ウェイプスウィード文庫カバー_cmyk

瀬尾つかさ『ウェイプスウィード』④ 命が生まれて消える場所

7月5日(木)発売の瀬尾つかさ氏による海洋SF『ウェイプスウィード ヨルの惑星』。第1話の全文公開その4を公開します。(前回はこちら

 翌日。メンテナンスのためにふたたび潜水艇を浜に引き上げ、厳しい日差しに晒して乾かしていると、ヨルは大真面目な顔で「次はわたしが乗る」といい出した。
「前もいったはずだ。遊びじゃない」
「わたしなら大旋回の中でもナビを受けられる」
「どういうことだ。大旋回の間、海中の潜水艇にはなんの通信も届かなかったぞ」
「規格の問題」
 ヨルは自分の身体に埋め込まれた通信機のプロトコルについて語った。いまとなっては古い、少々特殊な通信方式だから、知識の館からの指示は潜水艇に積まれたコロニー製品では受信できない。しかしヨル自身の耳に埋め込まれた受信機なら、ウェイプスウィードを中継として受信できるのだと。
「ウェイプスウィードの内部に、その古い規格の中継基地を設置してあるのか」
 ケンガセンはヨルのそばに立つ本型ロボットに訊ねた。ドラは「少々お待ちください」と砂浜で仰向けに倒れた。ぱらぱらと本のページがめくられる。『ばあちゃん』のしわくちゃの顔が、本の真ん中のページに大写しとなった。
「昨日のデータは解析済みだよ。大旋回中の潮の動きを逐次計算して最適の進路を取れば、最深部からでも脱出可能だ」
 だがそれには、ヨルが操縦することが必須条件となるらしい。
「わたし、呑み込みは早い。ばあちゃんのサポートもある」
 ヨルは『ばあちゃん』と一緒になって、熱心に自分の必要性を説く。『ばあちゃん』の話によれば、この計画を立てたのはヨルだった。潜水艇を操ってウェイプスウィードの内部を自分の目で見てみたいのだと、幼い少女はいう。あの巨大な花が神さまでもなんでもない、ただの構造物なのだと確かめたいのだと。
 たしかに潜水艇の操縦は、彼女が覚えられないほど複雑というわけではない。
 とはいえ、とケンガセンは苦い顔になる。第一の問題は、プロジェクトの機械を現地住民に使用させるのは禁止事項であるということだ。もっともこれは、緊急避難といういいわけが立つかもしれない。
 もうひとつの方が本当の問題だった。すなわち大人としての矜持である。子どもに命がけの仕事をさせて自分は後ろでふんぞりかえっているというのは、彼の主義に反するのだ。つまりまあ、ちっぽけかつ、なけなしのプライドであった。
 悩んだ末、妥協案を提示する。
「潜水艇の中は狭いが、幸いにして多少の余分なスペースはある。きみくらいチビなら、余計にもうひとりくらい押し込めないことはない」
 酸素量はギリギリだが、よほど暴れたりしなければなんとかなるはずである。
「それでもいいなら、一緒に来るか」
 間髪いれず、ヨルはうなずいた。その様子に妙な必死さを感じて、ケンガセンは首をひねった。



