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西加奈子氏、推薦。小説『消失の惑星』(ジュリア・フィリップス)に引き込まれる読者、続々。

2019年、デビュー作にして、全米図書賞と全米批評家協会賞の最終候補作に選ばれた、文芸作品『消失の惑星(ほし)』(ジュリア・フィリップス著、原題Disappearing Earth)。

毎年末に発表される最注目作品リストでは《ニューヨーク・タイムズ》誌はじめ、25の媒体・施設で選出され、どこにでも登場するといった印象でした。23の言語で翻訳が決まっており、本作の舞台となるロシアを含む世界各地で高く評価されています。

そして、2021年2月17日に早川書房から日本版を刊行します。

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消失の惑星【ほし】
ジュリア・フィリップス 井上 里訳

◎あらすじ

8月のある午後、ロシア東部のカムチャツカ半島の街で、幼い姉妹が行方不明になった。警察の捜査は難航し、事故か誘拐かもわからぬまま時ばかりが過ぎる。失踪事件は、半島中の女性たちに影を落としてゆく。

姉妹の母親、2人を最後に目撃した研究者、心配性の恋人に監視される大学生、自身も失踪した娘をもつ先住民族の母親……ばらばらに生きてきた12人の女性の言葉がつながるとき、事件はふたたび動き出す。

カムチャツカの美しい情景と、そこに生きる人々の痛みと希望を描く本作は、読んでいると、自分やよく知るまわりの人々が思い浮かんできます。
日本版にも早くも賛辞が届いています。

西 加奈子さん[作家]

「喪失の悲しみは計り知れない。だが、喪失から再生しようともがく人間は美しい」

山中真理さん[ジュンク堂書店滋賀草津店]

「私は何を見て、何を体験したのだろう。この不穏な空気の中を生きる人々は特別な人ではない、私たちかもしれない」

山田恵理子さん[うさぎや矢板店]

「クライマックスに、揺さぶられ、胸が張り裂けそうになる」

石坂華月さん[未来屋書店大日店]

「すぐそばにいる人を愛するのは、どうしてこうも難しいのだろう」

ふみさん

「どの女性たちにも不思議と身近に思えるところがある。彼女たちのどこかに、少女だった頃の私、将来の私の姿を見ているからだろうか。彼女たちの悲しみと願い。共通点に気づいたとき、希望が見えはじめる。私たちはひとりではない」

タカラ~ムさん

「姉妹の失踪事件をきっかけにして、さまざまな人たちの人生があぶり出されていく。事件が起きたことで自らの生い立ちや人間関係などを見つめ直し、自分が置かれている今を問い直していく女性たちの姿は、あるときは共感を呼び、あるときは反感を覚え、でも最後は理解できる。その構成が見事」

永田希さん

「根強い差別のなかで暮らしていく困難や、愛する者を失ってから生きることの苦しさの描き方は、フィクションなのに他人事ではないリアリティがありハラハラさせられました。これからも折に触れて繰り返し思い出すことになる印象的な作品」

かもめ通信さん

「登場人物それぞれに物語があって、そのどれもが読み応えがあると同時に余白がある。『自分の人生の中では誰もが皆主人公なんだよな…』などと考えながら、それぞれの人生に思いをはせる時間も楽しかった」

井上 舞さん

「情景や感情の動きを丹念に描く、たたみかけるような言葉のリズムが印象的でした。人と人、それぞれの思いがつながって真相へと向かうラストがよかった」

絵ノ本 桃子さん

「ひとりひとりの人間に焦点を充てつつ『村社会』をあぶり出している様子が面白い」

ニジムさん

「ここに描かれているすべての女性が自分だ、と感じた」

しろちささん

「NYでも東京でもなく、ロシアの半島で起きた事件と、そこに暮らす人たちの物語。でもそれはNYや東京のわたしたちと無関係ではない。たくさんの登場人物が少しずつ重なっていく」


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