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早川書房が贈る1,000点超えの大規模セール「春のハヤカワ電子書籍祭」開催中!~担当者のオススメ偏愛作品【第3回:SF篇】

4月13日までKindle限定で開催中のセール「春のハヤカワ電子書籍祭」。1,000点を超える作品の中から少しでも選書の助けにと、担当者がオススメしたい作品を勝手にお届けします! 今回はSF篇。日本人作家篇を以前やったので、海外SFのオススメを(半ば勝手に)お届けします。 

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 まずはグレッグ・イーガンからいきましょう。ガチガチのハードSFで、なんとなく難しい……と思われがちなSF作家の代表格といってもいいイーガンですが、まったく理数的な素養がない(なんせ学生時代はひたすらに理数系科目から逃げていた)担当者はすごくイーガンが大好きです。内容をぜんぶしっかり把握できているかはわかりません(たぶんできていない)。でも、イーガンの作品はどれも普遍的な小説のおもしろさに満ちていて、ある意味ではすごく人間らしさを感じます。まだイーガンを読んだことがない、もしくは少し敬遠していたのなら、短篇集がオススメ。今回は『ビット・プレイヤー』をピックアップします。さらに収録作からひとつ選ぶなら、「孤児惑星」でしょうか。

 つづいてオースン・スコット・カード『無伴奏ソナタ』を。カードは《エンダー》シリーズや、『消えた少年たち(上・下)』など人気の高い作品が多いですが、今回はこの作品集を。特に表題作の「無伴奏ソナタ」がお気に入りです。幼くして音楽の才能を認められ、一切の人工音から隔絶された森の中で暮らす少年の一生が描かれるのですが、独特の雰囲気に圧倒され、夢中で読んだことを思い出します。2012年、2018年には演劇集団キャラメルボックスが舞台化しました(これもまた素敵な舞台でした)。この作品集には長篇『エンダーのゲーム』のもととなった短篇も収録されていますが、個人的なオススメは表題作、そして「憂鬱な遺伝子を身につけて」。

 ウィリアム・ギブスン『クローム襲撃』。いまさらオススメするのもどうかというくらい有名な作品ばかりあげていて少し気が引けてきましたが、あくまで担当者のオススメだということで我が身を奮い立たせることにします。ギブスンといえば「サイバーパンク」。とはいえ、実際にサイバーパンクが流行した時期にリアルタイムで触れたことがなかった自分は後追いでギブスンも読みました。一読し、まず思ったことはやっぱり新しい。テクノロジー描写はその賞味期限を感じるものも少なくない一方で、ギブスンの諸作は2020年のいま書かれてもおかしくないと思います。『ニューロマンサー』の原型である表題作、そして同作のヒロイン、モリイの若かりし日々を描く「記憶屋ジョニイ」(『JM』という名で映画化もされました)など読み応え十分です。個人的なオススメはブルース・スターリングとの共作「赤い星、冬の軌道」。

 つづいてはジョン・スコルジー『老人と宇宙』。宇宙、戦争、といったキーワードがそんなに得意じゃなかった担当者ですが、ヘミングウェイの「老人と海」を意識したと思しき日本語のタイトルが引っかかって手にとってみたのです(ちなみに原題はOld Man's War。「老人と海」の原題はThe Old Man and the Seaなので、原題からのもじりではないとおもいますが、すごく印象的でした)。そうしたらめちゃくちゃおもしろかった! ここでは第1作を紹介しますが、シリーズ全6作すべてが今回のセール対象です。

 フィリップ・K・ディックをなにか紹介したい……と思って、彼の短篇傑作選から『人間以前』を。表題作は12歳以上を「人間」としてみなし、それ「以前」の子どもたちは狩られてしまうディストピアを描いたもの。そのほか、「地図にない町」の新訳版や、『ユービック』と世界観を同じくする「宇宙の死者」など幻想系/子どもテーマの作品12篇を収録。個人的なオススメはアニメ『PSYCHO-PASS』シリーズに出てくるシビュラシステムとの関係も気になる異色作「シビュラの目」。

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ご自宅でゆっくりするには読書が不可欠。ぜひこの機会にいろいろとチェックしてみてください。

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