 ケンガセンたちが次にこの島に戻る頃には、回収シャトルが降下しているはずだった。ケンガセンは潜水艇で回収した情報端末を持ってすぐシャトルに乗り込み、島を、そして地球を慌ただしく離れる。
「島は楽しいか」
 知識の館でケンガセンに与えられた一室の古風な壁かけ通信モニターごしに、浅黒い肌の青年がいった。アダラク・ホダラヤドラ。ケンガセンより三つ年上で、墜落したシャトルのパイロットだった男である。地球圏でも数少ない一Gコロニーの出身者で、なんでもかの地では名門の出らしい。自家用シャトルでコロニー内を飛びまわって大気圏内の操縦を覚えたというから、とんでもない金持ちもいたものだ。
「ああ、頼むからシャトルの中に入っても、おれの死体は見ないでくれよ」
 もとより今回の計画では潜水艇から離れるつもりはないから、これはブラックジョークである。とはいえ本人の死体がジョークのネタになるというのは、木星圏生まれにはどうにも慣れない。
 ケンガセンが苦い顔をすると、アダラクは皮肉に笑った。
「そんな顔をするな、こっちだってまだ少し、この身体に同期できていない気がするんだ。自分が自分じゃない気がするよ」
 なるほど彼としても、自分をネタにしたジョークでもいわなければやってられないのだ、と理解して、ケンガセンは素直に頭を下げた。アダラクは陽気な兄貴分だ。尊敬すべき人格者で、立派なパイロットである。三年前のミッションではうまくシャトルを操った。
 アダラクの専門は操縦ではない。学位は生物学だし、そもそもつい最近まで前回採集されたウェイプスウィードの一部をなんとか繁殖させようと頑張っていたのは彼自身なのである。最後の一株を枯らしてしまったことを心底、悔いていた。それだけに今回のミッションに賭ける想いは人一倍だっただろう。できれば自分の手でウェイプスウィードの断片を回収し、実験室に持ち帰りたかったはずである。
「教授もな、おまえのことが心配でしょうがないらしい。各所との調整はもう済んでるってのに、あちこちに口を出してきてうるさいったら仕方がない」
「あの教授がですか? ふたこと目には、邪魔だからあっちに行ってろ、って自分の研究しか考えてないような人ですよ」
「研究者なんて、みんなそんなもんだ。口に出すかどうかはともかくな」
 確かにそうかもしれないし、ケンガセンだって論文ととっくみあってるときはひとりで思考をコトコト煮込みたい。だけどそれをストレートに口にする輩とはいっしょくたにされたくない、という気持ちがあるのだ。
「単におれが戻ってこないと、教授の椅子が危ういからとか、そういう理由じゃないんですか」
「それは、まあ、あるかもしれん」
「そもそもおれ、そっちに椅子が残ってるんですかね」
「おまえが回収するデータ次第だな」
 これは本当に、なりふり構わずデータの回収を優先するしかないようだった。



 後がないケンガセンとヨルは、入念に準備を整えた。バッテリーは満タン。衛星から最新の地図データを更新し、天気予報をよく調べていちばん晴れた、大旋回が起こりにくいと思われる時間帯を割り出す。
 それでも綿密な計画が立てられるのはウェイプスウィードの外縁部までだ。白い花の内部に入ったらなにが起こるかわかったものではない。
「ばあちゃんがいってる。わたしが一緒なら、だいじょうぶだって」
 ヨルは自信満々だった。ウェイプスウィードの脅威をじかに味わったケンガセンとしては不安で仕方がないのだが……ここは大人として、鷹揚にうなずいてみせるしかないと覚悟を決める。
 だがヨルはそんな彼の顔をじっと見つめ、
「ケンガセン、不安でいっぱい」
 と看破してみせるのだった。
「そんなに顔に出るか、おれは」
「わかりやすい」
 子どもにそんなことをいわれては、立つ瀬がない。ケンガセンはやれやれとため息をつく。



 その日、海は静かだった。
 晴天だった。晴れの日がもっとも大旋回を起こしにくいといわれている。先日も少し雲が出て太陽が陰ったとき、大旋回が発生したのである。
 もっとも、雲ひとつない日に大旋回が発生した記録もある。最後は運だ。
 不安なのは、太陽風のせいか朝からコロニーとの連絡がつかないことくらいか。帰還までのスケジュールは事前に決まっているから、いまさら心配しても仕方がないのだが。
 ちょうど太陽が南中する時間に、ふたりを乗せた潜水艇は沈降した。
 ここまで潜水艇を曳航してきたボートは、すぐに船首を巡らせ、島に戻っていった。今回はナビのヨルがいるから、『ばあちゃん』を通じて必要ならいつでも呼び戻せる。
 深度三十メートルで沈降を止め、ウェイプスウィードの方角にまっすぐ船首を向けた。
 球形の船体が、すべるように動き出す。



