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ハヤカワ・ノンフィクション

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#ノーベル賞

闇のカーネマン!? 吉川浩満氏が語る、『NOISE』(ダニエル・カーネマン他)活用の可能性

畢生の〈ヒューマンエラー大全〉完結 ダニエル・カーネマンの前著『ファスト&スロー──あなたの意思はどのように決まるか?』(上下、村井章子訳、ハヤカワ文庫NF)は、ヒューマンエラーの源泉であるバイアスに関する百科全書的啓蒙書として、重要な意思決定に携わる人びとの必読書となった。

この本のおかげで私たちは自らのバイアスを多少なりとも気にするようになった。それになにより、バイアス研究にもとづいた行動経

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ありがとうございます!今日のおすすめは『なめらかな世界と、その敵』です

難民認定が「賭け」である理由 ダニエル・カーネマン他『NOISE』解説・友野典男

『NOISE』解説(元明治大学教授 友野 典男)難民認定の許可は審査官によって大きく違い、アメリカでの調査によると、ある審査官は申請の5%しか許可しないが別の審査官は88%許可するという例があった。難民に認定されるかどうかは賭けをするようなものなので、この調査のタイトルは「難民ルーレット」である。

経験豊富な精神科医10人が参加した調査では、百人近い患者の診断を行なったところ、2人の医師の意見が

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ありがとうございます!『名探偵ポアロ オリエント急行の殺人』もどうぞ!

経済学界の異端児がノーベル賞を受賞!『行動経済学の逆襲』はその軌跡を語りつくした「メイキング・オブ・行動経済学」の傑作

著者の2017年度ノーベル経済学賞受賞で話題をさらったリチャード・セイラー『行動経済学の逆襲』(上下巻、遠藤真美訳)がついに文庫化。

従来の経済学は完全に合理的な人間像を想定してきたが、そんな人は地球上に一人もいないのでは? 根本的な疑問を抱えた「ぐうたら」経済学者は、意思決定の不合理を探究する心理学者たちに出会う。彼らとの協働はやがて「行動経済学」という新たな学問へと結実していくが、それは同時

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ありがとうございます!『これからの「正義」の話をしよう』もおすすめです