【祝】2024年のノーベル経済学賞受賞!ダロン・アセモグル、ジェイムズ・A・ロビンソン、サイモン・ジョンソンの著作を一挙紹介
「社会制度が国家の繁栄に与える影響の研究」にて2024年のノーベル経済学賞を受賞した、ダロン・アセモグル、ジェイムズ・A・ロビンソン、サイモン・ジョンソン。
当社では、過去にアセモグル&ロビンソン『国家はなぜ衰退するのか』、『自由の命運』、アセモグル&ジョンソン『技術革新と不平等の1000年史』の三書を翻訳刊行しています。
今回の記事では、受賞理由とも関係の深いこれら三書をご紹介いたします。ダロン・アセモグルの多岐にわたる研究をベースに、世界各地の歴史事象と社会制度への深い洞察を通じて、格差の是正、貧困の解消、自由の保護を実現するための方策を提示し続けてきたこれら三書を、この機会に是非お手に取っていただけますと幸いです。
『国家はなぜ衰退するのか』
なぜ世界には豊かな国と貧しい国が存在するのか? 大論争を巻き起こした世界的ベストセラー
繁栄を極めたローマ帝国はなぜ滅びたのか? 産業革命がイングランドからはじまった理由とは? 共産主義が行き詰まりソ連が崩壊したのはなぜか? 韓国と北朝鮮の命運はいつから別れたのか? 近年各国で頻発する民衆デモの背景にあるものとは? なぜ世界には豊かな国と貧しい国が生まれるのか――人類史をひもとき、格差や貧困などが生じる要因とその解決策を示し、歴代のノーベル経済学賞受賞者から絶賛された21世紀の新古典。
『自由の命運』
豊富な歴史研究をもとに、自由の条件である「狭い回廊」のうちに留まるための方策を示す傑作
ポピュリズムの伸張や専制国家の台頭により、世界各地で脅かされている「自由」。この権利を勝ち取り、経済的な繁栄を成し遂げた国々が、人類史上まれなのはなぜか? 繁栄の前提条件となる個人の自由と安全は、強力な国家=「リヴァイアサン」なしにはあり得ない。しかし国家が強くなりすぎれば「専横のリヴァイアサン」(独裁国家)が生まれ、逆に弱すぎれば「不在のリヴァイアサン」(無政府状態)に堕してしまう。専横と不在のふたつのリヴァイアサンに挟まれた「狭い回廊」に入り、国家と社会のせめぎ合いをへて「足枷のリヴァイアサン」を生み出した国だけが、自由と繁栄を維持できるのだ。では、その道筋とは? 内戦下のシリアから、古代ギリシア、建国期のアメリカ合衆国、現代中国まで、古今東西の豊富な歴史研究をもとに、ますます貴重になりつつある自由を保ち、「狭い回廊」内に留まる方策を論じる。世界的ベストセラーとなった前著『国家はなぜ衰退するのか』をしのぐ傑作。
『技術革新と不平等の1000年史』
「進歩」こそが社会的不平等を増大させるという、人類史のパラドックスを解明する決定的著作
生産性を高める新しい機械や生産方法は新たな雇用を生み、私たちの賃金と生活水準を上昇させる――これが経済の理屈だが、現実の歴史はしばしばそれに反している。中世ヨーロッパにおける農法の改良は飛躍的な増産を実現したが、当時の人口の大半を占める農民にはほとんどなんの利益ももたらさなかった。船舶設計の進歩による大洋横断貿易で巨万の富を手にする者がいた一方で、数百万人もの奴隷がアフリカから輸出されていた。産業革命にともなう工場制度の導入で労働時間は延びたにもかかわらず、労働者の収入は約100年間上がらなかった。
なぜこのようなことが起きるのか? 圧倒的な考究により、「進歩」こそが社会的不平等を増大させるという、人類史のパラドックスを解明する。
本書解説と、プロローグの一部を特別公開中です!
【著者紹介】
ダロン・アセモグル
1967年生まれ、トルコ出身。経済学者。マサチューセッツ工科大学(MIT)インスティテュート・プロフェッサー。専門は政治経済学、経済発展、経済理論など多岐にわたる。2024年に「社会制度が国家の繁栄に与える影響の研究」でサイモン・ジョンソン、ジェイムズ・A・ロビンソンと共同でノーベル経済学賞を受賞。
ジェイムズ・A・ロビンソン
1960年生まれ、イギリス出身。シカゴ大学ハリス・スクール・オブ・パブリック・ポリシーのリチャード・L・ピアソン教授。専門は政治経済学と比較政治学、経済発展と政治発展。ラテンアメリカとアフリカの世界的研究者で、ボツワナ、モーリシャス、シエラレオネなどで研究を行なっている。
サイモン・ジョンソン
1963年生まれ、イギリス出身。経済学者。マサチューセッツ工科大学(MIT)スローン経営大学院ロナルド・A・カーツ教授。IMF元チーフエコノミスト。専門は金融経済学、政治経済学、経済発展論。著書に『国家対巨大銀行』(ジェームズ・クワックとの共著)など。