
【残酷なほどに幻想的で美しいポストヒューマンSF】犬怪寅日子『羊式型人間模擬機』書店員さん感想まとめ
独特の世界観に驚きの声多数! 第12回ハヤカワSFコンテスト大賞受賞作、犬怪寅日子『羊式型人間模擬機』が1/22(水)にいよいよ発売となります。
本欄では、ひと足先に本作を読んでくださった書店員さんからの熱い感想の数々を抜粋してご紹介します!

四六判上製 定価:1760円(税込)
犬怪寅日子
『羊式型人間模擬機』
■内容紹介
男性が死の間際に「御羊」に変身する一族に仕える「わたくし」は、その肉を捌き血族に食べさせることを生業としている。ついに大旦那が御羊になったある日、「わたくし」は儀式の準備を進めるが、一族の者たちは「御羊」に対して複雑な思いを抱いていた。かれらはなぜ、何代にもわたり血族の肉を食みつづけるのか。人間は/機械は、何のために存在するのか――第12回ハヤカワSFコンテスト大賞を受賞した異色の幻想SF。
■著者紹介
犬怪寅日子(いぬかい・とらひこ)……神奈川県小田原市出身。コミック『ガールズ・アット・ジ・エッジ』(MeDu COMICS)原作担当。本作で第12回ハヤカワSFコンテスト大賞を受賞し、デビュー。
◆書店員さんから熱い感想が続々!
男性が死の直前に羊化し、親族がその肉を食べるという衝撃の世界観!! 一族に仕えるアンドロイドの視点から見る、残された人々の緻密で複雑な心の機微が肌に伝わってくるようでした。残酷なほどに幻想的で美しいポストヒューマンSF。人間とアンドロイドの未来を示唆するような深い余韻が待っています。(紀伊國屋書店福岡本店・宗岡敦子さん)
ものすごい人間の罪深さ、尊厳を描いていて、人間の根幹にふれている。しかし、文章が軽やかで、重くない。あらためて、人間について深く考える機会をもらった。こうしたアプローチの仕方もあるのか、傑作だ。(ジュンク堂書店滋賀草津店・山中真理さん)
タイトルを見て「何だそれは……?」となってましたが、最後まで読んで納得しました。君が、羊式型人間模擬機だったのかと。(大垣書店イオンモールKYOTO店・村瀬萌夏さん)
耽読するとはこのこと。物語の雰囲気、世界観、登場人物たちの言葉のひとつひとつに浸れました。最高に好きです。(未来屋書店碑文谷店・福原夏菜美さん)
鳥肌立ちました。(未来屋書店新浦安店・中村江梨花さん)
なんて恐ろしく奇妙であたたかな物語だろう。さまざまな親愛のかたちに彩られた、一族の濃密な歴史にくらくらしました。(ジュンク堂書店藤沢店・鈴木沙織さん)
登場人物全員に惹かれました。語られるエピソード全てが美しく、目の前で見ているかのように想像できました。この読書体験そのものがSFみたいだ! 犬怪さんの文章すごい…! と興奮。スピンオフ作品を書いてほしい。(丸善髙島屋大阪店・宮﨑優花さん)
「アンドロイドと人間の関係性」の一種の完成形ではないだろうか、と思わせるラストが素晴らしかった。綿々と続く人間たちの血と命。アンドロイドから見る人間たちの抱える鬱屈、儚さ、優しさ。個性的な文体が瞬く間に物語へと誘い、気づいたときにはどっぷりと世界観に浸っていた。(田村書店吹田さんくす店・村上望美さん)