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「宇宙と船橋を混ぜたらこうなる!」パワーワード連発の『月の落とし子』書店員さん感想8傑!!

宇宙と船橋を混ぜたらこうなる!
by 三省堂書店そごう千葉店 沢口歩未さん
作者は船橋に親でも殺されたのでしょうか…
それとも深すぎる愛情の裏返しなのか…
by 丸善津田沼店 西尾文惠さん
本作の舞台である千葉県は相次ぐ台風の襲来で大変な被害に遭っています。近年、各地で様々な災害が起こり、多くの人たちが様々な被害を受け、今もなお大変な状況が続いております。これまで小さな島国で頻発する大災害に団結して対処してきた私たちにとって、本書が少しでも被災者に対してのエールになることを期待しています。
by 恭文堂書店 菅原豪さん

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 突然死する宇宙飛行士、墜落する宇宙船オリオン3号、蔓延する致死率80%のシャクルトンウィルス――。2019年の第9回アガサ・クリスティー賞受賞作『月の落とし子』は、空前のスケールで描かれる超災害ミステリ。舞台となるのは千葉県船橋市です。

 事前に本作のゲラを読んでいただいた書店のみなさまから、続々と熱い感想が届いております!

 この前の台風で大変なことになっている千葉が、小説の中でももっと大変になってる!! 千葉県はあまり行く機会がないのですが、むくむくと興味がわきあがってきます。特に船橋が! ひどい目にあっているのに、なぜか船橋愛を感じるふしぎさよ。
 ディザスターもので、最後はきっちり感動させてくれますが、脳内は『シ◯・ゴジラ』と『超◯台風』のイメージになってしまいました。恋愛展開がなければもっとよかったです。
精文館書店本店 保母明子さん 
 バイオハザード ver.船橋
 極限下で繰り広げられる家族愛、人類愛、郷土愛…郷土愛…?
 作者は船橋に親でも殺されたのでしょうか…
 それとも深すぎる愛情の裏返しなのか…
 船橋市民の方は、ぜひ自身の目で確かめてほしい。
丸善津田沼店 西尾文惠さん
 人は極限状態のなかで、何を優先させるのか。
 人は最後に何を考え、何が脳裏に浮かぶのか。
 その言葉が思い浮かびました。
 大きな宇宙のなかの一つの生命体の人間、小さくてもひとりひとりの感情、生きる、愛するということは大きく存在する。大きな未知の宇宙では、地球では、何かあるかもしれません。実際に起こり得るかもしれないと思いました。マイケル・サンデル著『これからの正義の話をしよう』が頭に浮かびました。冷静な判断の残酷さ。人を救おうという純粋な心。愛と現実が複雑に絡まって、心が揺れ動いています。
 色々な思いがわきあがり、深いテーマをはらんだミステリーにひかれました。
ジュンク堂書店滋賀草津店 山中真理さん
 日本を舞台にした、海外に通用するディストピアSF小説が出てきた事が、とにかくめちゃくちゃ嬉しい。
 土地勘がないと絶対に描けない構築された破壊の嵐は、不謹慎だけど最高に痛快だった。
 千葉の船橋、すっげーヤバイ事になってる!!
文教堂書店青戸店 青柳将人さん
 月から地球へ、そして日本へと
 濃い! とにかく濃い!
 ぶわっと鳥肌の立つ349ページでした。
 現実に月からウィルスが来ることはないだろうけれど、自然災害の多い昨今の世の中で、似たような状況は起こり得ると考えるととても怖い。そんな時、私は彼らのように他人を思って行動することが、果たしてできるのだろうかと考えた。
東京旭屋書店新越谷店 猪股宏美さん
”終わってしまった言葉の先にある想いのためにできることとは?”
 月の裏側で未知のウィルスに感染してしまい、心ならずも日本に墜落してしまった宇宙飛行士。負傷者を救助するために現場に向かう宇宙飛行士の妹を待ち受けていたのは、尊敬する兄への激しい非難でした。政府は感染の拡大を防ぐため、地域を封鎖する手段を講じましたが、折り悪く、事故現場には大型の台風が迫ってくる、という最悪の事態に陥ってしまいます。日本を守るために現場の一部の国民を見捨てるのか?それとも危険を覚悟の上で現場の国民を救助するのか?難しい決断を迫られます。
 本能なのかもしれませんが、私たちはまず、自分のことを第一に考えます。当たり前と言われればそうかもしれません。まずは自分、次には家族・親戚や大切な友人、余裕があれば周りの人たちに目を向けることになります。これは生物としては当然のことかもしれませんね。しかし、これは情報があってのものなのです。何が起こっているのか? 何故このようなことになっているのか? 現場で苦しんでいる人たちの助けを求める言葉が私たちのもとに届かなければ、何もすることができません。ほんの小さな声でも私たちは聴こうとする気持ちが必要なのかもしれません。今、世界では様々な場所でいわれのない理不尽に苦しんでいる人たちがたくさんいることと思われます。その現実を変えるためには、まず声をあげること、そして行動に移すことが求められているように思います。
「地球という親の元に生まれた子供の一人として、世界の人々の底しれない力を信じて」
行動に移してほしい、そんな著者の想いが聞こえてくるようです。
 今年は本作の舞台である千葉県は相次ぐ台風の襲来で大変な被害に遭っています。近年、各地で様々な災害が起こり、多くの人たちが様々な被害を受け、今もなお大変な状況が続いております。これまで小さな島国で頻発する大災害に団結して対処してきた私たちにとって、本書が少しでも被災者に対してのエールになることを期待しています。
恭文堂書店 菅原豪さん
 宇宙と船橋のまさかの交差…!
 途中出てくる地名に思わずあそこか…!
 と気付いて地図で確認してしまいました!
 嫌いではないけれど普段あまりSF(?)、宇宙ものを読んでいなかったこともあり、新鮮な感じでした。人間の思考や集団行動の意識なども書かれており、空前の災害心理について考えさせられました。
 切なく。ハラハラドキドキ、ドキドキ感が続いて一気読み必至です。
 宇宙と船橋を混ぜたらこうなる!
三省堂書店そごう千葉店 沢口歩未さん
 未知のウィルスによる宇宙飛行士の死、生き残った日本人飛行士の覚悟に心がふるえる! コントロールを失った月面探査船が市街地のマンションに激突!! そして未知のウィルスの拡散! ありえない未曾有の災害に翻弄されながらも決して希望を失わない人々の勇気に感動する!
今井書店TONOMACHI63 浜崎広江さん

 ……いかがでしたでしょうか。第9回アガサ・クリスティー賞受賞作『月の落とし子』(著:穂波了)は、全国の書店さんで絶賛発売中です。ハードカバーの単行本ですので、カバーの燃え上がるタワーマンションを目印に、文芸書コーナーなどでお買い求めください! 千葉を、船橋を救え!

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