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早川書房の海外ミステリ、年間ベスト入り作品を総まとめ!

クリスマスも終わって2019年もいよいよあとわずか。年末休みを何を読んで過ごそうか思案中の読者の方々のために、各社で実施された本年の海外ミステリ・ランキングから、ベスト入りしたミステリの傑作群をまとめました。お気に入りの一冊を見つけられますように。(以下特記なき場合はいずれも海外部門)

『拳銃使いの娘』ジョーダン・ハーパー/鈴木恵訳

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★宝島社〈このミステリーがすごい!〉 第2位
★早川書房〈ミステリが読みたい!〉  第9位
★週刊文春〈ミステリーベスト10〉  第15位

【エドガー賞最優秀新人賞受賞】周囲から浮き、自分は金星から来たんだと思って日々をやりすごしている少女ポリー。その前に、刑務所帰りの実の父親ネイトが現われた。獄中で凶悪なギャング組織を敵に回したネイトには、妻子ともども処刑命令が出ており、家族を救うため釈放されるや駆けつけたのだった。だが時すでに遅くポリーの母親は殺されていた。逃亡する父娘に次々と襲い来るギャングや犯罪者たち。迎え撃つ戦いのなかで、ポリーは生き延びる術をネイトから学び、次第に目に生気を宿らせていく……人気TVシリーズのプロデューサー/脚本家が放つ鮮烈なデビュー作。

『ディオゲネス変奏曲』陳浩基/稲村文吾訳

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★早川書房〈ミステリが読みたい!〉  第3位

★原書房〈本格ミステリベスト10〉  第3位
★宝島社〈このミステリーがすごい!〉 第5位
★週刊文春〈ミステリーベスト10〉  第7位
『13・67』でミステリランキングを席捲した華文ミステリ作家の最新作! 雨の大学教室で、学生たちにまぎれこんだ謎の人物「X」を探す推理合戦のスリリングな顛末を描いた「見えないX」、台湾推理作家協会賞最終候補となった手に汗握るサスペンス「藍を見つめる藍」など17の傑作ミステリ短篇を収録。陳浩基デビュー10周年記念作品。

『ブルーバード、ブルーバード』アッティカ・ロック/高山真由美訳

ブルーバード

★早川書房〈ミステリが読みたい!〉  第5位
★宝島社〈このミステリーがすごい!〉 第12位
★週刊文春〈ミステリーベスト10〉  第16位

【エドガー賞最優秀長篇賞&英国推理作家協会賞スティール・ダガー賞&アンソニー賞最優秀長篇賞受賞】ハイウェイ沿いの田舎町で白人女性と黒人男性の死体が発見される。人種差別が根深く絡む事件に、黒人のテキサス・レンジャーが捜査に乗り出すが──。その衝撃的な内容が高く評価され、米書評界で絶賛され、三冠を達成した話題作。

『雪が白いとき、かつそのときに限り』陸秋槎/稲村文吾訳

雪が白いとき  

★原書房〈本格ミステリベスト10〉  第4位
★宝島社〈このミステリーがすごい!〉 第15位
冬の朝の学生寮で、少女が死体で発見された。白い雪に覆われた地面には足跡がなく、警察は自殺として処理する。5年後、生徒会長の馮露葵(ふう・ろき)は、寮委員の顧千千(こ・せんせん)の相談を受ける。いじめ騒動をきっかけに過去の事件の噂が校内に広がっているのだ。真相を探るべく、彼女は図書室司書の姚漱寒(よう・そうかん)と調査を始める。明らかになる、少女に関わった者たちの苦い過去。そんな折、新たな殺人事件が寮で発生する。しかもその現場は5年前と酷似した〝雪密室〟だった……冷徹なロジックと青春の痛みが織りなす華文本格ミステリの新境地。

