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"これぞ21世紀型アフロ・マジックリアリズムの極致だ──"豊﨑由美氏推薦! チゴズィエ・オビオマ『小さきものたちのオーケストラ』

デビュー作『ぼくらが漁師だったころ』(早川書房刊)でブッカー賞の最終候補にノミネートされ、アフリカ文学の新星として注目されたチゴズィエ・オビオマ。
そんな著者の長篇第2作で、ふたたびブッカー賞の最終候補となった『小さきものたちのオーケストラ(原題:An Orchestra of Minorities)』が刊行されました。

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装画=mocchi mocchi
装幀=坂川朱音

●あらすじ

わたしは宿り主にかわってお願いにあがった。
彼はあってはならない過ちを犯してしまったのだ──

わたしの宿り主、チノンソ。
ナイジェリア、ウムアヒア郊外で養鶏を営む彼は、
橋から飛び降りようとしていた女性ンダリを助けた。
ふたりは恋に落ちるが、チノンソに学歴がないことを理由に、
ンダリの家族は交際に猛反対した。

彼女と結婚するために、チノンソは家や鶏を売り、
キプロスの大学に入学する。
しかし現地に着いたとき、
手続きを仲介した旧友にだまされていたとわかる。
金もなく、家もなく、ンダリからも遠く離れたチノンソを、
さらに苦難が襲う。

数百年にわたり人間に宿りつづけてきた守り神〈チ〉──わたし──は、
天界の法廷でチノンソの人生を語りはじめる。

西欧の語りとナイジェリアのイボ神話を融合させた、
現代の『オデュッセイア』と評される文芸長篇。
ブッカー賞最終候補作。

著者:チゴズィエ・オビオマ
訳者:粟飯原 文子
ページ数:592ページ
ジャンル:文芸
版型:46判 上製単行本

●本書に対する評価

〈守り神〉(チ)が弁護する〈宿り主〉(チノンソ)の数奇な愛の物語。
イボ(ナイジェリア)の宇宙論が現実の世界と溶け合う、
これぞ21世紀型アフロ・マジックリアリズムの極致だ。
──豊﨑由美[書評家]

本作は、2019年度ブッカー賞の最終候補にノミネート。さらに、《フィナンシャル・タイムズ》の2019年度ベスト・ブックス選出され、ブッカー賞受賞作家のサルマン・ラシュディから「新しいアフリカの才能」と絶賛されています。
『ぼくらが漁師だったころ』の日本版は、小野正嗣、旦敬介、管啓次郎、豊﨑由美、石井千湖の各氏から高く評価されました。
翻訳は、今作も、粟飯原文子氏(アフリカ文学研究)が手がけます。

●著者について

チゴズィエ・オビオマ

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🄫Jason Keith

1986年、ナイジェリアのアクレに生まれる。ミシガン大学大学院創作課程を修了。2015年に発表したデビュー作『ぼくらが漁師だったころ』(早川書房)は、ブッカー賞最終候補に選出され、ロサンゼルス・タイムズ文学賞など四賞に輝き、アフリカ文学に新星が現れたと英米文学界の話題を独占した。2019年に発表した第2長篇にあたる本書は再びブッカー賞最終候補に選出された。現在ネブラスカ大学リンカーン校で教鞭を執る。

●訳者について

粟飯原文子(あいはら あやこ)
法政大学教授 訳書『褐色の世界史』ヴィジャイ・プラシャド、『ゲリラと森を行く』アルンダティ・ロイ、『崩れゆく絆』チヌア・アチェベ、『マイ・シスター、シリアルキラー』オインカン・ブレイスウェイト他多数

●『ぼくらが漁師だったころ』書評

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