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休日にロマンス電子書籍はいかが? 電子書籍オリジナルのエロティック・ロマンス『カレンダーガール 3月――レストラン経営者の恋人』の抜粋を無料公開

3月のあらすじ:三月のクライアントはイタリアン・レストラン〈ファサノズ〉チェーンのCEO、アンソニー・ファサノだった。〈ファサノズ〉はイタリア系移民だった彼の両親が始めた店で、今や全米一二〇〇店を数え、冷凍食品事業に乗りだすところだった。彼が家族からの“結婚しなさい攻撃”をかわすために、遠距離恋愛の恋人のふりをするのが私の役目だった――話題沸騰、人気エロティック・ロマンス・シリーズ第3弾!

電子書籍オリジナルのエロティック・ロマンス《カレンダーガール》シリーズ、好評配信中!

以下は、『カレンダーガール 3月――レストラン経営者の恋人』(オードリー・カーラン、長瀬美紀 訳)からのからの抜粋で、ヒロインのミアが「3月の顧客」アンソニーと出会いのシーンです。このもう一人の男性って、いったい……?。

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 そのとき、勢いよく流れる水音に気づいた。誰かがシャワーを浴びている。

 まずい。

 いちばん避けたい状況だ。新しい顧客が裸のときに会うなんて。旅行鞄の取っ手をぎゅっと握り、さっさと逃げようとしたとき、ドアが開いた。湯気の壁のなかに大きな影があらわれた。照明の光が彼の輪郭を縁どり、まるで映画の一シーンのような、この世ならぬ美しさだった。あまりの驚きに、その場に立ちどまってしまった。

 部屋に入ってきた顧客は、小さなタオルを腰に巻いているけど、今にも落ちそうだった。まばゆいばかりの引き締まった肉体から水滴がしたたる。喉がからからに渇き、心臓は鼓動をやめてしまったかのように感じた。それでもかまわなかった。その瞬間、その場で死んでもいいと思ってしまった。二十四年間生きてきて初めて完璧にすばらしい裸体を見られたのだから。

「すごい」あごまでよだれがたれていたかもしれない。ウェスとアレックの裸も特筆すべきものだった。じっさい、そのことについてよく手紙に書いた。ジネルはそれを読んでからだをほてらせていたはずだ。でもアンソニー・ファサーノは女の理解領域を超越している。彼はがっちりしていた。煉瓦の家のように。タオルの下からのぞく太ももは丸太のように太かった。お腹と胸にはまるでグラフを描いたように、正方形の腹筋、長方形の胸筋が並んでいる。それに腕……。あの腕にさわりたくて、気が変になりそう。あの腕で抱きしめてほしい。この二カ月間の悲しいことを忘れさせてほしい。

 アンソニーは黒髪をうしろになでつけていた。襟足から、今まで見たこともないほど広い肩に水がしたたり落ちる。セクシーな男の裸はけっこう見慣れているほうなのに。この人は全身筋肉だ。それもボディビルダーのように膨らませた筋肉にロープのような血管が浮きでているような感じではない。彼は特別だった。ボクサーだったことは知ってるし、ボクサーショーツをはいた写真も見たことがあるけど、実物はくらべものにならない本物だった。本物のなかの本物。手札が全部エースだったかのよう。

 わたしは唇を舐めて彼を見つめ、ベッドの足元に置かれたベンチにバッグを落とした。肉体の神はわたしの頭のてっぺんからつま先まで視線を走らせた。筋肉に覆われたたくましい肩をドア枠にもたせて、手に持っていたタオルを首に巻いた。それからあの腕を胸の前で組んだ。ああ、それはしてほしくなかったのに。感じやすいところがすぐにほてりはじめ、この完璧な男性美のせいで気を失わないために、意識してゆっくり呼吸しなくてはならなかった。

「パピ、ミアが到着した」それが、彼の美しい唇から最初にこぼれた言葉だった。

 待って……パピって?

 別の男性があらわれ、肉体神のウエストに腕を巻きつけた。

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〈カレンダーガール〉シリーズ
オードリー・カーラン  長瀬美紀 訳

『カレンダーガール 1月――マリブの熱い夜』
『カレンダーガール 2月――シアトルの恋のミューズ』
『カレンダーガール 3月――レストラン経営者の恋人』
『カレンダーガール 4月――あなたにストライク』
 以降続刊!

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