていようと出会った時が新刊だと、書店員を続けてきて強く実感します。同時にいつでも好きなタイミングで出会えるわけではありません。売れたタイミングで注文をしようとした時に注文システムに「ご注文いただけません。品切れ・重版未定です。」あるいは、「絶版です。」と表示される度に、もっと届けることができたはず、と後悔が押し寄せてきます。それでも単行本であれば、文庫化という道が残されています。しかし、すんなり文庫化がされるタイトルがある一方、色々な事情があるのは重々承知していますが、残念ながら待っても待っても文庫化がされないタイトルがたくさんあります。その中で今回は、色々なタイミングが噛み合い、木下古栗さんのデビュー作『ポジティヴシンキングの末裔』が当店限定という形で復刊して頂けることになりました。
話の繋がりもほぼないはずが、似たような内容の話が繰り返されることで全二十九編が一つの長編に感じ、何もないようで、いや何もないからこそ、何もかもがあるのではないか、そんな風に感じさせてくれる一冊です。ぜひこの機会にぜひ手に取って体感頂けたら嬉しいです。

●早川書房編集部 吉田(本書担当編集)

木下古栗さんの作品を読むと〈セクシーコマンドー〉をくらった気持ちになる(《ジャンプ》世代にはピンとくるのでは)。
本短編集では、日常的な単語や文節が、それとは一見関係ない単語や文節と結合し、主語や文意がカオスな文章となって不意討ちのように襲ってくる。それは魔術的な酩酊感をもたらし、〈フルクリアリズム〉とでも呼びたくなる魅力がある。
本書キャッチコピーを木下さんは「高ぶらせるだけ 高ぶらせて 帰宅」としてくれた。読者を異色世界へ放り込みっぱなしにする、文学的放置プレイをお楽しみください。

■書誌情報

『ポジティヴシンキングの末裔』木下古栗
判型:四六判上製 ISBN:9784-15-209082-9 
定価:3,300円(税込)

■推薦

<岸本佐知子さん>
祝、祝!この最っ高な本がふたたび読める世界に生きていて、よかった。

■あらすじ

 まったくもって毛深い体質ではなかったはずなのに、ある朝、純一郎が目覚めると、手足が自らの陰毛によって緊縛されていた……(「ラビアコントロール」)。
 枕に額を預けて目をつむった。眠りの底なし沼に沈みそうになる。このまま性器をまさぐり出せば俺はマスターベーションを避けられないだろう……(「糧」)。
 体力のある若者たちの間で今、密かにマグロ漁が流行の兆しを見せ始めているというが……(「爽やかなマグロ漁」)。
 文学の冒険、文体の魔術、物語の脱臼?不可思議な官能のスパイスがまぶされた未体験の約30篇が共演する!著者の記念すべき初作品集。

■著者情報

木下古栗(きのした・ふるくり)
1981年生まれ。2009年、初単行本『ポジティヴシンキングの末裔』(早川書房)を発表。「本屋大将」(2011)で第38回川端康成文学賞候補となり、『金を払うから素手で殴らせてくれないか?』(2014)がTwitter文学賞に輝く。『グローバライズ』(2016)は、多くの読書人から評価された(氏の作品を愛する熱狂的な読者は「フルクリスト」とも呼ばれる)。その他の作品に『生成不純文学』(2017)、『人間界の諸相』(2019)、『サピエンス前戯』(2020)などがある。

■特典情報

青山ブックセンター本店にて本書をご購入いただいたお客様に、特典として【木下古栗さん書下ろし掌編】を1部差し上げます。
特典:『ポジティヴシンキングの末裔』限定復刊記念
    青山ブックセンター本店 限定特典掌編
題名:『馬女(うまむすめ)』
著者:木下古栗

■予約開始日

2023年11月9日(木)正午~

■発売開始日

2023年12月27日(水)

■ご購入はこちら

〇青山ブックセンター本店 店頭にて 
〇青山ブックセンター本店 オンラインストア

※復刊の取り扱い書店は青山ブックセンター本店様のみとなります。商品に関するお問い合わせは青山ブックセンター本店様もしくは早川書房までお願いいたします。