地下道の少女

『地下道の少女』の舞台をめぐる――写真によるストックホルム案内(ヘレンハルメ美穂)

ついに発売された『地下道の少女』(アンデシュ・ルースルンド&ベリエ・ヘルストレム)。北欧最高峰のミステリ賞「ガラスの鍵」賞受賞シリーズの第4弾である本作の主な舞台は、スウェーデンの首都ストックホルムです。
そのストックホルムとはどんなところ? シリーズの翻訳を手掛ける翻訳家・ヘレンハルメ美穂さんの写真と文章による、『地下道の少女』ガイドを掲載いたします。
読了済みの方はもちろん、未読の方も、ぜひ街の雰囲気をお確かめください。

(書影はAmazonにリンクしています)
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アンデシュ・ルースルンド&ベリエ・ヘルストレム『地下道の少女』は、寒さの厳しい1月のストックホルム、その中でも主にクングスホルメン島が舞台となっています。登場人物たちがどんなところを歩いているのか、写真でご紹介したいと思います。

聖クララ教会。ストックホルム中央駅を出てすぐのところにあるヴァーサ通りから撮ったものです。ほんとうに街の中心部、アスファルトやビルに囲まれた場所にある教会です。

「過去」の冒頭でレオが歩いている道を実際に歩いてみました。1月半ばだったので、ちょうど小説の季節と一致しています。道が凍結していて大変だった……
クングスホルメン島、フリードヘム広場から出発。フリードヘム通りを北へ向かいます。方向としてはこの写真の右下へ進んでいく感じです。

フリードヘム通りからサンクトヨーラン通りへの曲がり角。左のグレーの建物が、現在のクングスホルメン基礎学校、昔のフリードヘム基礎学校です。『地下道の少女』原書の刊行はもう12年前なので、いろいろ変わっているところがあると思いますが。

サンクトヨーラン通りの緩やかな坂道を上がっていきます。繰り返しになりますが、道が凍っていて大変だった……

標識にあるとおり、サンクトヨーラン通りとマリエベリ通りの交差点の角です。ここに立って振り返ると……

見えるのがこの交差点。マンホールがあるの見えますかね? タクシーの後ろあたり。

警察本部、プールヘム通りに面した建物。さきほど歩いていた界隈からは、ほんの数百メートルです。

上の建物の右側、ベリィ通りの下り坂。ここを下っていくと……

左手にパスポート申請窓口の入口があります。出勤したスヴェンがここから入っていって、驚きの光景を目にする入口ですね。

冒頭、バスが子どもたちを置き去りにしていった場所。クングスホルム広場をハントヴェルカル通りから見たところ。さきほどのパスポート申請窓口からは200メートルもないと思います。

以上、聖クララ教会だけは少し離れていますが、あとは警察本部を中心に、半径数百メートルの範囲内です。小説のネタバレにならないよう、ほんの少しのご紹介でしたが、少しでも冬のストックホルムの空気を感じ取っていただけたらうれしいです。(写真・文章:ヘレンハルメ美穂)

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『地下道の少女』(アンデシュ・ルースルンド&ベリエ・ヘルストレム、ヘレンハルメ美穂訳)ハヤカワ・ミステリ文庫より発売中

〈グレーンス警部〉シリーズ既刊
※いずれもアンデシュ・ルースルンド&ベリエ・ヘルストレム、ヘレンハルメ美穂訳
第1作『制裁』(ハヤカワ・ミステリ文庫)
第2作『ボックス21』(ハヤカワ・ミステリ文庫)
第3作『死刑囚』(ハヤカワ・ミステリ文庫)
第4作『地下道の少女』(ハヤカワ・ミステリ文庫)
第5作『三秒間の死角(上下)』(角川文庫)


写真はすべて(c)ヘレンハルメ美穂(禁転載)

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