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アガサ・クリスティー賞初のダブル受賞決定! 黒い受賞作と白い受賞作、どちらから読む?

 第9回アガサ・クリスティー賞は、同賞初のW受賞となりました。選考委員の藤田宜永氏から「ダブル受賞は妥協の産物の時もあるが、今回はまったく違う。両作家を版元は大いに売り込んでほしい」と評された受賞2作品『それ以上でも、それ以下でもない』(折輝真透)、『月の落とし子』(穂波了)の書影と最終選考委員の選評を公開します。

第9回アガサ・クリスティー賞受賞作
『それ以上でも、それ以下でもない』

以上以下_帯

装画:yoco 装幀:早川書房デザイン室
※書影はamazonにリンクしています。

【内容紹介】
1944年、ナチス占領下のフランス。
中南部の小さな村サン=トルワンで、ステファン神父は住民の告解を聞きながらも、集中できずにいた。昨夜、墓守の家で匿っていたレジスタンスの男が、何者かによって殺されたのだ。
祖国解放のために闘うレジスタンスの殺害が露見すれば、住民は疑心暗鬼に陥るだろう。戦時下で困窮する村がさらに混乱することを恐れたステファン神父は、男の遺体をナチスに襲撃された隣町に隠し、事件の隠蔽をはかる。
だが後日、ナチス武装親衛隊のベルトラム中佐がサン=トルワンを訪れる。レジスタンスは匿われていると信じる住民にも、目的が判然としないベルトラム中佐にも、ステファン神父は真実を告げることができない……。
孤独に葛藤し、村を守るため祈り続けた神父が辿り着いた慟哭の結末とは。

北上次郎(文芸評論家)
シンプルな話を緊迫感あふれる話にまとめた力量は称賛に値する。新たな素材に挑戦するところに、この作家の若さと意欲と気迫を感じる。のびしろはいちばんか。
藤田永(作家)
ストーリーに縛られない豊かさを感じる作品だった。お手軽な物語を駆け足で作ったものが多い中、懐の深い読ませる作品に仕上がっていた。
清水直樹(ミステリマガジン編集長)
キャラクターの造形と描き分けが秀逸だった。ストーリー的にも破綻がなく、じつはいちばん楽しく読めた。冒頭に提示される謎だけで最後まで読ませる力には可能性を感じさせた。


【著者紹介】 
折輝真透(おりてる・まとう)
東京都在住。2018年、『マーチング・ウィズ・ゾンビーズ』で第4回ジャンプホラー小説大賞初の金賞を受賞。2019年、本作で第9回アガサ・クリスティー賞受賞。


第9回アガサ・クリスティー賞受賞作
『月の落とし子』穂波 了

月の落とし子_帯付

装画:K,Kanehira 装幀:世古口敦志(coil)
※書影はamazonにリンクしています。

【内容紹介】
それは人間の進歩を証明する、栄光に満ちたミッションのはずだった――。新しい時代の有人月探査「オリオン計画」で、月面のシャクルトン・クレーターに降り立った宇宙飛行士が吐血して急死する。死因は正体不明のウイルスへの感染……!? 生き残ったクルーは地球への帰還を懸命に試みるが、残酷な運命に翻弄されて日本列島へ墜落する――致死性のウィルスと共に……。空前絶後の墜落事故! そして未曾有のバイオハザード! 極限状況の中で、人間は人間自身を救い希望を見出すことができるのか。クリスティー賞史上、最大のスケールで描かれる超災害ミステリ。

北上次郎(文芸評論家)
読み始めてすぐに「これは傑作だ。すごいすごい」と興奮してしまった。採点は5点満点だが、6点を付けようと思ったほどである。
鴻巣友季子(翻訳家)
太古の生物であるウィルスと「遅れてきた者」である人間の戦い、あるいは「功利主義」の是非など壮大なテーマを擁しています。本作に私は最高点をつけました。
藤田永(作家)
文句なく面白かった。
受賞間違いないと決め込んで選考会に臨んだ。言葉でのデッサン力がないと、専門知識を織り交ぜながら、宇宙を舞台にした作品は書けない。

【著者紹介】 
穂波 了(ほなみ・りょう)

○1980年生まれ。千葉県出身。別名義で、2006年に第1回ポプラ小説大賞を受賞している。2019年、本作『月よりの代弁者』(出版に際して『月の落とし子』に改題)で第9回アガサ・クリスティー賞を受賞。

両作はともに11月20日発売予定です。楽しみにお待ちください!



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