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全米170万部突破。現代アメリカ文学の新たな声『ひとりの双子』(ブリット・ベネット、友廣純訳)

アメリカの作家、ブリット・ベネット『ひとりの双子』(原題 The Vanishing Half)を2022年3月26日に刊行します。

本作はアメリカで2020年に刊行されると、またたく間に話題となった長篇小説です。
物語は、ある日、姉のまえから姿を消した妹の謎をめぐって展開します。妹の行方を追いかけるさまを、サスペンスと驚きと抒情たっぷりにつづる抜群のストーリーテリング。そして、双子の分断をひきおこした、人種・貧富・性差といった社会の束縛を描ききる手腕と鋭い切り口。
これらが合わさり、本書は170万部を突破する大ベストセラーとなりました。著者のブリット・ベネットは、現代アメリカで最も重要な若手作家のひとりと評価され、2021年にタイム誌の「次世代の100人」に選ばれています。

この話題作の翻訳を手がけるのは、本屋大賞翻訳小説部門第1位の『ザリガニの鳴くところ』の訳文が高く評価された友廣純氏です。

ひとりの双子』 ブリット・ベネット 友廣 純 訳
早川書房 3月26日発売
装画:カチナツミ 装幀:早川書房デザイン室

◉あらすじ

”自分らしくいるために嘘をついた。それは、許されない罪なのか”

アメリカ南部、肌の色の薄い黒人ばかりが住む小さな町。
自由をもとめて、16歳の双子は都会をめざした。より多くを望んだ姉のデジレーは、失意のうちに都会を離れ、みなが自分を知る故郷に帰った。
妹のステラは、その何年も前に、デジレーのもとから姿を消していた。いまは、誰も自分を知らない場所で、裕福に暮らしているという。白人になりすまして。

いつもいっしょだった、よく似た2人は、分断された世界に生きる。
だが、切れたように見えたつながりが、ふいに彼女たちの人生を揺さぶる。

人種、貧富、性差――社会の束縛のなかで懸命に生きる女性たちを描く長篇小説。

解説:新田啓子(立教大学教授)

◉著者紹介

(C)Emma Trim

ブリット・ベネット Brit Bennett
作家。南カリフォルニアで生まれ育つ。ミシガン大学にて修士号を取得。2016年、長篇小説The Mothersでデビュー。2020年、第二長篇となる本作を発表。ニューヨーク・タイムズ紙、サンデー・タイムズ紙のベストセラーリストに入り、全米図書賞等にノミネートされる。米国で170万部を突破し、30以上の言語での翻訳が決まっている。ジェイムズ・ボールドウィンやトニ・モリソンの系譜に連なる、最も重要な若手作家のひとりと評価される。2021年、タイム誌の「次世代の100人」に選ばれた。

◉訳者略歴

友廣 純(ともひろ・じゅん)
立教大学大学院文学研究科博士課程中退、英米文学翻訳家。訳書に『ザリガニの鳴くところ』ディーリア・オーエンズ、『タイタン・プロジェクト』『第二進化』A・G・リドル、『解剖迷宮』マシュー・グイン、『約束の道』ワイリー・キャッシュ(以上早川書房刊)他多数

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対立と分断に揺れ動くアメリカ社会からあらわれた、新たなヴォイス。ぜひ聴いてください。

ひとりの双子』( ブリット・ベネット 友廣 純 訳)は、早川書房より3月26日に発売します(紙・電子書籍同時発売)。

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