 狭い内部でケンガセンの膝もとに座ったヨルは、計器の明かりだけでペンを走らせていた。使っているのは普段、彼女が持ち歩いている書籍型デバイスではなく、ずいぶん古いかたちの布状タブレットだ。
「ドラは留守番か」
「通信が不安定な場所、不都合。ドラのデータ、外部サーバーに保存。本来、島の外に出ることを想定されていない」
 なるほど、たとえ一時でも通信が切断された場合、使い物にならなくなるということか。
「メモ用だな」
 ヨルは首肯し、とんとん、とケンガセンの膝を叩く。彼女の態度に違和感を覚え、ケンガセンは上からメモを覗き込んだ。
『この機械は外部と未接続です。密談を望みます。よろしいでしょうか』
 そう書かれていた。

 ヨルはメモの上で饒舌だった。どうやら標準語は話し言葉より書き言葉の方が得意らしい。
 話題はウェイプスウィードに眠る母のことだった。ヨルは母が祖母に暗殺されたのではないかと疑っているらしい。三年前、ヨルの母は、知識の館をよく留守にしていた。時折、丘の上からウェイプスウィードの方角をじっと見つめて、険しい表情をしていたという。
 ただそれらは傍証にすぎない。すべてはヨルの思い込みの可能性もある。いや、その可能性の方がずっと高いだろう。ヨルは冷静にそう語る。
 それでも真実が知りたいのだ。母の死体はとっくにミセリウトに分解されてしまっているに違いない。それでもこの海域に赴けば、もしかしたら母の死の原因がわかるかもしれない。だから自分は同行を望んだのだと。
「ばあちゃんがいってる。周辺は静か。今日は安全」
 ヨルはタブレットから顔をあげ、口もとで笑った。わざわざ口に出したということは、『ばあちゃん』の監視があるとケンガセンに警告しているのだろう。だからこそ通信機能のないタブレットを持ち込んだのだと。ケンガセンは顔をしかめた。ウェイプスウィードにはなんらかの秘密があるのか。『ばあちゃん』は、いや、ポッドの『中』の連中はそれを知っているのか。
「ヨル、きみの村ではウェイプスウィードをどんな存在だと認識しているんだ」
「危険な場所」
「おれが訊きたいのは、そういうことじゃない。巨大で強力な存在はしばしば信仰対象になる。古代のひとびとは太陽や月を神と信じ崇めていた。それが自分たちに禍をもたらすものであった場合、恐れ敬うことで災厄を防ぐともいわれていた。こういう話、わかるか」
 膝もとに座りケンガセンを見上げるヨルの瞳に理解の色が灯った。ちいさくうなずき、「祟り神信仰は、ある」と答える。
「ウェイプスウィードは命が生まれる場所で、命が消える場所。大旋回はその転換という考えかた。ウェイプスウィードに島の平穏を祈願する祭りは三年に一度。今年はまもなく。三年前は母が、今回はわたしが……」
 いろいろ繋がったか。ウェイプスウィードを守り神、あるいは崇り神とする素朴な信仰の儀式の最中、ヨルの母は死んだのだ。
 さて、この会話を聞いている連中は、ケンガセンが純粋に民俗学的な興味を抱いているだけなのだと考えてくれるだろうか。
「この時期は忙しいんじゃないか。悪いな、おれの仕事につきあってもらって」
「構わない。準備は父さんが進めている。細かいことは、ばあちゃんたちが仕切っている。空のひとたちは、いっぱいの贈り物を約束した。これで村がだいぶ豊かになる。ばあちゃん、喜んでた」
 したたかだな。ケンガセンは苦笑いした。
「教授がどれだけ搾り取られたか知らんが、だったらなおさら、失敗できんな」
「わたしがいれば安全だって、ばあちゃんはいってる」
 ケンガセンはふと首をかしげた。安全なはずがない。先日の大旋回を体験したケンガセンにはわかる。あれは尋常な現象ではなかった。こんなちいさな潜水艇なのだ。ヨルという貴重な巫女を送り出す側は、本来、もっと警戒してもいいはずではないか。
「ばあちゃんがサポートする」
 はたしてヨルは平然としていた。ウェイプスウィードについては、どうやらケンガセンの知らないことがまだまだありそうだった。



