SFM特集:コロナ禍のいま⑩ 津原泰水「SARS-CoV-2の物語」
新型コロナウイルスが感染を拡大している情勢を鑑み、史上初めて、刊行を延期したSFマガジン6月号。同号に掲載予定だった、SF作家によるエッセイ特集「コロナ禍のいま」をnoteにて先行公開いたします。最終日の本日は、藤井太洋さん、津原泰水さんのエッセイを公開します。
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菊頭蝙蝠(キクガシラコウモリ)の細胞を住処にしていた或る構造体が人体という新天地を見出した、というのが僕が数週間に亘って信じていた新型コロナウイルスことSARS-CoV-2物語の序章だが、情報検索