『アイル・ビー・ゴーン』エイドリアン・マッキンティ/武藤陽生訳

アイルビーゴーン

★本の雑誌社〈おすすめ文庫王国〉海外ミステリー 第2位
元刑事のショーンに保安部(MI5)が依頼したのは、IRAの大物テロリストにしてショーンの旧友であるダーモットの捜索だった。復職を条件に依頼を引受けたショーンは任務の途中で、ダーモットの元妻の母に取引を迫られる。4年前の娘の死の謎を解けば、彼の居場所を教えるというのだ。だがその現場は完全な〝密室〟だった……オーストラリア推理作家協会賞受賞作の本格ミステリ。大型警察小説シリーズ第3弾!

『悪魔の赤い右手 殺し屋を殺せ2』クリス・ホルム/田口俊樹訳

悪魔の赤い右手

★本の雑誌社〈おすすめ文庫王国〉海外ミステリー 第10位
全米の犯罪組織を束ねる“評議会”に親友の命を奪われた殺し屋専門の殺し屋ヘンドリクス。復讐を誓った彼は、秘密のヴェールに包まれた“評議会”の悪党どもを追うが……。一方、サンフランシスコではゴールデンゲートブリッジを狙った大規模爆破テロが発生。阿鼻叫喚の現場では、死んだと思われていた“評議会”の元幹部「悪魔の赤い右手」の姿が目撃される――黒幕たちが跋扈する、波乱のシリーズ第二弾。

『その雪と血を』ジョー・ネスボ/鈴木恵訳

その雪と血を

★本の雑誌社〈おすすめ文庫王国2020〉本の雑誌が選ぶ文庫ベストテン 第4位
【翻訳ミステリー大賞&翻訳ミステリー読者賞受賞】1977年のクリスマス前夜。殺し屋のオーラヴは麻薬組織のボスから仕事を依頼され、準備に取りかかっている。淡々と、いつも通りに始末するつもりだった。標的である、ボスの妻をひと目見るまでは……愛に翻弄された彼の選択は、敵対する組織をも巻き込んでオスロの裏社会を大きく揺るがすこととなる。ノルウェーを代表するサスペンス作家がみずからの故郷を舞台に描く、美しくも凄惨なパルプ・ノワール。

『サイコセラピスト』アレックス・マイクリーディーズ/坂本あおい訳

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★〈Apple Best of 2019〉 ベスト海外ミステリー
★週刊文春〈ミステリーベスト10〉  第13位
抑圧的な父親のもとで育ち、苦しんだセオ。自分と似た境遇の人々を救いたいと願う彼は、心理療法士になった。順調にキャリアを重ねるうち、彼はずっと気になっていた六年前の殺人事件の犯人――夫を射殺した画家――を収容する施設の求人広告を目にする。事件以降ずっと沈黙している彼女の口を開かせることができるのは、僕しかいない。そう思ったセオは、彼女の担当に志願するが……。ニューヨーク・タイムズ・ベストセラー・リストに連続23週ランクイン。巧みなプロットと戦慄のラストに圧倒される傑作ミステリ!

『名探偵の密室』クリス・マクジョージ/不二淑子訳

名探偵の密室

★早川書房〈ミステリが読みたい!〉  第12位
★宝島社〈このミステリーがすごい!〉 第14位
偽りの"名探偵"に告ぐ――ホテルの1室に監禁された5人の中から3時間以内に殺人犯を当てろ、さもなくば爆破する。かつて少年探偵として名を馳せたモーガン・シェパードは、いまやリアリティ番組で活躍する"名探偵"として数々の事件を解決している。だがある日、目覚めると何故かホテルのベッドに手錠で繋がれていた。周囲には見知らぬ5人の男女が。外へ出る手段がない中、バスルームで謎の死体が発見される。すると突然、備え付けのTVに男が映り、5人の中から3時間以内に殺人犯を見つけなければホテルごと爆破すると告げた。狂気の殺人ゲームが始まる……驚愕の真相が待つ、ミステリの本場英国から新本格派への挑戦状。

