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ハヤカワ国内フィクション

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SFブーム時代への憧憬から生まれた物語――『さやかに星はきらめき』刊行記念著者 村山早紀インタビュー

SFブーム時代への憧憬から生まれた物語――『さやかに星はきらめき』刊行記念著者 村山早紀インタビュー

村山早紀氏の最新作『さやかに星はきらめき』が早川書房より刊行されました。
本屋大賞に2年連続でノミネートされた『桜風堂ものがたり』『百貨の魔法』や、20年の時を経て愛蔵版が刊行された〈シェーラひめのぼうけん〉シリーズを手掛けるファンタジーの名手が描く、宇宙を舞台にした連作短篇集です。
こちらの記事では「SFマガジン」2月号(2023年12月24日発売)に掲載予定のインタビューを先行公開いたします。

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夏への憧憬を呼び起こす瑞々しい青春SF。高野史緒『グラーフ・ツェッペリン あの夏の飛行船』(書評・嵯峨景子)

夏への憧憬を呼び起こす瑞々しい青春SF。高野史緒『グラーフ・ツェッペリン あの夏の飛行船』(書評・嵯峨景子)

青春SFの新たな金字塔との呼び声高い、高野史緒氏の最新作『グラーフ・ツェッペリン あの夏の飛行船』。本欄では、嵯峨景子氏によるSFマガジン2023年10月号掲載の本書の書評を先行掲載します。

夏への憧憬を呼び起こす瑞々しい青春SF
嵯峨景子

 十九世紀ウィーンを舞台にしたデビュー作『ムジカ・マキーナ』や、江戸川乱歩賞を受賞した『カラマーゾフの妹』など、高野史緒といえばヨーロッパを題材にした重厚

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4/25発売『すこしふしぎ』な大特集!SFマガジン6月号「藤子・F・不二雄のSF短編」特集

4/25発売『すこしふしぎ』な大特集!SFマガジン6月号「藤子・F・不二雄のSF短編」特集

SFマガジン4月25日発売号は、「特集・藤子・F・不二雄のSF短編」。春からTVドラマが放送開始したり、藤子・F・不二雄ミュージアムで原画展も開催されている、藤子F先生のSF短編コミックに焦点をあてた特集企画です。

「ひとりぼっちの宇宙戦争」「みどりの守り神」「流血鬼」「ミノタウロスの皿」「定年退食」「ノスタル爺」「カンビュセスの籤」……「少年SF」と「SF・異色短編」、あわせて約110作に及ぶ

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【「草上仁が読みたい!」結果発表!】読者投票で第1位に輝いた作品とは・・・・・・!?

【「草上仁が読みたい!」結果発表!】読者投票で第1位に輝いた作品とは・・・・・・!?

『5分間SF』、『7分間SF』『大人になる時』など、数々の名作短篇SFを生みだしてきた作家の草上仁さん。その作家デビュー40周年を記念しSFマガジン2022年12月号にて行なった読者投票企画「草上仁が読みたい!」の結果を本欄にて特別公開いたします。魅力的なタイトルと筋書きでもっとも読者を惹きつけた未発表短篇はどんな小説だったのか!? 1位に輝いた作品を掲載したSFマガジン2023年2月号もお読み逃

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【新人ミステリ作家が語るSFのおそろしさ!?】アガサ・クリスティー賞受賞記念エッセイ(西式豊)

【新人ミステリ作家が語るSFのおそろしさ!?】アガサ・クリスティー賞受賞記念エッセイ(西式豊)

第12回アガサ・クリスティー賞を受賞した西式豊さんのデビュー作にして、近未来SFミステリの新たな傑作『そして、よみがえる世界。』。本欄では、西式さんがミステリとSF、そしてエンターテインメントへの想いをつづった、SFマガジン2023年2月号掲載の受賞記念エッセイを再録いたします。

「SFこわい」

西式豊

 気の回る読者であれば、本稿のタイトルを見て、「アガサ・クリスティー賞」を受賞してデビュ

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【祝・草上仁作家デビュー40周年】記念エッセイ「いつまでやる気?」

【祝・草上仁作家デビュー40周年】記念エッセイ「いつまでやる気?」

今年デビュー40周年を迎えられた、作家の草上仁さん。SFマガジンでは、読者投票で次号掲載作品を決定する特別企画「草上仁が読みたい!」を実施中。本欄では、SFマガジン2022年12月号掲載の本作の記念エッセイを再録します。

デビュー四十周年記念エッセイ
「いつまでやる気?」 草上仁

 算数が得意ではないので自信を持って断言できないのだが、編集者によるとわたしもデビューして四十年になるそうだ。
 

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【1位に輝くのはどの作品?】デビュー40周年記念・読者投票企画「草上仁が読みたい!」

【1位に輝くのはどの作品?】デビュー40周年記念・読者投票企画「草上仁が読みたい!」

『5分間SF』など、奇想天外なアイデアから生まれる短篇SFの名手として知られる作家の草上仁さん。じつは、ここ数年間ほぼ毎月1本のペースで新作をお送りいただいています。デビュー40周年の節目をむかえる今年は、草上さんの驚異の執筆ペースに少しでも近づきたい! そして読者の皆さまにもっと草上仁SFを楽しんでもらいたい! ということで、SFマガジン2022年12月号では、未発表短篇のなかから5篇を厳選し、

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上遠野浩平〈製造人間〉シリーズ新作短篇「製造人間は省みない」、SFマガジン6/24発売号に掲載

上遠野浩平〈製造人間〉シリーズ新作短篇「製造人間は省みない」、SFマガジン6/24発売号に掲載

〈ブギーポップ〉の裏側を明かす異能力者たちによる対話集、『製造人間は頭が固い』『憎悪人間は怒らない』が絶賛発売中の上遠野浩平氏。
待望のシリーズ新作短篇が6月24日発売のSFマガジン2022年8月号に掲載!

