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本のプロ! 書店員のみなさんが語る『三体Ⅲ 死神永生』

劉慈欣『三体Ⅲ 死神永生』、発売から土日を経て、そろそろみなさまのお手元にも届いたころでしょうか? ツイッターで「三体」「死神」で検索をしては、みなさまの読後感想にニッコリしております。

本日は本読みのプロ・書店員のみなさんの読後コメントをご紹介します。製本前の「ゲラ」をお送りしてご感想を募ったところ、激アツな感想をたくさんお寄せいただきました。『死神永生』下巻の帯ウラでもご紹介させていただいておりますが、本欄でもご紹介します!

浦和蔦屋書店(@urawatsuta唄健一郎様
デカすぎる宇宙を2冊の本に収めた劉先生に脱帽。桁違いのスケールにひたすら圧倒され、夢中で読み耽り、次元も時間も超越。自分の心は未だ宇宙をさまよっています。とうとう最終巻を読み終えた満足感と読み終えてしまった寂しさ。そしてこの最高の読書体験を1人でも多くのお客様に伝えなければという使命感にかられております。


中国・アジアの本 内山書店(@uchiyamasyoten)社長 内山深様
『三体』から『三体II』にかけて、作中の科学技術の目覚ましい進歩にひたすら驚き、感動し、興奮した。しかし劉慈欣は『三体III』においてそれらの最新技術を「時代遅れ」にしてしまった。とどまることを知らない技術革新のアイデアに、ただただ敬服するばかりだ。
登場人物も多彩で、それぞれの立ち位置や思想、役割などが物語に絶妙の味付けを与えている。思わず「ウェイドぉー!」と叫んでしまった自分がいた。
『三体II』では三体文明の圧倒的な武力に恐れおののいたが、『三体III』では「宇宙は暗黒森林である」ことの本当の恐ろしさが身に染みてわかった。「1890万年宇宙の旅」なんて夢に出てきそうで怖い……。『三体』三部作は、他のSF小説とは「次元が違う」作品だと思った。「四次元空間」をも体験させてくれた『三体III』、多謝!

精文館書店 本店 保母明子様
『三体II』できれいに終わってからの続き……三部作だとどれか一つは何だこれ? となりがちなところを、まさかのどれも面白いとは! IIが面白いだけでも奇跡なのに、IIIも面白いなんて、めったにあることじゃないです。雲天明とどこで会えるのか……と、どきどきしながら読みました。暗黒森林攻撃はえげつないのに、縦軸はずっとラブストーリーという不思議。雲天明に会えそうで、結果会えないのがいいですね。そして、声を大にしていいたいのが、作中作が面白かったこと! おもしろい作中作に出会えたためしがないので、三体文明の秘密を緻密に折りこんでなおかつおもしろいことにしびれます。『三体III』を読んだので、火星でドローンが飛んだくらいで、暗黒森林攻撃うけるんじゃないか? と空想してわくわくしています。


紀伊國屋書店 広島店(@KIno_Hiroshima)藤井美樹様
文化大革命にはじまった長大なストーリーだったけど、ここまでぶっとんだ話になるとは思ってもみませんでした。西暦以外の色んな暦名(元号?)が出てきて、偽史や歴史年表をみるのが好きな私にとっては、大好物! まさに「神」目線で、長きにわたる人類と三体人との攻防をなぞるのに耽溺しました。各々の世代の主人公たちがほそいほそい線をつないで次の世代に渡して生き残りの道をさぐる過程でくり返される希望と絶望にどれだけふり回されたか……。そして、伏線がすごすぎでしょう! というか多いよ! でも面白かったです! こんなに複雑でめちゃくちゃなSFは久し振りで楽しかったです。


三省堂書店 神保町本店(@honten_sanseido)竹田桃香様
宇宙はきっと暗くて恐ろしいところだとは思うけれど、劉慈欣の描く宇宙は、思うところの1000倍くらい恐ろしくて冷たくて残酷だ。それでいて圧倒的に美しく、目を離すことができない。恐ろしさと美しさのスケールが桁違いで、私は一体何を読んでいるのだろう? と呆然としてしまう。どうしてこんなにも色々超越してしまっている世界を、人間に書くことができたのだろう。賞賛を通り越して畏怖の念に堪えない。素敵なゲラをありがとうございました!!



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