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【40年振りの新訳刊行】C・S・フォレスター『駆逐艦キーリング〔新訳版〕』に、タイムラインで盛り上がる皆様の声

 彼らの二千キロ先で男たちが、男たちと女子供が、ほかならぬこの船団の到着を待っていた。船団が今こうして向かっていることも、船たちの名前も、冷徹で広大な海と船とを隔てる厚さ二センチの鉄の向こう側にいる男たちの名前も知らない人々が。この船団が、そして同じようにその名を知られぬ数千の船たちが到着しなければ、待ちわびている男たち、女たち、子供たちは飢え、凍え、病に倒れるだろう。そうでなくとも、爆弾で五体がばらばらに吹き飛ばされるかもしれない。もっとひどい運命に終わるかもしれない。この数年間、冷ややかな眼で見つめてきた、もっとひどい運命に。もし彼らが異質な思想を持つ独裁者に支配され、自由を引きはがされれば──そうなれば、頭ではわからなくとも、心ではそうわかっているように、彼らのみならず、人間という種族全体が苦しめられ、世界じゅうから自由が失われていくことになる。

『駆逐艦キーリング〔新訳版〕』第一章より

〈ホーンブロワー・シリーズ〉で名高いセシル・スコット・フォレスターが、自らのイギリス海軍での従軍経験を元に『THE GOOD SHEPERD』(「善き羊飼い」の意味で、狼と呼ばれたドイツのUボートから輸送船団を護る護衛艦を表している。また、敬虔な牧師の息子である主人公の艦長クラウス自身の表象でもある)を執筆したのは1955年のこと。日本では『ソナー感度あり』の邦題で1957年初訳、ハヤカワ文庫からは『駆逐艦キーリング』のタイトルで1980年に翻訳刊行されました……実に40年前のことです。

そんな海戦小説の歴史的名著、正にレジェンドとされる『駆逐艦キーリング』が、40年ぶりに新訳版で復活します! カバーには旧版と同じ生頼範義氏の装画を使用させて頂きました。『駆逐艦キーリング』を原作とする、トム・ハンクス脚本・主演の映画『グレイハウンド』のトレーラーが公開されたことも重なり、Twitterのタイムラインでは歓喜の声が……! ここでは一部をご紹介いたします。(映画『グレイハウンド』の日本での公開は、2020年5月現在未定です)


ありがとうございます!今日のおすすめは『なめらかな世界と、その敵』です
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