「製造人間は省みない "The Heedless Fate"」、お楽しみに!

↓↓以下、シリーズ既作の紹介です↓↓

■『製造人間は頭が固い』収録作
①「製造人間は頭が固い "The In

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【『アグレッサーズ』4/20(水)刊行】《戦闘妖精・雪風》シリーズガイド

【『アグレッサーズ』4/20(水)刊行】《戦闘妖精・雪風》シリーズガイド

神林長平氏の人気シリーズ《戦闘妖精・雪風》。13年ぶりの第4作『アグレッサーズ』刊行にさきがけ、冬木糸一氏による「《戦闘妖精・雪風》シリーズガイド」(SFマガジン2022年6月号より)を先行掲載いたします。ぜひ本欄で既刊3作を復習して、最新作をお楽しみください。

はじめに

《戦闘妖精・雪風》シリーズの新刊『アグレッサーズ』が刊行される。本シリーズは、神林長平のデビュー初期の一九八四年に第一部『

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上遠野浩平〈製造人間〉シリーズ新作短篇「凡庸人間は安心しない」、SFマガジン2/25発売号に掲載

上遠野浩平〈製造人間〉シリーズ新作短篇「凡庸人間は安心しない」、SFマガジン2/25発売号に掲載

〈ブギーポップ〉の裏側を明かす異能力者たちによる対話集、『製造人間は頭が固い』『憎悪人間は怒らない』が絶賛発売中の上遠野浩平氏。
待望のシリーズ新作短篇が2月25日発売のSFマガジン2022年4月号に掲載! 

「凡庸人間は安心しない "The Unstable Mediocrity"」、お楽しみに!

↓↓以下、シリーズ既作の紹介です↓↓

目次■『製造人間は頭が固い』収録作

■『憎悪人間は怒

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新作短篇に備えよ! 上遠野浩平〈製造人間〉シリーズ振り返り

新作短篇に備えよ! 上遠野浩平〈製造人間〉シリーズ振り返り

〈ブギーポップ〉の裏側を明かす異能力者たちによる対話集、『製造人間は頭が固い』『憎悪人間は怒らない』が絶賛発売中の上遠野浩平氏。
SFマガジン2021年6月号(4月24日発売)に待望の新作短篇が掲載予定。この機会にシリーズを振り返りましょう!

■『製造人間は頭が固い』収録作

上遠野浩平『製造人間は頭が固い』ハヤカワ文庫JA
682円(10%税込)ISBN:9784150312794
発売日:2

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SFM特集:コロナ禍のいま⑥ 野尻抱介「地球は静止しない。止まるのは人類だ」

SFM特集:コロナ禍のいま⑥ 野尻抱介「地球は静止しない。止まるのは人類だ」

新型コロナウイルスが感染を拡大している情勢を鑑み、史上初めて、刊行を延期したSFマガジン6月号。同号に掲載予定だった、SF作家によるエッセイ特集「コロナ禍のいま」をnoteにて先行公開いたします。本日は飛浩隆さん、野尻抱介さんのエッセイを公開。2名ずつ、毎日更新です。

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 嬉しいねえ。気分はもうシンギュラリティだよ。シンギュラリティの定義や想定はいろいろあるけど、要するに「人間が

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【特報】『ゲームの王国』文庫になります&小川哲トークイベントのお知らせ

【特報】『ゲームの王国』文庫になります&小川哲トークイベントのお知らせ

2017年8月に刊行されるや否や、規格外で超弩級のSF巨篇として大きく話題になった、小川哲『ゲームの王国』。第39回吉川英治文学新人賞最終候補に選ばれ、第38回日本SF大賞&第31回山本周五郎賞をW受賞した同作がハヤカワ文庫JAより2019年12月4日に刊行されます。

『ゲームの王国』ってどんな作品? と思われた方はこちらからどうぞ。作品の冒頭が読めます。

 闇の中からは、光がよく見える。チョ

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もうひとつの『零號琴』がここに――SFマガジン連載版をそのまま電子書籍化した『零號琴〔SFマガジン連載版〕』配信中!

もうひとつの『零號琴』がここに――SFマガジン連載版をそのまま電子書籍化した『零號琴〔SFマガジン連載版〕』配信中!

2018年、飛浩隆氏による16年ぶりの第2長篇『零號琴』が刊行されました。SFマガジンでの連載を大幅に加筆訂正した本作は、待望の新作として、刊行予定が発表されるやいなや大きな話題を呼びました。

『零號琴』

もちろん、刊行後も読了した読者の惜しみない賛辞は尽きることがなく、本日発売した『SFが読みたい! 2019年版』で発表された「ベストSF2018」でも圧倒的な強さで第1位に。ちなみに飛浩隆氏

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