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【6月3日予約締切!】映画「ブレードランナー2049」公式ビジュアルブック こだわりの印刷所レポート

原書と日本版の印刷の差は
人間とレプリカントの差に相応する――
つまり〝どっちがニセモノか”じゃないんだ

『アート・アンド・ソウル・オブ・ブレードランナー2049』は、アカデミー賞2部門受賞の映画「ブレードランナー2049」の最も詳しい製作記録! 映画製作の現場を膨大な写真とインタビューで伝える決定版であり、写真が命の本書の仕上がりは、印刷の品質が最大のカギとなる。
予約締切迫るなか、埼玉県朝霞市の某名門印刷所にて、印刷のクオリティアップのため実際に本番の際に使用する機械で試し刷りを行った。
ベテラン印刷マンたちによるトライ&エラーの現場を紹介する。
繊細な色味の仕上がりに期待せよ。

元データはクリアなのだが、原書の印刷はコントラストを強調する方向に仕上げているので暗い部分が判別できない。はたして、日本版もそれでいいのか?

菊全の紙を印刷する巨大なUVインク使用印刷機。赤い光の奥に青く光る紫外線(UV)ライトがあり、紙がそこを通過した瞬間にインクが乾く。

版面のインク圧を部分ごとに精密にコントロールしていく。1枚1枚が刷り上がった直後に印刷機内を通過するのを常時カメラが捉え、不良品を見逃さない。

海外と日本の印刷環境の違い

日本を代表するあの国語辞典のカバーと箱や、誰もが絵柄を覚えている女の子がはじめておつかいをする絵本など、ロングセラー書籍を長年手掛けてきた老舗印刷所にて、5月29日に『アート・アンド・ソウル・オブ・ブレードランナー2049』の本機色校正が行われた。

外国の書籍の日本版を製作するのはとても困難。海外の印刷機やインクの発色を前提にして、そこから仕上がりを逆算して作られた印刷データになっているため、そのデータをそのまま日本で出力すると全然別のものが仕上がってしまう。

日本版の印刷コンセプトは?

原書をよく見てみると、海外から届いた印刷データに比べて、出来上がった原書はよりコントラストが強めに刷られており、データよりも明るいところはより明るく、暗いところはより暗く、メリハリがついた力強い方向に仕上がっている。そのため、暗い部分はかなり潰れていて判別しずらい部分も多い。

原書の強力なコントラストの印刷をそのまま日本で再現するのは不可能だし、それを目指すのは、はっきり言って〝もったいない”。なので我々の製版・印刷技術をフルに駆使し、ある程度濃淡のメリハリを保ちながらも、細部まで情報量を失わせない方向で仕上げることとした。
これで、原書とはひと味違うコンセプトのビジュアルブックとなったのである。実際に手に取って、その仕上がりを確認して欲しい。

本書の予約締切日は6月3日。

下記ネット書店をはじめ、お近くの書店にてご予約いただけます。

・amazonはこちら
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・セブンネットショッピングはこちら

「ブレードランナー2049」の世界を余すことなく堪能できるファン必携のビジュアルブックを、ぜひご予約ください!

※書影はアマゾンにリンクしています。

【目次】
序文:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
第1章 長い道のり——『ブレードランナー』へ遡る
第2章 野蛮と混沌——『ブレードランナー2049』の世界を形づくる要素
第3章 過去の残響——グレープバイン
第4章 光と影——ロサンジェルス市街
第5章 メビウス21——Kが住む大型集合住宅
第6章 法と無秩序——ロサンジェルス警察
第7章 盲目的な野心——ウォレス・コーポレーション
第8章 分解工学——レプリカント技術をリバースエンジニアリングする
第9章 郊外
第10章 砂漠
第11章 海

【内容物構成】
◯書籍
・書籍本体、スリーブケース(筒状の箱)
◯小冊子「SFマガジン ブレードランナー2049特別版」(4色×16p)
・「ブレードランナー2049」論 添野知生
・対談再録 冲方丁×虚淵玄(司会:塩澤快浩)ほか
◯アートプリント(A4サイズ)2枚
・加藤直之描き下ろしイラスト
・土井宏明(『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』カバーアート

【書誌情報】
書名:アート・アンド・ソウル・オブ・ブレードランナー2049
著者:タニア・ラポイント/序文:ドゥニ・ヴィルヌーヴ 訳者:中原尚哉 翻訳監修:添野知生
ページ数:224ページ(フルカラー) 版型:B4判変型上製(横31.8cm×横25cm)
本体価格:13,000円  ISBN :9784152097798 出版社:早川書房
予約締切日:6月3日 ※ご予約はお近くの書店、ネット書店にて。
発売日:7月26日

【著者について】
著者:タニア・ラポイント
タニア・ラポイントは、カナダのテレビ局、カナダ放送協会でインタビュアー、テレビホストとして15年間活躍、国際的エンターテインメントのニュースを伝え、アカデミー賞やカンヌ映画祭のようなイベントを報じる。またドキュメンタリー映画の脚本、監督、プロデューサーもつとめる。夫は「ブレードランナー2049」監督のドゥニ・ヴィルヌーヴ。2年にわたり、「ブレードランナー2049」の製作現場の取材を行い、2017年、初の著書となる本書を発表した。

序文:ドゥニ・ヴィルヌーヴ(「ブレードランナー2049」監督)
ドゥニ・ヴィルヌーヴは、カナダ出身の映画監督。2000年の長篇第2作「渦」が地元カナダのジニー賞を受賞して注目を集める。2010年の「灼熱の魂」はアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされ、ハリウッドでも期待のクリエイターとして脚光を浴びる。その後、「プリズナーズ」「ボーダーライン」などの作品を経て、2016年SF作家テッド・チャンの作品を映画化した「メッセージ」でアカデミー賞作品賞ノミネートほか、多くの映画賞で喝采を浴びた。現在、ハリウッドで今後の活躍が最も期待されるクリエイターの一人である。

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