 青緑色の絨毯を見下ろしながら、潜水艇は慎重に進んだ。
 やがて前方に純白の巨大な壁が見えてくる。
 ウェイプスウィードの本体ともいうべき、花びらの部分だった。近くで見るそれは強固な壁ではなく、菌類の密集したジャングルのようにも見えた。これまで、あの中に入って戻ってきた探査機はない。モニターを見つめていて、白い壁がわずかに震えたように見えた。まるでケンガセンを取り込もうというかのようなその脈動に、思わず身体が震えた。
 震えは膝もとのヨルに伝わったようで、少女は顔をあげて、だいじょうぶ、とばかりに微笑んだ。
「わかってるさ。あれは日常的な現象だ。そうだろ、ヨル」
「菌糸が海流で揺れている」
「それだけじゃない。エルグレナの光合成を助けるために、ミセリウトは常時、いったりきたりしているんだ。衛星写真のような巨視的なスケールだと、そんな動きはわからないだけだ」
「詳しい」
「そりゃ、いちおうはこれの研究で飯を食ってんだからな」
 その大学から支払われる給料も、下手したら今期限りかもしれないが。
「もうすぐ花びらの中に入る」
 計器をひととおり確認したヨルが、苦い顔をするケンガセンを不思議そうに見上げた。
「わたし、重い?」
「違う、気にするな」
「わかった、気にしない。ばあちゃんから進路の指示が来る。操縦、わたしがやる」
「あ、ああ。わかった、頼む。こっちがフォローにまわる」
 ヨルは操縦がうまかった。数度のシミュレーションでケンガセンに追いつき、いまでは彼女の方がよっぽど器用に潜水艇を操れるようになっている。彼女に任せることに些細なプライド以上の問題はない、はずだったのだが……。
 なにかが腑に落ちなかった。
 漠然とした不安を覚え、ケンガセンは前方のモニターを凝視する少女をちらりと見下ろした。



