天冥

累計40万部に迫る大人気シリーズ、ついに完結! 小川一水『天冥の標』シリーズ完結記念ペーパー、一部公開!(1/2)

■「天冥の標」シリーズとは?

2003年発表の月面開発SF『第六大陸』(12が第35回星雲賞日本長篇部門を受賞して以降、骨太な本格SFの書き手として活躍を続けている小川一水(おがわ・いっすい)氏。

小川氏の『天冥の標(てんめいのしるべ)』シリーズは、累計40万部に迫る大人気シリーズ。2009年に発表した『天冥の標Ⅰ メニー・メニー・シープ』(上・下)で幕を開けた壮大なスケールの時間・空間を舞台に紡がれる物語は、2018年12月から刊行予定の『天冥の標X 青葉よ、豊かなれ』(PART1・2・3)でついに完結を迎えます。

2010年代の日本SFを代表する超巨大シリーズであり、これまでの小川作品で書かれてきたさまざまな要素を取り入れた、まさに著者の集大成とも言える超大作です。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※今回は、シリーズ完結を記念して作られたペーパーの内容を「一部」公開いたします。ペーパーの全容は、「天冥の標完結記念フェア」を展開いただいている書店様にてご確認ください。詳細はこちらからご覧ください。    ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

シリーズの刊行にあたり、著者の小川一水氏と担当編集の塩澤快浩が本シリーズに込めた思いを語りました。

■「1巻のためのあとがき」より抜粋

 この話が生まれたいきさつは、語ってみればきわめて簡単です。当時のSFマガジンの編集長と、早川書房の近所の中華料理屋で、みそナッツか何かを食べながら決めました。
「小川さん、次の話、できること全部やっちゃってください」
「あ、はい」
「十巻くらいで」
「おお、すごいですね」
 ひとごとか、俺。
 それで、できることを全部数え上げたうえで、できるかどうかわからないことや、やったことのないことをさらに盛り込んで、この話にしたという次第です。
 した、というと時制がおかしいな。これから、する、のだから。
 でもこの話の終わりはすでに見えています。そのころにはこの話は、たいしたものになっています。ですので私は、安心して、それまで好き勝手やってこの話を盛り上げていくというわけです。
 ご注目ください。

(2009年刊行『天冥の標 メニー・メニー・シープ 下』所収)

■「最終巻の手前でのあとがき」より抜粋

 あと一巻・数冊でその語りは区切られることになる。区切ってもそこで閉ざされずに、先へ向かってまた無数の星々を振りまくことになる終わりを迎えるのは、たぶん確かだと思う。何を振りまくのかは、ちょっとこれは嬉しいのだが、まだこれから決めることができるのだ。あいつもこいつも、これまでにいっぱい蓄えた力を持っている。ずっと前から潜んできて、今ようやく姿を現すことのできるやつもいる。そいつらに任せれば、七年のあいだに降ってきた新たな事実を呑みこんで振り回させることなど、造作もない。
 十巻、「青葉よ、豊かなれ」。二〇一八年のこの宇宙へ贈る。

(2016年刊行『天冥の標Ⅸ ヒトであるヒトとないヒトと PART2』所収)

■担当編集・塩澤快浩コメント

 作家・小川一水のもっとも脂の乗った10年間を、このシリーズに捧げていただくことになりました。担当編集者としても、その責任は最後まで果たさせていただく所存です。

次ページでは、『天冥の標』シリーズの既刊をご紹介!

2ページ目へつづく

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