ウルフ逝去

ジーン・ウルフ氏逝去

2019年4月14日、『新しい太陽の書』『ケルベロス第五の首』『書架の探偵』などで知られるSF作家のジーン・ウルフ氏が逝去しました。享年87。

ジーン・ウルフは、1931年5月7日、ニューヨークのブルックリン生まれ。テキサスで育ち、テキサスA&M大学で学び、52年から54年まで徴兵されて韓国に駐屯。1956年にヒューストン大で機械工学の学士号を取得した。
56年から72年までP&Gのプロジェクトエンジニアとして勤務したのち、〈プラント・エンジニアリング〉の編集者となり、そののちフルタイムの作家となった。

デビュー作は短篇“The Dead Man”(1965)。70年代にはオリジナル・アンソロジー・シリーズ〈オービット〉を中心に、「デス博士の島その他の物語」(1970)、「ケルベロス第五の首」(1972)、「アメリカの七夜」(1978)といった物語を発表。技巧を凝らした、豊穣にして難解な作風で知られ、「アイランド博士の死」(1973)でネビュラ賞を受賞。1980年より刊行が開始された四部作〈新しい太陽の書〉は、世界幻想文学大賞、ネビュラ賞、ローカス賞など各賞を受賞し、SF/ファンタジイ史上最高のシリーズと評されている。

1996年に世界幻想文学大賞の生涯功労賞を受賞。2013年にはSFまたはファンタジイに対して多大な貢献を成し遂げた存命の作家に授与される、アメリカSFファンタジイ作家協会のデーモン・ナイト記念グランド・マスター賞を受賞した。

日本においてもその人気は高く、短篇集『デス博士の島その他の物語』にて『SFが読みたい!』が選ぶ「ベストSF2006」第1位を獲得。84歳のときに執筆し、遺作となった『書架の探偵』も高い評価を浴びた。
ほか、著作に『ピース』『ナイト』『ウィザード』など。

ここに、故人のご冥福をお祈りし、謹んでお知らせ申し上げます。

【ジーン・ウルフ主要著作】
《新しい太陽の書》
――『拷問者の影』『調停者の鉤爪』『警士の剣』『独裁者の城塞』『新しい太陽のウールス』
《ウィザード・ナイト》
――『ナイト Ⅰ』『ナイト Ⅱ』『ウィザード Ⅰ』『ウィザード Ⅱ』

『ケルベロス第五の首』
『デス博士の島その他の物語』
『ピース』
『ジーン・ウルフの記念日の本』
『書架の探偵』

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