この秋はアトウッド祭!! 『誓願』&『侍女の物語 グラフィックノベル版』
数々の名作を世に放つカナダの巨匠、マーガレット・アトウッド。2020年は「アトウッド祭」と言ってもいいくらい、アトウッドの小説や詩集、彼女の著作についての論集が続々と邦訳刊行されています。
そしてこの秋、早川書房は大注目の2冊、『誓願』『侍女の物語 グラフィックノベル版』を刊行いたします。
マーガレット・アトウッド プロフィール
© Luis Mora
マーガレット・アトウッド
50以上の小説、詩、批評を発表しているカナダの代表的作家。
『昏き目の暗殺者』(鴻巣友季子訳)、『オリクスとクレイク』(畔柳和代訳)(以上早川書房刊)、『キャッツ・アイ』(松田雅子、松田寿一、柴田千秋訳)、『またの名をグレイス』(佐藤アヤ子訳)等の著作がある。
1985年に発表した『侍女の物語』(斎藤英治訳)(ハヤカワepi文庫)はドナルド・トランプ大統領の誕生をきっかけに再びベストセラー入りし、〈侍女〉は女性への抑圧に対抗するシンボルとなった。同作は2017年にドラマ化し、エミー賞を8部門で受賞した。
ブッカー賞、アーサー・C・クラーク賞、フランツ・カフカ賞など数々の賞を受賞。2019年にはその文学活動によってコンパニオンズ・オブ・オナー勲章を受けている。
また、イラストレーター、劇作家、脚本家、操り人形師としても活躍。カナダ・トロント在住。
『誓願』
『侍女の物語』続篇、ブッカー賞受賞作。
静かに、強靭に、闘いをやめない女たちの物語。
〈侍女〉オブフレッドの物語から15年後。
〈侍女〉の指導にあたっていた小母リディアは、司令官たちを掌握し、ギレアデ共和国を操る権力を持つまでになっていた。
司令官の娘として大切に育てられるアグネスは、将来よき妻となるための教育にかすかな違和感を覚えている。
カナダで古着屋の娘として自由を謳歌していたデイジーは、両親が何者かに爆殺されたことをきっかけに思いもよらなかった事実を事実を突きつけられ、危険な任務にその身を投じていく。
まったく異なる人生を歩んできた3人が出会うとき、ギレアデの命運が大きく動きはじめる。
『誓願』
マーガレット・アトウッド/鴻巣友季子訳
本体価格2900円+税 四六判上製
早川書房より10月1日発売
『侍女の物語 グラフィックノベル版』
それは、「産む道具」の赤。
名作ディストピア文学が鮮烈なイラストレーションで登場。
ギレアデ共和国の〈侍女〉オブフレッド。
赤い制服を着た彼女の役目はただひとつ、主人である〈司令官〉の子を産むことだ。
厳しい監視の目におびえながらも、自由だった過去や引き離された家族のことが忘れられない彼女を、
普段は交流を禁じられている〈司令官〉その人が部屋に呼び出して……
イラストレーション/ルネー・ノールト
カナダ出身・在住のアーティスト、イラストレーター、グラフィックノヴェリスト。
浮世絵や漫画、バンド・デシネに影響を受けており、水彩絵の具とインクで制作を行なっている。広告や雑誌のイラストを手掛けているほか、いくつかのアンソロジーに漫画やグラフィックノベルを寄稿。また、自身のウェブサイトでグラフィックノベルWitchlingを公開している。
3年以上をかけてすべて手描きで制作し、2019年に発表した本書は、カナダのみならずアメリカ、イギリスでベストセラーとなり、アメリカで最も権威ある漫画賞のひとつであるアイズナー賞と、カナダのSF文学賞であるオーロラ賞にノミネートされた。
『侍女の物語 グラフィックノベル版』
ルネー・ノールト
マーガレット・アトウッド原作/斎藤英治訳
B5判変形上製 本体価格4900円+税
早川書房より9月17日発売
原作*『侍女の物語』
マーガレット・アトウッド/斎藤英治訳
ハヤカワepi文庫 本体価格1240円+税
好評発売中
他社からも続々刊行・2020年はアトウッド祭
・『語りなおしシェイクスピア1 テンペスト 獄中シェイクスピア劇団』マーガレット・アトウッド/鴻巣友季子訳 集英社より発売中
・詩集『サークル・ゲーム』マーガレット・アトウッド/出口菜摘訳 彩流社より発売中
・『マーガレット・アトウッドのサバイバル:ローカルからグローバルへの挑戦』松田雅子著 小鳥遊書房より発売中
・「老いぼれを燃やせ」マーガレット・アトウッド/鴻巣友季子 訳 文藝 2020年秋季号所収
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『侍女の物語 グラフィックノベル版』は9月17日、『誓願』は10月1日の発売です。ご注目ください!