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法による正義は壊れたか?『正義の行方ーーニューヨーク連邦検事が見た罪と罰』

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株式会社早川書房は2020年3月18日(水)、プリート・バララ『正義の行方ーーニューヨーク連邦検事が見た罪と罰』(原題Doing Justice: A Prosecutor's Thoughts on Crime, Punishment, and the Rule of Law) を刊行します。

本書は、司法権の独立を守るためトランプ大統領と闘い、罷免された元敏腕検事プリート・バララによる回顧録です。《ニューヨーク・タイムズ・ベストセラー》にリスト入りするなど、大きな話題を呼んでいます。

著者プリート・バララは、2017年にトランプ大統領に罷免されるまで、連邦検事としてインサイダー取引、麻薬取引、武器売買、ギャング・組織犯罪、サイバー犯罪、マネーロンダリングなど、ニューヨーク州における刑事・民事事件の捜査・訴訟において指揮をとってきました。

経済格差や、都市と地方の間で分断がひろがる、今日の社会でみられるリアル人間模様から生まれた、いまこそ読むべき傑作ノンフィクションです。

■推薦のことば

どこの国でも検事の仕事は「正義をまっとうすること」
いま日本で、この提言はどう受け止められるのか 
――郷原信郎氏(元・東京地検検事)

著者は法律家、さらには作家として、法廷での闘いの日々を素晴らしい物語に昇華させた。繊細にならざるをえない倫理上の問題や、手厳しい政治批判を交えながら、法廷の最前線でみられる人間ドラマを追体験できる生き生きとした回顧録だ
――ジェフリー・トゥービン(作家・『AMERICAN HEIRESS』著者)

本書を通して、法廷で追究されている正義を自身に引き寄せて考える機会をもつことができれば、日常生活において正しいことを選択していくための貴重な示唆が得られるだろう
――ワシントンポスト

■おもな内容

〈調 査 編                                                                                  あいまいな真実(アメリカンドリームを体現した家族を突然襲った悲劇)/ 物事は見た目どおりとはかぎらない(名うてのバンカーやFBI捜査官さえもだまされた希代の詐欺師の手口)/模範的な捜査官たち(組織犯罪の裏のウラまで知りつくしたベテラン捜査官に学ぶプロフェッショナリズム)/確証バイアスの落とし穴(科学捜査が発達した今でも誤認逮捕がなくならない理由)/尋問の原則(相手のどこかに必ず話したくなるスイッチがある)  

〈告 発 編 
正義のプロセスのための機構(正義の執行のための環境づくりとは?)/     そんなことは許さない(妄想と犯罪の狭間で)/あきらめる(不起訴を選択する勇気)/ボリウッド(インドでは悪役、トルコではヒーロー!?)

〈審 判 編 
被害者の主張(問題を抱えた被害者への配慮)/裁判官(裁判官は法廷の王か? 囚われの身か? )/裁判(結果だけでなく、成立する過程を示すことが「正義」)  /評決(予想のつかない結果こそが民主主義の証)

〈刑 罰 編
赤ん坊のカーリナ(犯罪の背景まで加味すべきケースとは?)/蠅の王(荒れる刑務所で功を奏した意外な解決策)/正義の向こう側(死刑囚の心を打った被害者からの贈りもの)

■著者紹介 
プリート・バララ(Preet Bharara)
アメリカの元連邦検事、弁護士。弁護士事務所勤務、C・シューマー上院議員の首席法律顧問を経て、2000年にニューヨーク南部地区検察局(SDNY)の連邦検事補に任官。2009年オバマ大統領によって同局トップの連邦検事に任命され、2017年までその職にあった。組織犯罪や金融犯罪といったニューヨーク州における多くの刑事・民事事件の捜査・訴訟を指揮。2017年よりニューヨーク大学ロースクールの特別招聘教授。ハーバード大学卒業、コロンビア大学ロースクール修了。現在、ポッドキャストで時事問題から司法制度までわかりやすく解説し高い人気を誇る。120万人を超えるフォロワーのTwitterアカウントは@PreetBharara。

■訳者略歴
濱田大道(はまだ・ひろみち)
翻訳家。ロンドン大学・東洋アフリカ学院(SOAS)タイ語および韓国語学科卒業、同大学院タイ文学専攻修了。訳書にハワード『詐欺師をはめろ』、ロイド・パリー『津波の霊たち』、リーバンクス『羊飼いの暮らし』(以上早川書房刊)など。

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正義の行方ーーニューヨーク連邦検事が見た罪と罰
著=プリート・バララ
訳=濱田大道
四六判上製/本体2900円+税/360頁
2020年3月18日(水)発売

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