『侍女の物語』の著者マーガレット・アトウッドによる傑作短篇集『老いぼれを燃やせ』(鴻巣友季子訳)9/19発売!
早川書房は、マーガレット・アトウッド『老いぼれを燃やせ』(鴻巣友季子訳)を2024年9月19日に刊行します。
予言的ディストピア小説『侍女の物語』で知られるアトウッドの短篇が9本収められています。復讐譚、ミステリ、ゴシック・テイストなど、作品はバラエティに富んでいます。
たとえば、口減らしのため富裕層向けの老人ホームを襲撃する若者と、それを施設で待ち受ける老婦人を描いた表題作の「老いぼれを燃やせ」。4人の夫を看取ってきた女性と、彼女の人生を変えた男との再会を描く「岩のマットレス」などなど。
『侍女の物語』の著者らしい恐るべき予言力もありつつ、今作は「コミカルいじわるアトウッド」(©鴻巣さん)が味わえます。担当編集者も読みながら何度も噴き出してしまったほど。ほんとです。
「老いぼれを燃やせ」は文芸誌『文藝』(2020年秋季号)、《フリーズドライ花婿》は文芸誌『すばる』(2016年10月)に掲載され、話題となりました。すでに読んだかたも、これから読むかたもご期待ください!
世界文学をリードするカナダの作家アトウッドの多彩な作風を味わえる短篇集です。
◉作品一覧
・アルフィンランド
・蘇りし者(レヴェナント)
・ダークレディ
・変わり種(ルスス・ナトゥラエ)
・フリーズドライ花婿
・わたしは真っ赤な牙をむくズィーニアの夢を見た
・死者の手はあなたを愛す
・岩のマットレス
・老いぼれを燃やせ
◉著者紹介
マーガレット・アトウッド Margaret Atwood
小説、詩、批評、児童書などさまざまな分野で精力的に活躍するカナダを代表する作家。1939年カナダ、オタワ生まれ。『昏(くら)き目の暗殺者』、『オリクスとクレイク』(以上早川書房刊)、『またの名をグレイス』、『獄中シェイクスピア劇団』等の著作がある。1985年発表の『侍女の物語』は、米国のトランプ政権発足(2017年)前後に再び注目され、〈侍女〉は女性への抑圧に対抗するシンボルとなり、2019年には同作の続篇『誓願』(ともにハヤカワ文庫)を発表し、2度目となるブッカー賞に輝く。2014年、著者の批評性と強烈なユーモアがつまった短篇集である本書『老いぼれを燃やせ』を発表した。これまでにアーサー・C・クラーク賞、フランツ・カフカ賞など数々の賞を受賞。2019年にはその文学活動によってコンパニオンズ・オブ・オナー勲章を受けている。カナダ・トロント在住。
◉訳者紹介
鴻巣友季子 Yukiko Konosu
英米文学翻訳家・文芸評論家。訳書に『誓願』『昏き目の暗殺者』(ともにハヤカワ文庫刊)『獄中シェイクスピア劇団』『ペネロピアド』マーガレット・アトウッド、『恥辱』『遅い男』『イエスの幼子時代』『イエスの学校時代』J・M・クッツェー(以上早川書房刊)他多数。著書に『文学は予言する』他多数
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『老いぼれを燃やせ』(マーガレット・アトウッド/鴻巣友季子訳)は、早川書房より、9月19日に紙・電子同時発売です。