1年以内に100万ドルを用意しろって……！　駆け出しの女優ミアは、高級エスコートガールとして働くことになる。1月ごとに大金持ちの顧客のもとに派遣されるのだ。セックスは契約外、20万ドルのオプションになる。だけど、信じられない！　1月のお相手、マリブの豪邸住まいのウェスは、人気映画の若き脚本家で、すごくゴージャス。ミアを雇ったのは玉の輿狙いの女避け用だそうだけれど、彼と目を合わせただけでも体がほてってしまいそう……！

こんなゴージャスな彼ウェスを相手に、ミアはどうなってしまうのか!?　

電子書籍オリジナルのエロティック・ロマンス《カレンダーガール》シリーズ配信開始！

以下は、『カレンダーガール 1月――マリブの熱い夜』（オードリー・カーラン、長瀬美紀 訳）からの抜粋で、ミアが「1月の顧客」ウェスの家に到着した後の出来事です。

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「すてきだわ。ありがとう。ところで、どうしてわたしが雇われたのかそろそろ教えてくれない？」わたしはクローゼットから出てベッドに腰掛けた。

　ウェスは長身で大柄だけど、がっしりした体型ではない。身長は百八十センチ以上で贅肉はゼロ。ジムでウェートリフティングしている水泳選手のようなからだつきだ。

　彼はひとつ深呼吸して、椅子のひじ掛けにひじを置き、手をあごの下にやった。「ぼくの母だよ」それだけで説明になると思っているの？　わたしが眉を吊りあげると、彼は首を振った。「今後数週間で、ぼくが仕事上必要かつ個人的にも出席しなければならない催しがいくつかある。隣に女性を連れていれば、ぼくの関心を引こうとする社交家や玉の輿狙いの女性を遠ざけておける。そういうやからは、ぼくが必要な人脈づくりに集中するじゃまになる」

「つまりハゲタカにたいする盾が必要だということ？」わたしは笑って、脚を組み、ブーツを片方、続いてもう片方も脱いでしまった。

　ウェスはうなずき、わたしのつま先をじっと見つめた。笑いをこらえているみたいに口を押さえている。下を見て、その理由がわかった。

　ブーツの下はクリスマスの靴下だった。緑と赤の縞々模様のひざまでのハイソックスは、ファッション的には完全にアウトだ。それだけじゃない。このみっともない靴下を見られたということは、ミリー伯母さんのエスコートの心得を破ってしまったということにもなる。わたしは唇を噛んでちらっとウェスを見た。でも彼は、なんだかすごくうれしそうにニヤニヤしている。

　わたしは目を天井に向けて言った。「暗いところで着替えたから」

「そうだろうね」彼は笑った。「かわいいよ」

「かわいい？　エスコート的にはかわいいはぜんぜんダメ」わたしは彼をにらんだ。「かわいいって？　あいにくだけど、返金はできないから。あなたがさっき言ったとおり、わたしは二十四日間ここに住むのよ。返品は不可！」立ちあがって両手を腰にあてた。

　ウェスは椅子の背にもたれ、素足を足首のところで交差させた。わたしはそのとき、初めて彼の足をよく見た。指が長くほっそりして、完璧に手入れされている。上になっている足の甲に、いくつか砂粒がついている。さっきわたしが蹴飛ばして見えないところに押しやった欲望が、そろそろと顔をのぞかせて目の前の男性をじっくり観察していた。フェアじゃないわ。足までセクシーだなんて。

「そんなにむっとしないで、ミズ・ミア。ぼくは靴下がかわいいって言ったんだ、きみのことじゃない。きみはぼくが今まで会った女性のなかでも、どうしたらいいかわからないほど美人のひとりだよ。早く裸を見てみたい」彼は唇に官能的な笑みを浮かべ、その目は情熱で燃えるようだった。

　わたしはゆっくりと息を吸い、彼が立ちあがるのを見つめた。わたしたちは目を合わせたまま、相手の言葉の行間を読み、そのまま数分間が過ぎたように感じた。「ええと、その、わたしのことを、ここにいてもいいくらいの美人だと思ってくれてるならよかったわ。さっきも言ったとおり、わたしはあなたに一カ月雇われたんだから……でも……」さっきの彼の言葉がようやく頭に届いた。「ちょっと待って。わたしの裸が見たいって言った？」

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〈カレンダーガール〉シリーズ
オードリー・カーラン　　長瀬美紀 訳

『カレンダーガール 1月――マリブの熱い夜』
『カレンダーガール 2月――シアトルの恋のミューズ』
『カレンダーガール 3月――レストラン経営者の恋人』
『カレンダーガール 4月――あなたにストライク』
『カレンダーガール 5月――楽園ビーチでたくましい腕に抱かれて 』
『カレンダーガール 6月――政治家たちの誘惑のパーティーに潜入！』
『カレンダーガール 7月――ヒップホップ・スターと情熱のダンス 』
『カレンダーガール 8月――テキサスの石油王は生き別れの兄？ 』
『カレンダーガール 9月――今カレをさらわれ、元カレにせまられ……！ 』
『カレンダーガール 10月――ラブラブなわたし、ハリウッドのスターになる!?』
『カレンダーガール 11月――ニューヨークから世界に大告白』
『カレンダーガール 12月――ホワイト・クリスマスを愛に抱かれて』

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