【子ども読者の感想】「僕の推理が当たった!」「犯人を考えるのもわすれちゃうくらい楽しんだ!」クリスティーの楽しみ方いろいろ(ハヤカワ・ジュニア・ミステリ)
4月25日に発売した『名探偵ポアロ メソポタミヤの殺人』(小尾芙佐訳)と『ミス・マープルの名推理 パディントン発4時50分』(田村義進訳)に感想が届きました。
前回に引き続き、子ども読者の生き生きとした感想の一部をご紹介いたします!
※今回の感想には一部ネタバレが含まれます。未読の方はご注意ください。
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『名探偵ポアロ メソポタミヤの殺人』
窓からのぞく不気味な顔に、保管室にちらつくあやしい光。死んだはずの男から届く恐ろしい手紙……。古代文明の遺跡をしらべるチームのまわりで次々起きる事件にポアロが挑みます。事件に巻き込まれた看護師、エイミー・レザランの報告書という形で物語が語られてゆきます。
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◎小学5年/男子
今回の『名探偵ポアロ メソポタミヤの殺人』は前回の『オリエント急行の殺人』よりも少し内容が複ざつで、読み終わるまでに時間がかかってしまいました。
この本を読んでびっくりしたのが、この文章はすべてエイミー・レザランの書いたものという設定だったことです。
(エミリーは)「ポアロに犯人をつかまえられるのか?」とまで書いていたので、さすがにひどすぎると心の中で笑ってしまいました。
◎小学6年/女子
前回の『オリエント急行の殺人』がおもしろくて、めちゃくちゃ楽しみにしていましたが、予想以上におもしろかったです!
『オリエント急行の殺人』より『メソポタミヤの殺人』の方が私の好みでした……!!
私はある一人の人物がナレーション役をやる、一人称の物語が好きなんですが、それを推理小説でやるっていうのが新鮮でおもしろかったです!
次の作品も読んでみたいです!
『ミス・マープルの名推理 パディントン発4時50分』
走る汽車の中で女の首を絞める男を見たと相談を受けたミス・マープル。調査を進めるうちに、あるお屋敷にたどり着きます。しかし、死体はなかなか見つからず、死人の正体もわかりません。汽車の中で起きた殺人事件は見間違いか、それとも――?
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◎小学6年/女子
もうトリックから何から全部おもしろかったです!!!!
まず、登場するキャラが全部個性的で楽しいし、この作品はもう犯人を考えるとか頭になく普通に小説として楽しみました(笑)
あの人結構怪しいかな、なんてちらっと思ったらその人が死んじゃったり(;`・ω・)
まるで人狼ゲームのようでした。。。
私が読んだ名作の中でも指折りのお気に入り作品になりそうです♪
◎小学5年男子
特にびっくりしたのは、●●がすがたを表したところです。
今までの話の流れですっかり●●が被害者だと思っていたので、おどろいてしまいました。
僕の推理が当たって嬉しかったところもあります。
■■にあるものが届いたとき、僕は■■が殺されると思ったのです。
そして次のページをめくってみると、なんと■■が殺されたとかいてあるではないですか!
すごくびっくりしてしまい、心の中でやったと思ってしまいました。
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『名探偵ポアロ メソポタミヤの殺人』には、物語の語り方に関する感想が寄せられました。
小説には、視点人物が物語を進めていく一人称や、第三者の視点で物語が進んでゆく三人称といった書き方がありますが、子ども読者のみなさんが作品の内容だけでなく語り方にも注目してくださっていたことにびっくり!
ハイレベルな楽しみ方をしてくださって、嬉しいです。
「エミリーのポアロへ対する評価がひどくて笑ってしまった」というのも、エミリーが語り、彼女の内心が生き生きと描かれる本作ならではの感想ですね!
『ミス・マープルの名推理 パディントン発4時50分』は、お手紙をくれたおふたりは正反対の楽しみ方をしてくれました。
キャラクターの魅力にどっぷりはまって自分で推理をするのも忘れてぐいぐい読むもよし、ミス・マープルに挑むがごとく目を皿のようにして推理するもよし、どれもすてきな楽しみかたです!
人が殺されて「やった!」と思ってしまったというのは、推理しながら読んでいるからこそのエピソードですね。
ミス・マープルの名推理シリーズは、6月26日に新しく『予告殺人』が発売します。
こちらもぜひ、ご自分にあった楽しみ方をしてみてください!
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