『死者の国』ジャン=クリストフ・グランジェ/高野優・伊禮規与美訳

死者の国

★早川書房〈ミステリが読みたい!〉  第11位
★週刊文春〈ミステリーベスト10〉  第12位
★宝島社〈このミステリーがすごい!〉 第17位
パリの路地裏で、両頬を耳まで切り裂かれ、喉には石を詰められたストリッパーの死体が発見される。パリ警視庁警視のコルソはこの猟奇殺人の捜査を進めるが、ほどなく第二の犠牲者が出てしまう。被害者二人の共通点は、残忍な殺され方、同じ劇場で働いていたこと、そして元服役囚の画家ソビエスキと交際していたこと。この画家を容疑者と考え、追い詰めるコルソを待ち受けるのは、名画をめぐる血塗られた世界と想像を絶する真相だった…! 『クリムゾン・リバー』の巨匠が放つ戦慄のサスペンス!

『カルカッタの殺人』アビール・ムカジー/田村義進訳

カルカッタの殺人

★早川書房〈ミステリが読みたい!〉  第16位
★宝島社〈このミステリーがすごい!〉 第18位
【英国推理作家協会賞ヒストリカル・ダガー受賞作】1919年、英国統治下のカルカッタ。スコットランド・ヤードの敏腕警部ウィンダムは、第一次大戦従軍を経て妻を失い、倦み疲れてインド帝国警察に赴任した。右も左もわからぬ土地で頼みの綱は、理想に燃える若く優秀なインド人の新米部長刑事バネルジー。二人は英国人政府高官が何者かに惨殺された事件を捜査する。背後には暴動寸前の現地の憤懣と暗躍する諜報機関の影が……東洋の星と謳われた交易都市を舞台に、複雑な政情を孕む奥深い謎と立場を超えた友情が展開する、傑作歴史ミステリ

『種の起源』チョン・ユジョン/カン・バンファ訳

種の起源

★早川書房〈ミステリが読みたい!〉  第15位
25歳の法学部生ユジンはその朝血の匂いで目覚めた。すぐに外泊中の義兄から電話があり「夜中に母のジウォンから着信があったようだが、家の様子は大丈夫か?」と尋ねられる。自分が全身血だらけなのに気づいたユジンは床の赤い足跡をたどり、階段の下に広がる血の池に母の死体を発見する…時々発作で記憶障害が起きる彼には前夜の記憶がない。母が自分の名前を呼ぶ声だけはかすかに覚えているが…母を殺したのは自分なのか?己の記憶をたどり真実を探る緊迫の三日間。韓国ベストセラー作家のサイコミステリ。

『三体』劉慈欣/ 立原透耶監修/大森望・光吉さくら・ワン・チャイ訳

三体

★週刊文春〈ミステリーベスト10〉  第4位
【ヒューゴー賞受賞作】 物理学者の父を文化大革命で惨殺され、人類に絶望した中国人エリート女性科学者・葉文潔(イエ・ウェンジエ)。失意の日々を過ごす彼女は、ある日、巨大パラボラアンテナを備える謎めいた軍事基地にスカウトされる。そこでは、人類の運命を左右するかもしれないプロジェクトが、極秘裏に進行していた。数十年後。ナノテク素材の研究者・汪淼(ワン・ミャオ)は、ある会議に招集され、世界的な科学者が次々に自殺している事実を告げられる。その陰に見え隠れする学術団体〈科学フロンティア〉への潜入を引き受けた彼を、科学的にありえない怪現象〈ゴースト・カウントダウン〉が襲う。そして汪淼が入り込む、三つの太陽を持つ異星を舞台にしたVRゲーム『三体』の驚くべき真実とは? 現代中国最大のヒット作。

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早川書房2018-2019海外ミステリ総ざらいPart1

早川書房2018-2019海外ミステリ総ざらいPart2


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