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アメリカ人の著者が5年の歳月をかけ、日本語で書き上げた渾身の青春小説!

“あけび”というユニークな名前をつけられた少女が、たくさんのバッグとながーいストールを巻いたユニークすぎるおばあさんに出逢うことで起こる、ふしぎで優しくてせつないドラマ。
純粋でファンタジックな〈ガール・ミーツ・バッグレディ〉小説、『ばいばい、バッグレディ』の刊行です!!


主人公のあけびは書道に熱心で、自身が楷書体のように、凛々しくてまっすぐで前向きな女子高生。いつも詐欺にあっているお人好しの父親や、自分と同じようにユニークな名前を付けられた悩み多き同級生らぶゆたちと、普通に毎日をおくっていた。が、そこに嵐のように闖入してきたのが、バッグを大量に抱えた謎のおばあさん。
最初は疑念に満ち満ちた目で見ていたあけびですが……そのバッグレディがあけびの友だちの苦難を救い、あけびが長いあいだ抱えてきた親子の問題・葛藤を解決へと導いてくれるのです。
こんなふしぎなおばあさんが、ふいにやって来てくれたら――読後に心に爽やかな風が吹き抜ける感動作をどうぞお楽しみください。

内容紹介
私は自分の名前が大きらい! 「あけび」だなんて! 高校2年生の相川あけびは、自分に果物の名前をつけた非常識な父親に腹をたてていた。でもそれ以上に、自分を捨てて台湾で女優となり人気を得ている母親には、もっともっと大きな怒りを抱いていた。

いらだちながらも、書道の甲子園・国際高校生選抜書展に向かってがんばろうとしていたその矢先――父親がとんでもない災難を拾ってきた。

汚い袋やバッグをこれでもかと抱えたホームレスの老婆を、自宅マンションに連れてきたのだ。言葉づかいがばか丁寧なこの得体の知れないおばあさんが、父の恩人なんだって? 言葉巧みに騙されているだけじゃないの!?

バッグレディを追い出そうとあの手この手をつくすも、向こうの方が一枚上手で失敗におわる。あけびのいらだちが頂点に達しようとしたとき、バッグレディのいる部屋からふしぎな声が聞こえてきた。それは、いるはずのない子どもがキャッキャッと笑っているような声で……。

書影

『ばいばい、バッグレディ』マーニー・ジョレンビー著/単行本/2,530円(税込)/早川書房刊


著者紹介
1968年、アメリカ・ミネソタ州生まれ。カールトン大学で日本語を学び、4年生の時に南山大学へ留学。友人が勧めた『窓際のトットちゃん』(黒柳徹子・著)を皮切りに日本語で活字を読むようになり、松本清張、向田邦子、有吉佐和子、井上靖、手塚治虫を熟読。その後、ウィスコンシン大学で日本文学博士号を取得。日本の女子校で英語を教えたこともある。
現在、ミネソタ大学で日本語講師をしながら小説の執筆を続けている。最近の研究テーマは日本語の助詞で、漫画で助詞を擬人化したキャラクターを描くことなどを行なっている。


キャラクター1

↑マーニー氏が生み出した〈助詞キャラクターたち〉


英語で書かれた本もあえて日本語版を読んだり聞いたりするなど、日本語の作品に親しんでいる。
〈マーニー氏お気に入りの作品〉
■書籍〈ナポリの物語〉シリーズ エレナ・フェッランテ/飯田亮介・訳
「日本語で読むことで、イタリアの攻撃的で積極的な文化と日本の対立を避ける文化の違いに気づき、翻訳家がそれをどう言葉を選んで表現したか考えながら拝読し、二重の面白さを感じました」
■オーディオブック『クララとお日さま』カズオ・イシグロ /土屋政雄・訳
「近藤唯の声はとてもやさしくて、落ち着いていて、クララの切実な希望と、信仰の深さがよく伝わりました」
■オーディオブック『忘れられた巨人』カズオ・イシグロ /土屋政雄・訳
「石川悦子の声に、苦しむ老夫婦がいたわり合う深い愛情とやさしさと、厳しい環境に立ち向かう夫婦の勇敢さがよく伝わりました。二度拝聴しました」

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