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中国発、日本SF。大阪観光サイバーパンクから異常論文、百合SFまで。陸秋槎『ガーンズバック変換』作品紹介

『元年春之祭』『文学少女対数学少女』などで知られる華文ミステリ作家・陸秋槎氏による初のSF作品集『ガーンズバック変換』2月21日に刊行されます。本書は中国語で書かれた翻訳小説ながら、日本を舞台にした作品や、『異常論文』百合SFアンソロジーなど日本の書籍のために書き下ろされた作品などを含んだ、気鋭の中国人作家による日本オリジナルSF短篇集です。国境を越えて広がっていく物語の想像力をお楽しみください。

陸秋槎『ガーンズバック変換』
阿井幸作、 稲村文吾、大久保洋子訳
装画:掃除朋具



ネット・スマホ依存症対策条例が施行された近未来の香川県。全未成年者たちは例外なく、液晶画面を通じたネットへの視覚的なアクセスを遮断する特殊眼鏡「ガーンズバックⅤ」を着用することを義務付けられていた。そんな香川から、女子高生の美優が大阪へやってきた目的とは――? 大阪観光サイバーパンクの表題作をはじめ、創作と道徳をめぐる脳科学SF「サンクチュアリ」、中世の南仏で貴族少女と吟遊詩人の出逢いを描くボルヘスやカルヴィーノ風味のファンタジー「物語の歌い手」、スマホゲーム開発をめぐる知的遊戯「開かれた世界(オープンワールド)から有限宇宙へ」、さらに百合SFアンソロジー『異常論文』といった日本の書籍のために書き下ろされた傑作など、全8篇を収録。


【収録作】

「サンクチュアリ」稲村文吾訳
(書き下ろし)

「物語の歌い手」大久保洋子訳
(書き下ろし)

「三つの演奏会用練習曲」稲村文吾訳 
初出:〈香港文学〉二〇二一年四月号(初邦訳)

「開かれた世界(オープンワールド)から有限宇宙へ」阿井幸作訳
初出:〈SFマガジン〉二〇二三年二号

「インディアン・ロープ・トリックとヴァジュラナーガ」稲村文吾訳
初出:〈SFマガジン〉二〇二一年六月号(異常論文特集)

「ハインリヒ・バナールの文学的肖像」大久保洋子訳
初出:『時のきざはし 現代中華SF傑作選』新紀元社(二〇二〇年六月)

「ガーンズバック変換」阿井幸作訳
初出:〈香港文学〉二〇二二年三月号(初邦訳)

「色のない緑」稲村文吾訳
初出:『アステリズムに花束を 百合SFアンソロジー』ハヤカワ文庫JA(二〇一九年六月)

著者あとがき・自作解題

解説:〈SFマガジン〉編集長 溝口力丸

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3/11には刊行記念トークイベントも敢行予定、どうぞお楽しみに!


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