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【終了・追記あり】『なめらかな世界と、その敵』印税の寄付について

新刊『なめらかな世界と、その敵』の印税について、著者の伴名練氏からのおしらせを掲載いたします。(編集部)

【追記】
寄付口座が2019年10月末をもって終了となったことにともない、本書の印税寄付もその時点の、7刷までで終了させていただきました。2020年3月の8刷からは通常通りの著者印税といたします。本書寄付金額の合計は¥3,315,000となりました。お買い上げいただいた皆様に、改めて御礼申し上げます。(編集部)

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『なめらかな世界と、その敵』はおかげをもちまして、発売前重版を成し遂げることができました。これも、読者の方々から大きなご声援を頂いたおかげです。改めて御礼申し上げます。

本日は、この場を借りてご報告をさせて頂きたく思います。

『なめらかな世界と、その敵』の紙版単行本について、(現在発売中の初版、決定済みの第2刷を含め)当分の間、印税を私は受け取らず、その間の印税相当額全額を、早川書房様から募金窓口を通じて京都アニメーション様に寄付して頂くことに致しました。振込手数料が振込額を超える可能性を鑑みて、この寄付は紙版のみの措置であり、デジタル版には適用されないこと、ご了承下さい。

2006年4月に京都の大学に入学し、SF研究会に入った人間にとって、2006年4月から始まったアニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』がどれだけ衝撃的な体験だったか、当時を知るSFファンの方にはご理解頂けるかと思います。細かな心理の動きや、この世界には存在しない事象を、美しくリアルな映像表現に落とし込んで原作の魅力を最大限に引き出す技術に、私たちは熱狂しました。青春の一部といっても過言ではありませんでした。卒業直前の2010年2月に、京都の映画館で『涼宮ハルヒの消失』をSF研の会員たちと視聴し、映画館を出るなり内容について様々な議論を繰り広げた日のことは、今も記憶に強く焼き付いております。大学卒業後も、京都アニメーション様の作品には、いつも楽しい時間を与えて頂きました。

『なめらかな世界と、その敵』校了の時期に、今回の事件の報に触れました。心身ともに大きな傷を負われた方の多くいらっしゃる中で、関係者の方々の悲しみと苦しみは、部外者である私にはとうてい計り知れないものです。それでも、少しでも何かできることはないかと考え、これまでの感謝をわずかでも届けたいと思い、早川書房様と相談の上で、印税相当分の寄付と、この文書の掲載を決めました。

 これまで無数の素晴らしい作品を作り続けてこられた京都アニメーション様に、心より感謝を申し上げます。

 被害に遭われた方々の、一日も早い回復をお祈りしております。

2019年8月20日 伴名練

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『なめらかな世界と、その敵』内容紹介

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