年末年始におすすめのエンタメ小説『異常【アノマリー】』。予測不可能な物語の乱気流が待っている!(エルヴェ・ル・テリエ、加藤かおり訳)
真っ赤なカバーデザインが目を引く『異常【アノマリー】』。読み終えた人たちの驚きの声とともにこのカバーをご覧になった方もいるはず。
この記事では『異常』のポイントを紹介します。「あらすじ検索禁止」を掲げる本書には、読んだ人だけが味わえる感動と衝撃が待っています。
年末年始に読むエンタメを探しているかた、ぜひチェックしてみてください。
『異常』は驚きのエンタメ小説です。読者が慣れ親しんだ小説の枠組みを飛び越え、巧妙に張り巡らされた伏線と、予測不可能な展開によって、物語が進むごとに深みへ引き込んでいきます。一言で表すならば「読書の冒険」。
物語の一端
登場人物は、殺し屋、売れない作家、軍人の妻、がんを告知された男など、これまで接点のなかった人々。彼ら彼女らは、偶然か必然か、同じ航空機に乗り合わせます。パリを発ったエールフランス006便がニューヨークに向けて降下をはじめたとき、異常な乱気流に巻き込まれる。乗客はぶじに生還したかに見えたが……。
これから先は明かせません。ただ確かなのは、この展開はきっと予測できないということです。
書店員さん、読者さんの絶賛コメント
読了した人たちの声が、その衝撃を物語っています。まずは書店員さん。
「第1部の終わりで「ええっ!」と叫び、ラストに声を失い……。物語の乱気流に振り回されっぱなしでした」――黒田紗穂[紀伊國屋書店天王寺ミオ店]
「言葉を超える物語による呪いの力に飲み込まれないように、お気をつけください。この小説本当に凄いです。これを体験しないなんて、読書好きとしてもったいない!」――江藤宏樹[広島 蔦屋書店]
つづいて、X(旧Twitter)に投稿された読者さんの感想です。
「見事としか言いようがない」――@ichiwheat
「読みやすいし超絶面白いぞ!」――@umaigos
「最後まで一気に読ませる」――@CimaHonHon
「ぶっ飛んだ。殺し屋、作家、建築家、弁護士、ラッパー…の生活が描かれ、何となく繋がりが見えてきたところ、とんでもないちゃぶ台返しが!!」――@imaginetwokzk
『異常』は読者の予想を裏切り、先を読み進めずにはいられない驚異的なストーリーテリングを提供します。
読書の冒険
『異常』は、予想外の展開を見せるだけの小説ではありません。「物語とは何か」を根本から問い直し、読者自身の感性を揺さぶります。異常事態におかれた人々の決断を追っていくと、「もし自分だったらどうする?」と思わずにはいられません。
これは、一種の「読書の冒険」です。予測不可能な展開と問いかけに翻弄されながら、物語の中心に吸い込まれていきます。ぜひこの衝撃の物語に飛び込んでみてください。
読解の助けとして、斜線堂有紀氏の解説、登場人物表の挟み込み付き!
本書は「衝撃の展開」ゆえに、内容をあまり紹介できません。でも、中には、「いま読んでいる小説がどんなものなのか、自分が何を読んでいるのかがわかっていないと読み進めにくい」と、感じる方もいるかと思います。
そこで、文庫版では、解説と登場人物表(本に挟むタイプ)をつけました。
◉斜線堂有紀氏の解説
まずは解説です。小説家の斜線堂有紀さんが、この異常な体験を読み進めていくのにぴったりな案内をしてくれます。ちなみに、解説は文庫版の497ページからはじまります。
解説の前半では、本書の読み方をネタバレせずにガイドしています。もし、本書を読みながら、つまずくことがあったら、この前半部分をチェックしてみてください。
解説の後半では、核心に触れつつより深い読解をしています。「※ここからは既読者向けの解説です」という注意の見出しがあります。
◉登場人物表の挟み込み
群像劇でもある『異常』。キャラクターを確認しながら読み進めやすくするために、簡単な登場人物表を本に挟み込んでいます。こちらです!
電子書籍派のかたは、こちらのPDFをお使いください!
この年末年始は、『異常』体験に挑戦してみてください。
◉著者紹介
1957年、パリ生まれ。小説家、ジャーナリスト、数学者、言語学者。1992年より、国際的な文学グループ〈潜在的文学工房(ウリポ)〉のメンバーとして、小説の新しい形式と構造を探求する作品を発表。2019年、4代目の会長に就任する。2020年、本書『異常【アノマリー】』にてフランス文学最高峰のゴンクール賞を受賞し、同国内で110万部を突破。40の言語で翻訳が決まっている。