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2023年の早川書房の翻訳ミステリ&NVラインナップから大注目作をご紹介!

あけましておめでとうございます。
旧年中は読者の皆さまには大変お世話になりました。
年賀状の代わりとして、2023年に刊行予定の翻訳ミステリ&NV作品ラインナップのなかから、一部を皆さまにご紹介いたします。今年の早川書房も大作・話題作がドシドシ登場!

※タイトルは一部を除き原題および仮題です。

〇今年も絶対に見逃せない作品が勢ぞろい!

今年の早川書房のミステリも、絶対に見逃せない作品が勢ぞろい! まずは、今年の早川書房イチ押しミステリからご紹介!

『Gallows Court』マーティン・エドワーズ/加賀山卓朗 訳

『Gallows Court』原書書影

英国推理作家協会賞ダイヤモンド・ダガー賞を受賞した巨匠による、傑作謎解きミステリがついに邦訳! 1930年、ロンドン。若い女性が無残に殺される事件が立て続けに発生した。この事件を解決へと導いた元判事の娘にして私立探偵のレイチェル・サヴァナクに怪しさを感じた新聞記者のジェイコブ・フリントは、彼女の身辺を調査し始める。だが、彼女についてわかることは何もなかった。そして再び事件が……。レイチェルは何者なのか? 断章で書かれる孤島での殺人事件は現在の事件とどんな関係があるのか? 真実はすべて処刑場で明かされる。ミステリを読む醍醐味ここにあり! 謎に次ぐ謎に翻弄される、至高の一作。今年の早川書房イチ押しの一作です。

『Death and the Conjuror』トム・ミード/中山 宥 訳

『Death and the Conjuror』原書書影

密室状態の部屋で起こった不可能犯罪に挑むのは、元奇術師の名探偵! 読者への挑戦状がついた本格ミステリ! 戦間期のイギリス、ロンドン。心理学者のアンセルム・リーズが鍵のかかった書斎で死体となって発見された。現場は密室状態。手掛かりも、目撃者も、凶器もなかった。この不可解な謎に直面したロンドン警視庁の刑事ジョージ・フリントは、元奇術師の私立探偵ジョセフ・スペクターに事件の解決を依頼する。だが、事件の捜査中に、またしても密室殺人事件が起こり……。細やかな手がかりと伏線に隠された真実……。あなたはこの事件の真相を見破ることができるか!? 本作は、ポケミス史上初のとある仕掛けを行う予定。こちらもお楽しみに!

『The Long Call』アン・クリーヴス/高山真由美 訳

『The Long Call』原書書影

〈刑事マシュー・ヴェン〉シリーズで知られるアン・クリーヴスの最新シリーズ第一作目がハヤカワ・ミステリ文庫で刊行! イングランド南西部の町ノース・デヴォンの海岸で男の死体が見つかる。捜査に当たることになったバーンステイプル署の刑事マシュー・ヴェンは、彼が殺害された裏には何か隠された秘密があるという直感する。捜査を進めていくごとに事件の関係者は増えていき、マシューのパートナーまでもがこの事件に関係していることが判明し……。事件は絡み合う糸のように複雑の一途をたどり、そして新たな事件が起こる。読む者の胸を揺さぶる巨匠の新たなる代表作が登場です。

『詐欺師はもう噓をつかない』テス・シャープ/服部京子 訳

『The Girls I've Been』原書書影

アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀ヤング・アダルト小説部門最終候補作! 十七歳の少女ノーラは、親友のウェス、恋人のアイリスとともに、チャリティで得たお金を預けるため、銀行を訪れる。自分のせいでウェスとアイリスがぎくしゃくしていることに悩む彼女だったが、そんな状況を一発の銃声が吹き飛ばす。銀行強盗によって人質にとられてしまう彼女たち。だがそんな状況の中でも、ノーラはやつらを出し抜く術を考えていた。詐欺師の母と様々な修羅場を潜り抜けてきたノーラは、親友と恋人を助け出すため、母とともに捨てた詐欺の技をもう一度使うことを決意する……。どんな逆境にも立ち向かっていく少女ノーラの活躍をお楽しみに!

『The Christie Affair』ニーナ・デ・グラモン/山本やよい 訳

『The Christie Affair』原書書影

世界で最も有名なミステリ作家の実際の11日間の失踪事件をもとに描かれた衝撃のサスペンス! 1926年12月2日、36歳のアガサはひどく落ち込んでいた。作家の仕事はうまくゆき始めていたが、数か月前、最愛の母親を亡くし、夫のアーチーはアガサより10歳ほど若い下流階級の事務員の娘ナンと愛人関係にある。ナンに忠告をし、アーチーを取り戻すべく夜を共にした翌朝、アーチーは無情にもアガサに別れを告げて、ナンと再婚すると宣言した。大喧嘩の果てにアーチーは出ていき、残されたアガサはアーチー宛てと幼い娘テディの乳母宛てに手紙を残して失踪する……。何が人を殺意に駆り立てるのか。愛のもと、人はどんな行いをしてしまうのか。

〇あの人気シリーズの最新作も!