 百合の花の内部は、立体的な白い菌糸の迷路だった。蔓草のようにからまりあい、ゆらゆらと蠢くミセリウトの森に、球形の潜水艇はゆっくりと侵入していく。
 この菌糸こそがウェイプスウィードの中心であり、青緑色の絨毯も、エルグレナと呼ばれるミドリムシの変異体もミセリウトに栄養を与えるためにこそ存在するらしい。
 かわりにミセリウトがなにをしているのか。
 ミセリウトと呼ばれる菌糸は、共生相手からエネルギーをもらうだけでなく、自らも魚を捕まえ、溶かして食べてしまう。だがそうして得た過剰なエネルギーはどこに消えてしまうのだろう。
 それがウェイプスウィードにおける最大の疑問点だった。ミセリウトがなにかを行っているのは間違いない。百合の花びらの付け根であるウェイプスウィードの中心部が、かなりの熱量を持ち、しかもその熱量が不定期に変動しているのだ。
 熱量の原因はいったい何なのか。どんな化学反応がそこに存在するのか。上空からの調査でわかったのは、最深部においてその温度が数千度まで上昇するということだけだった。通常ではありえない温度である。しかも強靭な花弁はその熱の大半を吸収し、海中が煮えたぎることはない。オイルの燃焼に伴う廃棄物や核分裂反応に伴う放射線は見られなかった。
 試みにニュートリノの照射を行ったチームからは、百合の花の中心部を通過したニュートリノの軌道にわずかな変化が生じていたことを報告してきた。内部の重力に変化が生じているということなのか。にわかにいろめき立った各チームが再実験を行ったが、以後はなんの異常も観測されなかった。中心部の熱量が激しく変動していることと考え合わせると、なにかがこの中で起こっていることはたしかなのだが……。
 慎重の上にも慎重に行動する必要があった。ケンガセンは気を引き締めて、計器の変動を注視し続ける。
 はずなのだが、ヨルの操縦はなんとも大胆だった。上下左右、自在に潜水艇を操り、ミセリウトの森を悠々と通過していく。菌糸の複雑な運動を一瞬で見切り、格子状になった糸の隙間を次々とくぐり抜けていく。
 ウェイプスウィードの花の内部が脳の構造に似ている、と語る学者もいる。ウェイプスウィードが知性を持っているという派閥の人々だが、彼らはエルグレナがミセリウト内部で移動するありさまを図式化し、脳の電気信号との相似性を指摘した。
 ずいぶんと低速な思考活動もあったものだ、とケンガセンは思う。彼らの主張のすべてがナンセンスとはいわないが、実際にウェイプスウィードの内部に潜ってみれば、たちどころにわかる。この巨大な構造体は、素早い。わざわざ低速の疑似思考活動などに頼る必要がないほど、活発に活動している。
 もっとも、別のかたちで脳のシナプスを再現している可能性は依然として存在する。なによりケンガセンは、この構造体に入ってからますます強く、なにか異質な存在からの視線を意識していた。それはケンガセンを注意深く観察し、隙あらば取って食おうと……。
 いかん、いかん。ケンガセンは首を振った。これではオカルトだ。木星圏のおとぎ話を笑っていられない。
 船体各所の外部モニターから送られてくる映像をひとつひとつ確認する。潜水艇の側面で、全長二メートル近いおおきな魚が糸にからまれ、ミセリウトから分泌される溶液によって生きながら溶かされていた。反対側では嵐によって流されたとおぼしきおおきな木が、うようよと集った菌糸にまみれて上下に揺れていた。
 菌糸が粘りけをもち、しかもやたらと頑丈なことは、実験結果から判明している。この潜水艇だって、無数の糸にからめとられたら、エンジンの力だけで確実に逃げられるかどうかわかったものではない。
 ヨルだってそのことは承知しているはずなのだが、しかし彼女の操縦はよどみがない。ためらわない。
「ばあちゃんが教えてくれる」
 ぽかんと馬鹿みたいに口をあけていると、ヨルはそう呟いた。
「次の進路を教えてくれる。今度はこっちにいけばいいってわかる」
 いまやケンガセンの疑惑は確信に変わっていた。『ばあちゃん』たちは詳細なウェイプスウィード内部のデータを持っているのだ。その複雑な動きも、彼女たちの卓越した頭脳にかかれば一瞬にして解析されてしまうのである。
 いや、そんなことがありうるのか。ケンガセンは必死で考えた。彼らが大学で長年にわたって研究してきて、なおも未知の存在であるウェイプスウィードのことを、こんなにも容易に……。
「そろそろ」
 ヨルが呟き、操縦桿から手を離す。
「操縦、お願い」
 ケンガセンは慌てて、操作を引き継いだ。
「なんだ、いきなり」
「このあたりにシャトルが墜ちた」
 ヨルは横のパネルを操作し、器用に潜水艇下部のライトを動かして見せた。強力な明かりを浴びても菌糸は身動きしない。彼らには光を認識する感覚器官がないのだ。あまり採光できない深部には、エルグレナも少ない。
「発見」
 ヨルが呟く。潜水艇の下部ライトが、青緑色の海草に半分突き刺さった格好の、流線型の構造物を照らし出した。

その5へ続く

『ウェイプスウィード ヨルの惑星』
瀬尾つかさ/ハヤカワ文庫JA
イラスト:植田亮

みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!