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【3/21発売】第2回日本の学生が選ぶゴンクール賞受賞作『姉妹のように』(クロエ・コルマン/岩津航訳)

フランスで最も権威のある文学賞の一つであり、1903年に設立されたゴンクール賞。この賞と並び、フランスでは「高校生が選ぶゴンクール賞」も開催されている。学生がゴンクール賞の候補作を読み、独自に受賞作を選ぶ──という取り組みだ。この動きは世界に広がっており、日本でも「日本の学生が選ぶゴンクール賞」が2021年に設立された。学生(大学生、大学院生、高校生)50名以上がフランス語でゴンクール賞の候補作を読んだ上で、独自に受賞作を選んでいる。

その第1回の受賞作『うけいれるには』(クララ・デュポン・モノ著)に続き、第2回の受賞作『姉妹のように』を早川書房より刊行します。

装幀:大久保伸子

◆あらすじ


1942年、ドイツ占領下フランス。
小さな田舎町モンタルジにも、ユダヤ人一斉検挙の波が押し寄せていた。

同じ町に住むコルマン三姉妹とカミンスキ三姉妹が
本当の姉妹のように仲を深めたのは、両親を検挙された後だった。
その友情は、何年も続いていく”時の宮殿”のように思われた。
この先に強制収容所が待っているとは、
彼女たちには想像できなかったから──

写真、おままごと道具、生き残った者たちの証言。
残された物や記憶から、現代を生きる著者が、
姉妹たちの人生の物語を描き出す。

◆日本の学生が選ぶゴンクール賞とは


在日フランス大使館が主宰となり、2021年から日本で始まった。50名を超える、全国のフランス語やフランス文学を学ぶ主に大学生や大学院生が集まり、討論を重ね、ゴンクール賞最終候補作の中から自分たちが最も良いと思う作品を選ぶ文学賞。クララ・デュポン・モノ『うけいれるには』が第一回の受賞作に輝いた。

▽第1回受賞作『うけいれるには』について

◆『姉妹のように』に寄せられた声


忘れ去られていた子供たちの声を拾い上げ、制圧された筆致で物語が紡がれていく。過去と現在が結びついた時、声なき記憶が心に届いたように感じた。──大阪大学、田中咲子さん

出会うことのなかった二組の三姉妹の運命。六本のか細い線は交錯し、絡み合う。時代の激流にかき消されそうになりながらも、他の線とつながり、それぞれの軌跡を描いていく。六本の線が紡ぐ物語を追走するあなたは、七本目の線として、どのような軌跡を描くのだろうか。──東北大学、堀 多寿来さん

戦争体験の当事者が亡くなっていく時代だからこそ、その記憶をどのように生きたものとして継承するかという課題は、日本の若い世代にとっても切実な意味があるのだろう。──「訳者あとがき」より

◆クロエ・コルマン(Cloé Korman)


© Bénédicte Roscot

1983年パリ生まれの作家。リヨンの高等師範学校を修了後、2年間の米国留学中に訪れた西海岸とメキシコでの旅の経験をもとにした小説"Les Hommes-couleurs(有色の人々)"で作家デビュー。リーヴル・アンテル賞、ヴァレリー・ラルボー賞を受賞した。2013年には、フランスにおける北アフリカ出身の移民とパリ郊外での暴力を描いた"Les Saisons de Louveplaine(ルーヴプレーヌの季節)"を発表。本作『姉妹のように』は4作目の長篇である。

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『姉妹のように』は早川書房より3月21日に発売予定です。


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