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彼女は最後に何を思い出すのか?ーートルコで今もっとも読まれる作家が描く、ひとつの生命の旅立ちの物語『レイラの最後の10分38秒』(エリフ・シャファク)

 2019年のブッカー賞の最終候補に選出された、トルコにルーツを持ついま注目の女性作家エリフ・シャファクの長篇小説『レイラの最後の10分38秒』(原題:10 minutes 38 seconds in This Strange World)を9月3日に早川書房より刊行いたします。

レイラの最後の10分38秒

 エリフ・シャファク/北田絵里子訳『レイラの最後の10分38秒

装画:千海博美/装幀:岡本歌織(next door design)

●書評

週刊新潮(9月25日)/書評(鴻巣友季子氏)
朝日新聞(10月24日)/書評(いとうせいこう氏)
日経新聞(11月7日)/書評(宮下遼氏)
フィガロ・ジャポン(2020年12月号) LIVRE

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●あらすじ

 1990年、トルコ。イスタンブルの路地裏のゴミ容器のなかで、一人の娼婦が息絶えようとしていた。テキーラ・レイラ。しかし、心臓の動きが止まった後も、意識は続いていた──10分38秒のあいだ。

 1947年、息子を欲しがっていた家庭に生まれ落ちた日。厳格な父のもとで育った幼少期。家出の末にたどり着いた娼館での日々。そして居場所のない街でみつけた"はみ出し者たち"との瞬間。時間の感覚が薄れていくなか、これまでの痛み、苦しみ、そして喜びが、溢れだす。

イスタンブルの多様性、歴史、猥雑さ、悲しさが組み込まれ、
モザイクキャンドルのような魅力を放つ小説。
目が離せないまま一気読みした
──中島京子(作家)

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●著者紹介

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エリフ・シャファク(Elif Shafak) 

©︎Zeynel Abidin

 1971年フランス、ストラスブールでトルコ人の両親の元に生まれる。外交官の母親の仕事の関係で海外を転々として育ち、作家を目指すようになる。大学では、国際関係の学士号、ジェンダー・女性学の修士号、政治学の博士号を取得。トルコ語と英語の両方で執筆するスタイルを持つ。女性・こども・LGBTQの人権擁護者としても精力的に活動し、2010年には、フランス文化省より芸術文化勲章を受勲、2019年には英国の王立文学協会員に選ばれている。TEDグローバルには2度登壇、2020年度のオーウェル賞の政治関連著作部門の審査員を担当するなど活躍の幅が広い作家である。現在は、夫とふたりの子供とともにロンドンに住んでいる。

TEDGlobal登壇の様子は、以下リンクよりご覧になることができます。

■「多様な考え方が持つ革命的な力」ーTEDGlobal(2017年9月)

●訳者紹介

 北田絵里子 1969年生まれ。英米文学翻訳家。関西学院大学文学部卒。訳書に『穴の町』ショーン・プレスコット、『荒野にて』ウィリー・ヴローティン、『夜が来ると』フィオナ・マクファーレン(以上早川書房刊)、『ソングライン』ブルース・チャトウィン(英治出版刊)他多数。

 

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