そして、2023年も人気シリーズ作品の新作を刊行します! お待ちかねのあのシリーズ最新作も……!?

『Sovsågott』アンデシュ・ルースルンド/清水由貴子・下倉亮一 訳

『Sovsågott』原書書影

『三日間の隔絶』に続く、〈グレーンス警部〉シリーズ邦訳最新作! 同じ日に失踪した二人の少女。それから三年後、彼女たちは行方不明のまま死亡したとみなされ、墓が建てられた。しかし、そこに彼女たちの遺体はない。とある事件の捜査のために、彼女たちの失踪の理由と、二人の間の秘密を探ることになったエーヴェルト・グレーンス警部は、無二の相棒ピート・ホフマンとともにまたしても潜入捜査を行うことになる。しかし、彼らを待ち受けていたのは、これまでで最も厳しく、最も汚く、最も危険な戦いだった……。シリーズ最大の危機と最大の衝撃を見逃すな!

『The Bullet That Missed』リチャード・オスマン/羽田詩津子 訳

『The Bullet That Missed』原書書影

大人気〈木曜殺人クラブ〉シリーズ第三作目は、新たな敵がエリザベスを襲う!? 「木曜殺人クラブ」のメンバーたちは、また新たな未解決事件の捜査に手を出す。だが、それは開けてはならないパンドラの箱だった。事件の捜査を始めてから、何者かがエリザベスのことを襲い始める。襲撃者の目的とは? ジョイス、ロン、イブラヒムは、再び犯人が襲撃してくる前に、事件の謎を解き明かすことができるのか? そして、エリザベスを救うことはできるのか……? まだまだ面白くなるシリーズ三作目、こうご期待!

『DEAD GROUND』M・W・クレイヴン/東野さやか 訳

『DEAD GROUND』原書書影

英国推理作家協会賞スティール・ダガー賞受賞作! 数年前に起こった奇妙な銀行襲撃事件。犯人はショーン・コネリーやダニエル・クレイグなどのジェームズ・ボンド俳優のマスクをかぶっていた。だが、奇妙なことはそれだけではない。金庫からは何もとられておらず、現場には男の死体が遺されていたのだった……。そして、現在。サミットの開催が間際に迫るカンブリア州で、ヘリコプターのパイロットが死体で発見される事件が起こる。捜査に挑むポーとティリーだったが、事件の裏には、過去の銀行襲撃事件が関係していることがわかりはじめ……。シリーズ随一の驚きとどんでん返し!

『Natrium Chloride』ユッシ・エーズラ・オールスン/吉田奈保子 訳

『Natrium Chloride』原書書影

〈特捜部Q〉シリーズ最新作! 60歳の誕生日に、ある女性が自殺をした。彼女の死は、30年前の未解決事件の記憶を特捜部Qの面々に思い起こさせる。やがて明らかになる真相。30年もの間、人々は、罪を証明されることなく殺人を犯す狡猾な殺人鬼の犠牲になってきたのだ。彼は正確に犠牲者と死の時間を選択する。今まで、誰も彼を止めることができなかった。そして、コロナ・ウイルスの対策がさらに捜査を複雑にさせていき……。限界まで追い込まれた特捜部Qがとった秘策とは――!? シリーズ最新作にして最高傑作です!!

〇冒険アクション/スリラーにも要注目!

さらにさらに、アクション/スリラー小説にも読み逃せない作品が盛りだくさん!

『スパイは今も謀略の地に』ジョン・ル・カレ/加賀山卓朗 訳

『スパイは今も謀略の地に』単行本書影

スパイ小説の巨匠が描く傑作が、ついに文庫化! ベテラン情報部員ナットは、ロシア関連の作戦遂行で成果をあげてきたが、引退の時期が迫っていた。折しもイギリス国内はEU離脱で混乱し、ロシア情報部の脅威も増していた。彼は対ロシア活動を行なう部署の再建を打診され、やむなく承諾する。 ナットは、新興財閥の怪しい資金の流れを探る作戦を進めるかたわら、趣味のバドミントンで、一人の若者と親しくなっていく。 ほどなく、あるロシア人亡命者から緊急の連絡が入った。その人物の情報によると、ロシアの大物スパイがイギリスで活動を始めるようだ。そして、ナットは重大な決断を下すことに……。練達のスパイの信念と誇りを描く必読書!

『The Englishman』デイヴィッド・ギルマン/黒木章人 訳

『The Englishman』原書書影

スパイ×アクション×刑務所脱獄! ドラッグマネーのロンダリングを調べていたMI6の部員がロンドンで拉致された。犯人はロシアのフリーエージェント。フランス外人部隊出身でフリーランスのエージェントとしてMI6の仕事を請け負ったこともあるラグラン(コードネーム:イングリッシュマン)は、モスクワ警察の女性捜査官と共に犯人を追跡するが、部員には死なれ、犯人は取り逃がしてしまう。仲間を殺された復讐を果たすべく、ラグランはロシア最深部の刑務所に潜入する。コードネーム〈イングリッシュマン〉の活躍を描くシリーズ第一作!

『Armored』マーク・グリーニー/伏見威蕃 訳

『Armored』原書書影

マイケル・ベイ監督で映画化決定のアクション小説の巨匠が送る最新シリーズ第一作! 元プロ・ボディーガードのジョシュア・ダフィーは、レバノンでの最後の任務で左足を失ってしまった。彼は、ショッピングモールの警備員として生計を立てていたが、ある日、昔の仲間に声を掛けられ再び死と隣り合わせの危険な任務に舞い戻ることになる。それは、メキシコの麻薬カルテル同士の抗争を和平に導くというものだった……。最後の仕事は、地獄へと続いている……。

『TRUE BELIEVER』ジャック・カー/熊谷千寿 訳

『TRUE BELIEVER』原書書影

クリス・プラット主演のドラマ『ターミナル・リスト』シリーズ二作目! 欧州を襲った相次ぐテロによって、世界は混乱の渦に陥っていた。ようやく復讐を終えることのできたジェームズ・リースは、今度はアメリカ政府から一連のテロ事件の犯人の捜索を依頼される。リースは世界中を飛び回りながら、テロの首謀者の影を追っていくが、またしても彼に絶体絶命の状況が訪れ……。冒険小説の新たな書き手による、アクションに満ちた傑作!

〇そして、2023年はハヤカワ・ポケット・ミステリ70周年の年!

1953年9月に『大いなる殺人』が刊行され、スタートした叢書ハヤカワ・ポケット・ミステリ、通称ポケミス。2023年はそんなポケミス70周年の年! 2023年9月から2000番到達となる2024年2月まで、ポケミス祭りを開催します! 本日はそのラインナップの一部をご紹介!

『Scrublands』クリス・ハマー/山中朝晶 訳

『Scrublands』原書書影

英国推理作家協会賞最優秀新人賞受賞作! オーストラリアの内陸にある小さな町リバーセンドで、バイロン・スウィフトという神父が教会にやってきた信徒五人をショットガンで銃殺するという事件が起こった。小児性愛者であることを隠すためにバイロンは事件を起こしたのだという報道がなされ、事件は一応の解決を迎える。一年後、町を訪れたジャーナリストのマーティン・スカーデンは事件後のリバーセンドがどのような日々を送っているのか取材しようとするが、この町の誰しもが彼はいい神父だったと口をそろえて庇う。彼は、神父が事件を起こした裏には何か特別な事情があったことを直感する。神父が事件を起こした本当の理由とは? 読む者の心を揺さぶる、究極のホワイダニット・ミステリ!

『밤의 여행자들』ユン・ゴウン/カン・バンファ 訳

『밤의 여행자들』原書書影

英国推理作家協会賞最優秀翻訳小説賞受賞作! 災害や気候変動によって荒廃した土地へのパッケージ旅行を専門とする旅行会社に勤めるヨナは、自分の仕事と地位に満足していた。だが、ある日彼女は、会社が大災害をでっちあげて新たなリゾートを作ろうとしていることに気づく。会社の計画を放置していたら、その土地に住む人たちに危険が及ぶかもしれない。ヨナは、選択を迫られるが……。気候変動、ダークツーリズム、そして#MeTooをめぐる新たなミステリ。

『The Kingdom』ジョー・ネスボ/鈴木 恵 訳

『The Kingdom』原書書影

ジェームズ・エルロイが自らの後継者と認めた著者による、重厚なノルウェー・ノワール・サーガ。両親を突然の自動車事故で失ってから、ノルウェーの寒村で家族の土地を継いで暮らしているロイ。彼の元に、海外に飛び出していった弟カールが、建築家で妻のシャノンを連れて帰郷してくる。カールはこの地にスパとホテルを建てようという野心を持っていた。だが、推し進められる計画で小さな町には次第に不和が募っていく。そしてロイとカールの暗い過去に光が当てられるようになり……。北欧ミステリの重鎮ジョー・ネスボの最高傑作です!

今回の記事でご紹介しきれなかった傑作・名作もたくさん控えております。情報は随時小社note公式Twtterにアップしていきますので、是非フォローしてチェックを! 本年もご愛読よろしくお願いいたします。

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